007/ダイ・アナザー・デイ
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007/ダイ・アナザー・デイ (2002)
DIE ANOTHER DAY
 映画『 007/ダイ・アナザー・デイ (2002) DIE ANOTHER DAY 』をレヴュー紹介します。

 映画『 007/ダイ・アナザー・デイ 』を以下に目次的に紹介する。
■映画『 007/ダイ・アナザー・デイ 』のポスター、予告編および映画データ
■映画『 007/ダイ・アナザー・デイ 』の解説
 ネタばれをお好みでない方はこの解説をご覧下さい。
■映画『 007/ダイ・アナザー・デイ 』のトリビア
■映画『 007/ダイ・アナザー・デイ 』のスタッフとキャスト
■映画『 007/ダイ・アナザー・デイ 』の<もっと詳しく>
 <もっと詳しく>は映画『 007/ダイ・アナザー・デイ 』の「テキストによる映画の再現」レヴュー(あらすじとネタバレ)です。※ご注意:映画『 007/ダイ・アナザー・デイ (2002) DIE ANOTHER DAY 』の内容やネタバレがお好みでない方は読まないで下さい。
■映画『 007/ダイ・アナザー・デイ 』の結末
■映画『 007/ダイ・アナザー・デイ 』の更新記録

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幸の鑑賞評価: 8つ星 
■映画『 007/ダイ・アナザー・デイ 』のポスター、予告編および映画データ
007/ダイ・アナザー・デイ
007/ダイ・アナザー・デイ
Links:  Official Web Site
Trailers:  Quick Time2.4Mb
Quick Time4Mb
Quick Time8.4Mb
上映時間 Runtime: 2:12
製作国 Country: アメリカ/イギリス
USA / UK
製作会社
Production Company:
Danjaq Productions
Eon Productions Ltd. [uk]
Metro-Goldwyn-Mayer (MGM) [us]
United Artists [us]
全米配給会社 Distributer: Metro-Goldwyn-Mayer Distributing Corporation
United Artists
全米初公開 Release Date: 2002/11/22
日本初公開 R. D. in Japan: 2003/02/15 予定
日本公開情報 : 20世紀フォックス
ジャンル Genre: アクション/アドベンチャー
Action/Adventure
MPAA Rating 指定: Rated PG-13 for action violence and sexuality
日本語公式サイト
http://www.foxjapan.com/movies/dieanotherday/
●スチルはnostalgia.com、予告編はcinemaclock.comより許諾をえて使用しています。
Filmography links and data courtesy of The Internet Movie Database & Nostalgia.com.
Filmography links and data courtesy of CinemaClock Canada Inc.
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■映画『 007/ダイ・アナザー・デイ (2002) DIE ANOTHER DAY 』の解説

 今回の『 007/ダイ・アナザー・デイ 』もピアース・ブロスナン。この『 007/ダイ・アナザー・デイ 』は007シリーズ第 20 作目だ。『 007/ダイ・アナザー・デイ 』は、ショーン・コネリー Sean Connery の1962 年の『 007/ドクター・ノオ (シリーズ第1作) 』から丁度 40 年の歳月が経った。女王陛下の諜報員ジェームズ・ボンド役のピアース・ブロスナンは板について、欧米では非常に適役だとされている。
 さて、今回の『 007/ダイ・アナザー・デイ 』のボンドは、北朝鮮と韓国の間の非武装地帯を超高速ホーバークラフトでチェイスする緊迫感からストーリーが始まる。日本では拉致問題で殊に北朝鮮に関心があると思うので、海外の観客と異なった熱心さで日本では観られるだろう。韓国の後は香港へ、そして遥かキューバへ、更にボンドのお膝元ロンドンへ飛び、二人の美女が絡んでくる。アイスランドでもボンドは驚異の新しい武器で大冒険。ヘリ、パラシュート、サーフィン、車椅子、スノーモービル、フェンシング、刀、レーザー、拷問、人工衛星…と何でもありだ。いつもながら派手なアクションでストレス発散にもってこいの映画『 007/ダイ・アナザー・デイ 』だ。

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■映画『 007/ダイ・アナザー・デイ (2002) DIE ANOTHER DAY 』のトリビア

・『 007/ダイ・アナザー・デイ 』の“DIE ANOTHER DAY”はロンドン訛りやオーストラリア発音なら「ダイ・アナザー・ダイ」となって、「次から次に死ね」なんて意味に取れるのかしら?

・ピアース・ブロスナンは007シリーズのジェームズ・ボンド役を辞めたがっている! 誰が後任にふさわしいか、映画界では大変な騒ぎらしい。コリン・ファレルは断ったそうで。<追記:イングランド出身のダニエル・クレイグ Daniel Craig (
ミュンヘン (2005) MUNICH
ザ・ジャケット (2005) THE JACKET
Jの悲劇 (2004) ENDURING LOVE
シルヴィア (2003) SYLVIA
ロード・トゥ・パーディション (2002) ROAD TO PERDITION
エリザベス (1998) ELIZABETH 』)が新ジェームズ・ボンドに正式決定した。>
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【『 007/ダイ・アナザー・デイ 』のスタッフとキャスト】
監督: リー・タマホリ Lee Tamahori (Directed by)
製作: バーバラ・ブロッコリ Barbara Broccoli (producer)
    マイケル・G・ウィルソン Michael G. Wilson (producer)
原作: イアン・フレミング Ian Fleming (Writing credits)
脚本: ニール・パーヴィス Neal Purvis (written by)
    ロバート・ウェイド Robert Wade (written by)
撮影: デヴィッド・タッターサル David Tattersall (Cinematography by)
編集: アンドリュー・マックリッチー Andrew MacRitchie (Film Editing by)
    クリスチャン・ワグナー Christian Wagner (Film Editing by)
衣装: リンディ・ヘミング Lindy Hemming
音楽: デヴィッド・アーノルド David Arnold (Original Music by)
テーマ曲: モンティ・ノーマン Monty Norman (James Bond theme)
主題歌: マドンナ Madonna (theme song)

出演: ピアース・ブロスナン Pierce Brosnan as ジェームズ・ボンド
    ハル・ベリー Halle Berry as ジンクス
    ロザムンド・パイク Rosamund Pike as ミランダ・フロスト
    トビー・スティーヴンズ Toby Stephens as グスタフ・グレイヴズ
    リック・ユーン Rick Yune as ツァオ
    ウィル・ユン・リー Will Yun Lee as ムーン大佐
    ケネス・ツァン Kenneth Tsang as ムーン将軍
    エミリオ・エチェヴァリア Emilio Echevarria as ラウル
    ミハイル・ゴレヴォイ Mikhail Gorevoy as ヴラッド
    ローレンス・マコアレ Lawrence Makoare as キル氏
    マイケル・マドセン Michael Madsen as ダミアン・ファルコ
    ジュディ・デンチ Judi Dench as M
    ジョン・クリーズ John Cleese as Q
    サマンサ・ボンド Samantha Bond as マニーペニー嬢
    コリン・サーモン Colin Salmon as チャールズ・ロビンソン

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ストーリー展開の前知識やネタバレがお好みでない方は、読まないで下さい。
■映画『 007/ダイ・アナザー・デイ 』の「テキストによる映画の再現」レヴュー
 私は日本公開前に字幕スーパーなしの英語で観たので、わかる範囲でレヴューします。映画データについては調査した時点と公開される時点で異なる場合があります。本作の内容については、語学力と経験・常識不足のため、間違いや勘違いや適切でない表現があるかもしれません。どうかご理解賜りますようお願いいたします。また、リンクやメールをいただく場合はここを必ずお読みくださいますように。
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【 007/ダイ・アナザー・デイ 第01段落 】  紺碧の高波に真っ白な波しぶき。007らしいBGM。もうワクワクしてくる。大波に乗ってウェットスーツに身を包んでサーフィンする男三人。ここは想定は北朝鮮の海岸。ジェームズ・ボンド(ピアース・ブロスナン)を筆頭に密かに上陸する男達。浜辺では韓国語を話しながら警備の兵士達がいる。いかにも北朝鮮だ、と思わせるが、ロケはハワイのマウイ島だそうだ。なぜマウイかというと、三人が一つの波に一緒にサーフできるほどの大波は世界でもここだけだからで、しかも、そんな大波は1年に数回しかないそうだ。撮影のデヴィッド・タッターサルは
グリーンマイル (1999) THE GREEN MILE 』も撮影の人で、大波のチャンスをサーファー達と毎日待っていたのだろう。あまりに大きな波なので、そこをサーフィンしている人間の映像はCGかと思ってしまったくらいだ。

【 007/ダイ・アナザー・デイ 第02段落 】  上陸するとすぐに秘密兵器で空のヘリコプターに信号を送る。そして乗っていた男からアタッシュケースとサングラスを奪って、ボンドはその男になりかわる。アタッシュケースの中は大粒のダイヤモンドでいっぱいだ。ボンドが向かった先はムーン大佐(ウィル・ユン・リー)の本部の非武装地帯。ボンドは先ほどの男に化けて、大佐や部下達に会う。ムーン大佐は小奇麗で繊細なタイプで、英語も流暢に話せる(これ伏線)。ボンドの目的は、このダイヤと彼らの調達した武器との交換だ。この基地には、大佐の趣味の外車ポルシェやジャガーがずらりと並んでいる。ここは非武装地帯の筈なのだが、一帯には百万個の地雷が埋め込まれ、重装備の恐ろしい武器や戦車の類がたくさん調達されている。

【 007/ダイ・アナザー・デイ 第03段落 】  見破られる筈がないのに、ボンドは英国のスパイ、暗殺者と素性が割れてしまい、ヘリコプターは爆破される。そこにムーン大佐の父親のムーン将軍(ケネス・ツァン:
アンナと王様 (1999) ANNA AND THE KING 』等に出演)があと5分で到着すると連絡が入る。ボンドは機を窺って腕時計を回して爆発を起こし、外車のコレクションも吹き飛ばす。初っ端から激しい撃ち合いだ。そして超高速ホーバークラフトにボンドも大佐もそれぞれ乗って、初めて見るホーバークラフトのチェイス。これは形が平たくて大きいから、かなりの重々しい迫力。ここは北朝鮮と韓国の境だから、その境界の非武装地帯を追いつ追われつド迫力のアクションで進む。

【 007/ダイ・アナザー・デイ 第04段落 】  それにしてもボンドは何でも運転・操縦できるのだ。速く運転しながら横目で地雷を見つけては、ライフルで撃って爆発させる。必死に追ってくるムーン大佐。すると前方に行き止まりの石の壁が迫り、ムーン大佐のホーバークラフトは壁を突き破り、断崖の眼下のダム?に落下して水に飲み込まれてしまった。ボンドはと言うと、お寺の鐘(いかにも東洋という演出)にしがみ付いて生き残っている。大佐の親であるムーン将軍が後を追って来て、「息子は死んでしまった…。」 こうしてジェームズ・ボンドは北朝鮮に囚われの身になった。

【 007/ダイ・アナザー・デイ 第05段落 】  顔を水に入れる拷問。ここでやっとマドンナの歌うテーマソング。映画の始まりから軽く 10 分はたっているだろう。クレジットが流れている間、サソリや金箔の女体の刺激的かつ美しい映像が流れ、ボンドの各種の拷問シーンが続く。・・・俺を裏切ったのは誰だ?暗く寒い"北"での拷問の日々が 14 ヶ月続き、ボンドはロビンソン・クルーソーのようになってしまった。髪と髭は伸び放題で、シャツはぼろぼろ、垢まみれのきたない風貌である。

【 007/ダイ・アナザー・デイ 第06段落 】  拘束から 14 ヶ月後、霧の深い朝、遂にボンドは解放される。北朝鮮と韓国の境界の橋を歩みを進めるボンドとすれ違いに、"南"からはツァオ(リック・ユーン)が霧の中から姿を現してくる。ツァオの顔面にポツポツしたものがあるのは、何か施術されたのではないか。ツァオ役のリック・ユーンは韓国系の俳優で、東洋人ながら 186 cm もあり、ブロスナン等の白人と並んでも堂々と渡り合っていて、後半すごい不気味な迫力だった。テコンドーが強いらしい。

【 007/ダイ・アナザー・デイ 第07段落 】  "南"に橋を渡り次第、ボンドは突然注射され意識を失い、その間に身体の精密検査をされる。体内に薬品や細菌を入れられていないかとかのチェックだ。その後、眠りから覚めたボンドの脈拍が急に下がり、緊急ブザーが鳴り響く。医師たちが駆けつけると、突然起き上がり、殴って彼らを病室に閉じ込めてしまった。ボンドって、自分で脈数を急減させることまでできるのだ。ここを脱出して、ボンドが次に姿を現したのは香港。海を泳いで(どこから泳いで来たのか?まさか韓国からでは。そんな距離、まさか!)、香港の豪華ホテルのフロントにびしょぬれで立ち寄る。「いつもの部屋を」と言うボンドに、フロントは困惑顔。そりゃ汚いロビンソン・クルーソーみたいな男を見れば誰だか分るまい。そこに充分知り合いのホテルマンが愛想良く声を掛け、いつもの「スイートルーム」を手配する。ジェームズ・ボンドは香港のこのホテルでもお得意さんなのだ。食事や洋服の仕立て屋の手配を頼み、広く立派なスイートに入ったボンドは、綺麗になる。髪を短く整え髭も剃って、久しぶりのワイシャツ姿に戻った。

【 007/ダイ・アナザー・デイ 第08段落 】  ピアース・ブロスナンは007シリーズ第 17 作の『 007/ゴールデンアイ (1995) GOLDENEYE 』からジェームズ・ボンド役をしており、『 007/トゥモロー・ネバー・ダイ (1997) TOMORROW NEVER DIES 』
007/ワールド・イズ・ノット・イナフ (1999) THE WORLD IS NOT ENOUGH 』と続き、この作品で四本目だ。ハンサムでスマートな役柄が多いが
マーズ・アタック! (1996) MARS ATTACKS! 』のようにオバカ映画にも涼しい顔をして演じているのが可笑しい。近年では
ダイヤモンド・イン・パラダイス (2004) AFTER THE SUNSET 』も主演。女優だった奥さんとは十年以上前に死別しており、今は49歳だが、もう孫がいるそうで…。でも役の上でも実物も端正な顔立ちだからモテるのは確からしい。(原作のイアン・フレミング Ian Fleming については
オースティン・パワーズ (1997) AUSTIN POWERS: INTERNATIONAL MAN OF MYSTERY 』に書いていますのでそちらをお読み下さい。)

【 007/ダイ・アナザー・デイ 第09段落 】  部屋に来たマッサージ嬢が刺客だったり、部屋に悪者が隠れていたりするのは例の通り。そんなこと容易く見抜いてしまってポーカーフェイス。さっきのホテルマン(実は諜報員なのだろう)がキューバのハバナ行きの飛行機のチケットとパスポートを用意してボンドに渡す。

【 007/ダイ・アナザー・デイ 第10段落 】  ハバナに着いた。スペイン語のおしゃべりが行き交い、太陽は明るく、ラテン系の雰囲気で如何にもキューバ。でも撮影はスペインの大西洋に面する町だそうだ。ボンドはここでは南国風にカラフルなアロハシャツ風の出で立ちだ。ロス・ソルダス島に友人がいるという鳥類学者に扮して彼はこの町で様子をうかがう。鳥を観測するようにして双眼鏡をキョロキョロ。レンズに写ったのは、海から上がってくるビキニの美女。何というプロポーション!ジンクス(ハル・ベリー)という、ラテン系に見えるショートヘアの美人。後で分るがNSAという組織のエージェントで、ボンドの味方。今回の007のボンドガールだ。早速二人はベッドを共にする。

【 007/ダイ・アナザー・デイ 第11段落 】  ここの町のすぐ沖合いに見える小島、ロス・オルガノス島に鳥類学者の観光客のようにして船で渡る。島の病院の中にいる男が鍵なようだ。ジンクスはここの医師に面会して情報を集めている。どうやら、この病院ではDNA操作をして人体改造をしているようで、ジンクスはお色気で相手を油断させ、アッという間に射殺。一方、ボンドは病院内に侵入して男を探す。と、その時、韓国人のツァオ("北"と"南"を隔てる橋の上でボンドと入れ替わりに北朝鮮に戻ったあの男)が撃ちまくりながら脱出するのに遭遇する。このツァオは、あの時と変わってスキンヘッド、瞳はブルー、顔には例のポツポツがあるからツァオだとわかる。上半身裸でそういう目と頭のツァオが逃げる動作は強烈に異様。ボンドの追撃をかわしてツァオはヘリコプターで脱出してしまった。女性ジンクスもツァオを捕まえられなかったので、見事な背面ジャンプで島から逃げる。

【 007/ダイ・アナザー・デイ 第12段落 】  次はロンドン。ボンドの属する英国情報局に舞い戻り、ダイヤモンドの行方について話している。キューバでツァオを追ったときに掴み取ったツァオの弾丸の形のペンダントの中に、ダイヤが二、三粒入っていたのだ。それを透視すると、Gを二つ向かい合わせたマークがある。これはアイスランドのグスタフ・グレイヴズ(トビー・スティーヴンズ)というダイヤモンド王のイニシャルで、彼のダイヤのマークだとダミアン・ファルコ(マイケル・マドセン)やマニーペニー嬢(サマンサ・ボンド)が教える。情報局の女性ボスM(ジュディ・デンチ)も険しい顔つきでボンドに指示を与える。上司M役のジュディ・デンチは
真夏の夜の夢 (1999) WILLIAM SHAKESPEARE'S A MIDSUMMER NIGHT'S DREAM
眺めのいい部屋 (1986) A ROOM WITH A VIEW
恋におちたシェイクスピア (1998) SHAKESPEARE IN LOVE
007/ワールド・イズ・ノット・イナフ (1999) THE WORLD IS NOT ENOUGH
ショコラ (2000) CHOCOLAT
アイリス (2001) IRIS
007/ダイ・アナザー・デイ (2002) DIE ANOTHER DAY
ホーム・オン・ザ・レンジ/にぎやか農場を救え! (2004) HOME ON THE RANGE
ラヴェンダーの咲く庭で (2004) LADIES IN LAVENDER
リディック (2004) THE CHRONICLES OF RIDDICK 』等に出演のベテラン女優さん。

【 007/ダイ・アナザー・デイ 第13段落 】  丁度その頃、ロンドンのバッキンガム宮殿の近くにユニオン・ジャックの柄のパラシュート(その必要性は全然ないと思うのだが…)で降りてきた男がいる。この男がダイヤモンド王のグスタフ・グレイヴズだ。グスタフ役のトビー・スティーヴンズは
スペース カウボーイ (2000) SPACE COWBOYS
抱擁 (2002) POSSESSION 』等に出演しており、繊細な優男(やさおとこ)。グスタフは秘書?の美しい女性ミランダ・フロスト(ロザムンド・パイク)と共に、訪れてきたボンドと会う。このロザムンド・パイクも今回の映画のボンドガールの一人だろう。この女優はカトリーヌ・ドヌーヴ(最近では
ダンサー・イン・ザ・ダーク (2000) DANCER IN THE DARK
リトル・トム (2001) LE PETIT POUCET (原題) / TOM THUMB (英題)
雲 息子への手紙 (2001) NUAGES: LETTRES A MON FILS (仏題) / CLOUDS: LETTERS TO MY SON (英題)
8人の女たち (2002) 8 FEMMES (原題) / 8 WOMEN (英題)
永遠の語らい (2003) A TALKING PICTURE 』等で未だに麗しい)と輪郭や顔立ちが似ている古典的な美人だ。ボンドとグスタフはフェンシングで戦い、お互いに強敵であることを知る。

【 007/ダイ・アナザー・デイ 第14段落 】  これからアイスランドに向かうというわけで、例によって007用の秘密兵器の発明および調達係のQ(ジョン・クリーズ)が最新兵器をボンドに与える。変わった色々な小物は007独特の趣向で大変面白いものだ。武器の宝庫で、中でも、腕時計の文字盤を回すと、絶対割れないような強固なガラスでも瞬時に割ってしまうのは、どこかで役立ちそう。それに、ジェームズ・ボンド用の車は、007のどの映画でも莫大なお金をかけて最新の装置をつけている。今回の武器の目玉は、透明になる車だ。アイスランドに向かう前、ボンドとミランダは結ばれる。ミランダは、気をつけてね、とけなげに言うのだ。

【 007/ダイ・アナザー・デイ 第15段落 】  アイスランドは北大西洋のほぼ真ん中、英国の北西に位置し、ヨーロッパでは英国の次に大きな島にあたる。空気は、地熱を利用する暖房システムのために全く汚染されていないそうで、空も澄み切って真っ青。壮大な氷河、間欠泉、白夜、オーロラ、温泉が有名だ。アイスランドは訳せば「氷の地」ではあるが、何も、国全体が氷に閉ざされていると勘違いしないようにしよう。首都レイキャヴィークは生活水準が高く、治安も他の欧米諸国と比較にならないほどよく、街並みの美しい都会であるのだから。

【 007/ダイ・アナザー・デイ 第16段落 】  さて、これは映画であるから、アイスランドの氷の地を強調した撮影になっている。一面の真っ白な氷原に、太陽と真っ青な空がよく映える。グスタフは、ここに氷のパレスを造っており、それが彼の本拠地だ。ロンドンから到着したグスタフは、ツァオと会い、抱き合って再会を喜ぶ。ツァオとは、あのスキンヘッドで青い瞳の韓国人男性だ。この二人って、いつ接点があったかな?グスタフは、ダイヤとは夢を実現するものだと語る。そして、アタッシュケースよりも大きく、楕円形のヘンなものを大事そうに持っている。何だろう?

【 007/ダイ・アナザー・デイ 第17段落 】  ボンドはQに用意してもらった透明になる車でこの氷のパレスに近づく。そして忍び込み、内偵する。しかし、その頃、やはり来ていたジンクス(キューバで知り合った女性エージェント)は捕まり、閉じ込められてしまった。それを知ったボンドは厚い氷を腕時計のレーザー光線で丸く割って、厳寒の水中に潜って救いに行く。ウー、寒い!でも、黒潮とともに世界最大の暖流であるメキシコ湾流のお陰で、北極に近い高緯度なのに案外寒くはないそうだか…。こうしてボンドの我が身を惜しまぬ尽力にジンクスは喜び、自分はNSAのエージェントだと身分を明かす。

【 007/ダイ・アナザー・デイ 第18段落 】  それにしても、なぜツァオがここにいるのか?二人はこのグスタフの氷のパレス内を逃げるのに、館内で遭遇して殺した敵の手首を切り落として(残酷!)その手の指紋をドアを開くIDに使う。そしてグスタフに会って、ボンドはこう言う。「 So you live to die another day. (で、お前は生きて別の日に死ぬ。/お前は別の日に死ぬために生きている。)」この台詞に映画のタイトル『ダイ・アナザー・デイ』が入っていて、題の由来が解って嬉しかった。ボンドはグスタフを脅して、冒頭の北朝鮮での密告の裏切りは一体誰だったのか突き詰めて訊く。すると、裏切り者は、あろうことか、グスタフの側近の美女ミランダだった。

【 007/ダイ・アナザー・デイ 第19段落 】  しかし、ボンドは銃で殺されそうになって危機一髪、Qからもらった腕時計の秘密装置で床の分厚い氷を砕いて階下に逃れる。そして付近に用意しておいた小型機で逃げる。ここから凄い迫力の氷上のチェイス。氷だから滑って非常にスリリングな展開だ。まさにアクション映画。このアイスランドのシーンのロケは本当にアイスランドで行なったそうだ。氷が相手では撮影は相当、手こずっただろう。氷上をスリップやスピンしながら追われるボンドの小型機は、氷の絶壁の淵に追い込まれてしまった。ここでは、非常に現実離れしているが絶壁の淵に機を引っ掛ける。そしてその部分の氷を崩されると、パラシュートを使って、北極に近い海を何とサーフィンして逃走するのだ。

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◆ここからは、結末まで書いていますので、ストーリー全体が分ります。御注意下さい。
 ATTN: This review reveals the movie content. Please don't say that I didn't say !


【 007/ダイ・アナザー・デイ 第20段落 】  後半はチェイスやアクションが物凄い。流石、超一流スパイ映画。今度はスノーモービルだ。氷原をブワーンブワーンとジャンプしながら疾走していく。あっ、この辺りで、グスタフが韓国語をしゃべった。この人、西洋人だったけど…?スノーモービルが駄目になると、次はボンドはまた透明の車をリモコンで呼び寄せ、乗り込む。透明車に入ると、乗っている人間も見えないのだ。しかし、ツァオが赤外線?でその透明車を見つけ、ジャガーでボンドの車を追うカーチェイスとなる。機関銃が装備されているジャガーも凄いけれど、タイヤから鋭い鉤が出るボンドの最新透明車ももっと凄い。

【 007/ダイ・アナザー・デイ 第21段落 】  ボンドらがカーチェイスをしている間に氷原から飛行機で飛び立ったグスタフは、大事そうに持っていた楕円形の物の正体を明かす。大空から眼下の氷原にその装置のレーザー光線を当てて、氷をどんどん溶かしているのだ。アイスランドの大自然の誇る氷の山々は溶けて崩れ落ち、グスタフの本拠地の氷のパレスにもレーザー光線を当てて溶かしている。中にはまた閉じ込められているジンクスがいて、氷の部屋が溶けて水で浸かってしまう。溺れるジンクス。ボンドはツァオとのカーチェイスに勝ち、この時点でツァオはやっつけた。そして車ごと突っ込んでいってジンクスを救う。全身が水中に沈んでしまっていたジンクスは意識がないので、近くにあった温泉に跳び込んでジンクスの体を温めてやる。すると彼女は息を吹き返した。

【 007/ダイ・アナザー・デイ 第22段落 】  舞台は変わって韓国。北朝鮮のピョンヤンの空軍基地に行く必要があるが、米国のエージェントは、"北"へ行ってはならないという大統領からの直接のお達しが来て行かれないと言う。そこで英国情報局のボンドとジンクスの出番となる。では、どうやって"北"へ入るか?これがまた凄い。飛行機の後部から、二人は"人間飛行機"として降下するのだ。そして暫くしてからパラシュート。こうやってグスタフのいる北朝鮮に入った。するとグスタフと部下達を乗せた飛行機が離陸寸前である。ボンドとジンクスは機を追って走り、荷物室に潜り込む。すると外車が積んである。外車は誰の趣味だったか?ダムに落ちて死んだムーン大佐が外車好きだったが…。

【 007/ダイ・アナザー・デイ 第23段落 】  機内では、ムーン将軍に「父上、お久しぶりです」とグスタフが挨拶している。エッ?北朝鮮人のムーン将軍の息子が西洋人のグスタフ?観客も父親ムーン将軍も当惑するが、グスタフは父に習った言葉を暗誦して、息子であることを証明した。生きていたのかと喜ぶと共に、驚きの父親。息子のムーン大佐は、あの時死なずに、キューバでDNA手術を受けて、別人の顔に作り直させたのだ。ツァオはムーン大佐の片腕であるから、恐らく一緒に施術して、DNAの交換か何かで瞳が青になっていたのだろう。

【 007/ダイ・アナザー・デイ 第24段落 】  ここで息子は父親に、自分の野望を披露する。あのレーザー光線を地上に集中して当てて、地雷をどんどん爆破させる。南朝鮮つまり韓国の軍事基地も爆撃する。米軍基地も攻撃する。日本も恐れおののくだろうし、西洋諸国は恐怖で震えるだろうと、得意げだ。この殺人光線は只の細い線ではなく、大量の規模のものだ。飛行機から見下ろす眼下の惨状に、父ムーン将軍は、危険すぎるからやめるように諭す。すると、息子は父親を殺してしまった。その上、将軍の勲章を父の軍服からちぎり取る。

【 007/ダイ・アナザー・デイ 第25段落 】  このムーン大佐(顔はグスタフ)の過激な行動を知ったボンドは、銃を撃って機に穴を開ける。アッという間に大佐の部下達は機外に吸い取られて飛んでいった。それに飛行機は操縦不能に陥り、急降下。ボンドとムーン大佐は吹き飛ばされないようにしがみ付きながらも戦っている。一方、ミランダはジンクスを襲い、格闘。機は落ちそう。大変だ〜!そうしている間、大量のレーザーは地上の米軍基地を攻撃し続けている。

【 007/ダイ・アナザー・デイ 第26段落 】  ラスト。ボンドは格闘していたムーン大佐を遂に機外に放り出し、エンジンに吸い込ませてしまった。ムーン大佐の服にスイッチのボタンがあったので、スイッチは破壊され、やっと大量のレーザー照射は終わった。そしてボンドとジンクスは分解寸前の飛行機からヘリコプターに乗って脱出。同時に飛行機は木っ端微塵となる。こうして007ジェームズ・ボンドは永遠の不死身の諜報活動をし続けていくのだ。

【 007/ダイ・アナザー・デイ 第27段落 】  フィルム編集のアンドリュー・マックリッチーは
エリザベス (1998) ELIZABETH 』編集にも携わっている。同じくクリスチャン・ワグナーは
交渉人 (1998) THE NEGOTIATOR
M:I−2 (2000) MISSION: IMPOSSIBLE 2 』でもフィルム編集。衣装のリンディ・ヘミングは
リトル・ヴォイス (1998) LITTLE VOICE 』でも衣装のデザイン担当。なお、最後になるが、監督のリー・タマホリは父親はマオリ族、母親は英国人。苗字からすると日本人の血も流れているのかもしれない。この監督の言ったことが心にズシリと来る。「セックスは映画にあるべきではなく、家庭にあるべきものだ。そして暴力は映画にあるべきであって、家庭にあるべきものではない。」 だからこの映画はアクションが豊富なのかと、タマホリ監督のこの言葉を知ったら深く感じ入りマシタ!

以上。
<もっと詳しく>からスペースを含まず9021文字/文責:幸田幸

参考資料:「映画の森てんこ森」映画タイトル集
       http://www.coda21.net/eiga_titles/index.htm
      IMDb
      allcinema ONLINE
      Nostalgia.com
      CinemaClock.com
      公式サイト(英語版)
      http://www.jamesbond.com/bond20/index.html
      Welcome to Iceland
      http://www.iceland.org/jp/
      http://iceland.jp/home1/iceland-information.htm

いつも参考にしておりますallcinema ONLINE さんには、2003年1月17日の時点で[ 解説 ]は出ていませんので、これをアップしました。Thanks to allcinema ONLINE.
■映画『 007/ダイ・アナザー・デイ 』の更新記録
2003/01/17新規: ファイル作成
2004/07/04更新: ◆テキスト内容一部とファイル書式
2004/12/28更新: ◆一部テキスト追記と書式変更
2005/10/06更新: ◆追記
2006/01/14更新: ◆データ追加
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幸田 幸
coda_sati@hotmail.com
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