ブラス!
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ブラス! (1996)
BRASSED OFF
 映画『 ブラス! (1996) BRASSED OFF 』をレヴュー紹介します。

 映画『 ブラス! (1996) BRASSED OFF 』を以下に目次別に紹介する。
■映画『 ブラス! (1996) BRASSED OFF 』の解説及びポスター、予告編
 ネタばれをお好みでない方はこの解説をご覧下さい。
■映画『 ブラス! (1996) BRASSED OFF 』の映画データ
■映画『 ブラス! (1996) BRASSED OFF 』のトリビア
■映画『 ブラス! (1996) BRASSED OFF 』のスタッフとキャスト
■映画『 ブラス! (1996) BRASSED OFF 』の<もっと詳しく>
 <もっと詳しく>は映画『 ブラス! 』の「テキストによる映画の再現」レヴュー(あらすじとネタばれ)です。※ご注意:映画『 ブラス! (1996) BRASSED OFF 』の内容やネタばれがお好みでない方は読まないで下さい。
■映画『 ブラス! (1996) BRASSED OFF 』の結末
■映画『 ブラス! 』の感想(ネタばれご注意)
■映画『 ブラス! (1996) BRASSED OFF 』の更新記録

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幸の鑑賞評価: 8つ星 
■映画『 ブラス! (1996) BRASSED OFF 』の解説及びポスター、予告編
ブラス!
 ブラス!

■映画『 ブラス! (1996) BRASSED OFF 』の解説

 映画『 ブラス! (1996) BRASSED OFF 』は、『 リトル・ヴォイス (1998) LITTLE VOICE 』『シーズン・チケット ( 2000) 』等のイギリス人監督マーク・ハーマンの 1996 年作品。『 ブラス! 』は、第 23 回セザール賞外国映画賞を受賞した。コミカルだけど感動的という世界を作り上げるハーマン監督の映画は、大好き!
 映画『 ブラス! 』の舞台は、炭坑閉鎖の危機に揺れる町、ヨークシャーはグリムリー。炭坑のブラスバンドである<グリムリー・コリアリー・バンド>も、団員達の生活が窮乏していくため、解散の危機にある。音楽を心の支えとするバンドリーダーのダニー(ピート・ポスルスウェイト:『 ユージュアル・サスペクツ (1995) THE USUAL SUSPECTS 』等)は、コンクールの決勝まで勝ち抜き、ロイヤル・アルバート・ホールでの演奏を目指すとしているが…。
 この映画『 ブラス! 』でのピート・ポスルスウェイト、ユアン・マクレガー(『 ビッグ・フィッシュ (2003) BIG FISH 』『 スター・ウォーズ エピソード3/シスの復讐 (2005) STAR WARS: EPISODE III - REVENGE OF THE SITH 』等)、ジム・カーター、フィリップ・ジャクソン等のイギリス人俳優が光っている。映画『 ブラス! 』は必見の音楽ヒューマン・ドラマだ。
●スチルはnostalgia.com、予告編はcinemaclock.comより許諾をえて使用しています。
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■映画『 ブラス! (1996) BRASSED OFF 』の映画データ
 上映時間 107分
 製作国 イギリス
 公開情報 シネカノン
 初公開年月 1997/12
 ジャンル 青春/音楽
 《米国コピーTagline》Fed up with the system. Ticked off at the establishment. And mad about... each other.
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■映画『 ブラス! (1996) BRASSED OFF 』のトリビア
 「映画の森てんこ森」にある『 ブラス! 』のようなイギリスが舞台の映画レヴュー:
炎のランナー (1981) CHARIOTS OF FIRE
眺めのいい部屋 (1986) A ROOM WITH A VIEW
ドラキュラ (1992) BRAM STOKER'S DRACULA
いつか晴れた日に (1995) SENSE AND SENSIBILITY
トレインスポッティング (1996) TRAINSPOTTING
フル・モンティ (1997) THE FULL MONTY
リトル・ヴォイス (1998) LITTLE VOICE
エリザベス (1998) ELIZABETH 』
理想の結婚 (1999) AN IDEAL HUSBAND
リトル・ストライカー (2000) THERE'S ONLY ONE JIMMY GRIMBLE
リトル・ダンサー (2000) BILLY ELLIOT
ゴスフォード・パーク (2001) GOSFORD PARK
ブリジット・ジョーンズの日記 (2001) BRIDGET JONES'S DIARY
ハリー・ポッターと賢者の石 (2001) HARRY POTTER AND THE SORCERER'S STONE / HARRY POTTER AND THE PHILOSOPHER'S STONE
ベッカムに恋して (2002) BEND IT LIKE BECKHAM
28日後... (2002) 28 DAYS LATER
エニグマ (2002) ENIGMA
ハリー・ポッターと秘密の部屋 (2002) HARRY POTTER AND THE CHAMBER OF SECRETS
ラブ・アクチュアリー (2003) LOVE ACTUALLY
ジョニー・イングリッシュ (2003) JOHNNY ENGLISH
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【『 ブラス! 』のスタッフとキャスト】
監督: マーク・ハーマン Mark Herman
製作: スティーヴ・アボット Steve Abbott
脚本: マーク・ハーマン Mark Herman
撮影: アンディ・コリンズ Andy Collins
美術: ドン・テイラー[美術] Don Taylor
衣裳: エイミー・ロバーツ Amy Roberts
編集: マイケル・エリス・エース Michael Ellis
音楽: トレヴァー・ジョーンズ Trevor Jones 
演奏: グライムソープ・コリアリー・バンド Grimley Colliery Band

出演: ピート・ポスルスウェイト Pete Postlethwaite ダニー
    ユアン・マクレガー Ewan McGregor アンディ
    タラ・フィッツジェラルド Tara Fitzgerald グロリア
    スティーヴン・トンプキンソン Stephen Tompkinson フィル
    ジム・カーター Jim Carter ハリー
    メラニー・ヒル Melanie Hill サンドラ
    スー・ジョンストン Sue Johnston ベラ
    フィリップ・ジャクソン Philip Jackson ジム
    メアリー・ヒーリー Mary Healey アイダ
    ピーター・マーティン Peter Martin アーニー

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ストーリー展開の前知識やネタばれがお好みでない方は、読まないで下さい。
■映画『 ブラス! (1996) BRASSED OFF 』の「テキストによる映画の再現」レヴュー

【ブラス! 第01段落】  イギリス、ヨークシャー州。グリムリー炭坑は閉鎖の危機にあり、そこのブラスバンド<グリムリー・コリアリー・バンド>のメンバーで、チューバを演奏するジム(フィリップ・ジャクソン:『 リトル・ヴォイス (1998) LITTLE VOICE 』等)とアーニー(ピーター・マーティン)は、生活の窮乏のため、バンドを辞めることを話し合っている。しかし、心底バンドを愛しているバンドリーダーで指揮者のダニー(ピート・ポスルスウェイト:
ユージュアル・サスペクツ (1995) THE USUAL SUSPECTS
ロミオ&ジュリエット (1996) WILLIAM SHAKESPEAR'S ROMEO & JULIET / ROMEO + JULIET
ロスト・ワールド/ジュラシック・パーク (1997) THE LOST WORLD: JURASSIC PARK
アリス・イン・ワンダーランド/不思議の国のアリス (1999) ALICE IN WONDERLAND
シッピング・ニュース (2001) THE SHIPPING NEWS 』等)に言い出すのを、死ぬほどビビっている。

【ブラス! 第02段落】  ダニーの息子のフィル(スティーヴン・トンプキンソン)もブラスバンドでトロンボーンを演奏している。 10 年前の 1984 年、同じようにグリムリー炭坑に閉鎖の危機が襲っていた時、フィルは激しく経営側に抵抗しすぎたため、停職処分を受け、スト手当てだけで妻サンドラ(メラニー・ヒル)と4人の子供と暮らしてきた。そのときの借金で今も生活は苦しく、サンドラは疲れ果てて怒ってばかり。テナーホルンを演奏しているアンディ(ユアン・マクレガー:
トレインスポッティング (1996) TRAINSPOTTING
Emma エマ (1996) EMMA
ブラス! (1996) BRASSED OFF
普通じゃない (1997) A LIFE LESS ORDINARY
ベルベット・ゴールドマイン (1998) VELVET GOLDMINE
リトル・ヴォイス (1998) LITTLE VOICE
『 スター・ウォーズ エピソード1/ファントム・メナス (1999) STAR WARS: EPISODE I - THE PHANTOM MENACE 』
ムーラン・ルージュ (2001) MOULIN ROUGE!
スター・ウォーズ エピソード2/クローンの攻撃 (2002) STAR WARS: EPISODE II - ATTACK OF THE CLONES
恋は邪魔者 (2003) DOWN WITH LOVE
ビッグ・フィッシュ (2003) BIG FISH
猟人日記 (2003) YOUNG ADAM
ロボッツ (2005) ROBOTS
スター・ウォーズ エピソード3/シスの復讐 (2005) STAR WARS: EPISODE III - REVENGE OF THE SITH 』等)は、どうしようもない現実からの逃避か、今日も酒場のビリヤードで賭けをしている。ユーフォニウム担当のハリー(ジム・カーター:『 恋におちたシェイクスピア (1998) SHAKESPEARE IN LOVE 』等)が家に戻ると、妻は炭坑閉鎖反対運動のために出かけていく。戦う意欲を失った夫と、まだ希望を捨てきれない妻の間には溝がある。

【ブラス! 第03段落】  ダニーの指揮で、演奏練習をする団員達だが、皆炭坑の危機が気がかりで、演奏に身が入らない。そんな団員達に活を入れるため、コンクールの決勝まで勝ち抜いて、ロンドンのロイヤル・アルバート・ホールで演奏しようと燃えるダニーだが、ジムとアーニーが例の話を切り出そうとする。そこへ美しい女性グロリア・モリンズ(タラ・フィッツジェラルド)が現れる。仕事でこの町に滞在しにきた彼女は、宿屋の女将にラッパを演奏したいなら、ここへ行くように教えられやって来たのだ。団員になるにはこの町の者でないと、とダニーは難色を示す。しかし、グロリアはここの出身で、また亡くなった彼女の祖父はダニーの友人だということがわかると、ダニーは歓迎。彼女の演奏を聞くことにする。美しいグロリアが入団するとなって、ジムとアーニーはもちろん前言を撤回する。アンディは、彼女を見てハッとする。なぜならグロリアはアンディの思い出の人だからだ。 14 歳の頃、当時はポッチャリしていたグロリアとデートし、古いバス停での淡い未完結の経験があったのだ。しかし、グロリアはアンディを覚えていないようだ。名前を間違えられた。

【ブラス! 第04段落】  グロリアが演奏を提案した曲はロドリーゴ( 20 世紀スペインを代表する盲目の作曲家)の「アランフェス協奏曲」。グロリアと共に演奏する団員達は、彼女の情熱的で美しいフリューゲルの音に魅せられる。演奏後、ダニーは明日行われるサドルアース(という言葉だったと思うんだけど…?)にグロリアを誘う。そのサドルアースとは 14 の村のバンドがそれぞれの村を演奏して廻るもので、賞金も出る。もちろんグロリアはOKだ。

【ブラス! 第05段落】  その晩、ダニーは家でヘンな咳をした後、血を吐く。

【ブラス! 第06段落】  サドルアースの日、我慢の限界がきたサンドラは、4人の子供を置いて遊びに出かけてしまう。借金取りも現れ、フィルは散々だ。子供たちを連れてサドルアースに参加する羽目に。ジムとアーニーの妻達は、グロリアに道を尋ねられる。グロリアを見て、夫達がバンドを辞めてこなかった理由がピンときた彼女達は、バンドのバスに乗ってついて行くことに。

【ブラス! 第07段落】  全員集まって、さぁ出発!しかし、ビールを飲み、浮かれ気分の団員達。結果は最悪だった。戻ってきた後、練習場でダニーは怒るが、最後くらいパッとやりたかったというのが団員達の気持ちだ。そして炭坑があるうちはバンドをやるが閉鎖になり次第やめると、皆を代表してハリーがダニーに言う。

【ブラス! 第08段落】  父親のショックを心配してか、フィルがダニーの所へやって来る。フィルにつぶれたトロンボーンを新しいのに買い換えるように言うダニーに、フィルはバンドよりも大切なものがあると言う。そのとき、フィルはダニーの手にある血のついたハンカチに気付き、長年炭坑で働いてきたために父が肺をやられてしまったことを知る。帰宅途中、死が近い父のために良い演奏をと思ったフィルは、楽器店に飾られているトロンボーンを見つめ、思わず魔がさしそうになるが、「また、刑務所に戻りたいのか。」とジムとアーニーに止められる。

【ブラス! 第09段落】  先のミーティングの時、自信ありげに炭坑閉鎖の見直しがあるかもしれないと言ったグロリアに対し、疑念を持ったアンディは、彼女を食事に誘う。レストランで単刀直入に「経営側の人間か?」と尋ねるアンディに、グロリアは「炭坑存続の可能性を調査する仕事」だと認める。アンディはグロリアの報告書はゴミ箱行きだと、経営側の人間に対しての不信感を露わにする。自分の仕事を信じ、炭坑夫達を救えると信じるグロリアは、「私の仕事が無意味なら、どうして私を嫌うの?」とアンディに言い返す。「嫌いじゃない。」アンディは答える。

【ブラス! 第10段落】  食事をした帰り、グロリアは自分の赴任場所としてグリムリーを選んだ理由をアンディに教える。一つは、どうせなら自分の故郷であるグリムリーを救いたかったということ。そしてもう一つは、アンディとのバス停でのぎこちない出来事だ。彼女にとってもアンディは忘れられない人だったのだ。本当はアンディの名前を覚えていた。グロリアの部屋に行くアンディ。

【ブラス! 第11段落】  炭坑存続に向けての見直し要求か、手当て付き解雇かを決める無記名投票が行われる日、グロリアは上司に自分の仕事が無駄ではないことを確かめるが、甘い言葉で上司に言いくるめられる。海千山千の経営者側にすれば、グロリアはほんの小娘。自分の仕事が会社側の格好付けだということに気が付かない。

【ブラス! 第12段落】  会社の駐車場で、投票(仕事?)帰りのアンディ達と偶然出会ってしまったグロリア。二人の関係を知っている仲間達は冷やかすが、ジムがグロリアの持つキーホルダーが会社のものであると気付く。酒場で飲みながら経営側の人間であるグロリアへの不信を語る仲間たちに、アンディは反論できない。本当は皆グロリアが悪い娘ではないことを知っている。しかし、今の状況ではそのことが認められないことが分かっているからだ。

【ブラス! 第13段落】  新しいトロンボーンを買うために、ピエロの仕事をしているフィルが家に戻ると、借金取りが来ていた。子供に手を出したら承知しないと食って掛かったフィルだったが、殴られ、せっかく買った未払いの残っているトロンボーンにキズがついてしまう。新しいトロンボーンを見てキレそうになるサンドラの手前、アンディが貸してくれたのにと言うフィル。

【ブラス! 第14段落】  ハリファックスでの準決勝の日、家を出るハリーと反対に、炭坑閉鎖反対運動から戻ってきた妻は、「 10 年前は何もかも捨てて戦ったのに、今はラッパを吹くだけ。」と久しぶりにハリーに声をかける。「でも少なくとも人が耳を傾けてくれる。」と返事をするハリー。そして「ラッパじゃない、ユーフォニウムだ。」と付け加える。

【ブラス! 第15段落】  準決勝での演奏は完璧。応援のために美容院で髪をグリムリー・コリアリー・バンド色の紫色に染めた、ジムとアーニーの妻達もノリノリだ。決勝進出が決定する。

【ブラス! 第16段落】  しかし、喜びも束の間、グリムリーに戻ったバンドを迎えたのは、「我々は戦い、そして敗れた」とスプレーで看板に書かれた文字。投票で4対1となり、閉鎖が決まったことをハリーの妻が告げに来る。「これからは一緒にいられるわ。」と言う彼女とハリーは抱き合い、悲しみに耐える。そして不幸が不幸を呼ぶ。ダニーが倒れる。フィルはすぐに父に駆け寄り、「救急車を呼んでくれ!」と叫ぶ。

【ブラス! 第17段落】  ダニーの容態を心配して、まだ家に帰らないでいる団員達。ジムがダニーのお見舞いのためのカンパ集めをし始めるが、グロリアには「まだいたのか、そろそろ帰ったほうがいいじゃないか。」と声をかける。周りの冷たい視線を感じたグロリアは、ダニーへの見舞金を渡して去る。去り際にアンディに声をかけるが、アンディは応えない。まだ意識は戻らないと父の容態を伝えにフィルがやって来た。炭坑の閉鎖が決定し、これまでバンドを繋ぎ止めていたダニーも意識不明の状態だ。決勝なんて、行けっこない…。

【ブラス! 第18段落】  その日アンディは自分のテナーホルンを賭け、ビリヤードをする。

【ブラス! 第19段落】  フィルが準決勝で演奏している間に、サンドラは洗濯物から新しいトロンボーンを買ったレシートを見つけ、その上、借金取りがやって来て家財道具をみんな持っていってしまう。フィルが家に戻ると、サンドラは子供達と一緒に家を出て行こうとしていた。フィルはダニーが倒れたことを伝えるが、サンドラは車に乗り、行ってしまう。

【ブラス! 第20段落】  ダニーの意識が回復した。見舞いは父の好きなものにしてくれというフィル。夜、病室で眠るダニーの耳に、外からブラスバンドの「ダニー・ボーイ」の演奏が聞えてくる。病院の庭の中、ハリーの指揮でダニーのために演奏する団員達。賭けでテナーホルンを失ったアンディは口笛だ。演奏をやめさせるという看護婦に、ダニーは「やめさせると、ただではおかない。」と一言。演奏終了後、病院内から現れた看護婦が」「テナーホルンが弱すぎるそうです。」とダニーからの伝言を。面会時間はとっくに過ぎているが、ダニーの病室に行く団員達。フィルに決勝には行かないことをダニーに伝えるように言う。団員達からのダニーへのお見舞いの品は<指揮棒>だ。ダニーは「決勝でもアッと言わせよう。」と喜ぶ。しかし、皆は返事をしない。後のことはフィルに任せて帰っていく。しかし、フィルも病床の父に言い出せずに帰るのだった。

【ブラス! 第21段落】  報告書を届けに上司の部屋に入ったグロリアは、開かれてもいない自分の報告書が積まれているのを見る。炭坑の閉鎖は数週間前から決まっていたのに、労働者にいやといえない条件を突きつけて無記名投票を行ったと上司を非難するグロリア。その言葉に対し、上司が閉鎖は二年前から決まっていたと言う。

【ブラス! 第22段落】  会社を自分から辞めたことをアンディに告げにきたグロリア。アンディは、グロリアの仕事は炭坑夫たちにとって悪くないと皆も自分も知っているが、それが正しいと言うことを証明して欲しかったと言う。別れ際、決勝戦ではいいことがあると言うグロリアに、アンディは資金不足でロイヤル・アルバート・ホールには行けないことを教える。

【ブラス! 第23段落】  フィルの精神は追い詰められていた。炭坑の閉鎖の上に、ダニーに決勝に行かないことを告げなければならないプレッシャー、何もない部屋での一人の生活。ピエロの仕事に出かけても、子供たちに当たってしまい、賃金ももらえない。思い余ったフィルは、炭坑現場での首吊り自殺を決行する。しかし、苦しさのあまりもがく彼の声を聞きつけた警官に見つけられ、救急車で運ばれる。病院の廊下を運ばれるピエロを見たダニーは、フィルに何かあったと感じ、彼の許へと行く。病院内のベンチに座りながら、首に痛々しい真っ青なアザができたピエロ姿のフィルは、ダニーに決勝に行かなくなったことを告げる。

【ブラス! 第24段落】  汚い川を見ているフィルに、ジム、アーニー、ハリー、アンディの仲間が声をかける。勿論皆フィルの事件は知っている。「一杯いこう。」と誘う仲間に「裏切りピエロとか?」と言うフィル。彼は皆を裏切って手当て付き解雇に投票していたことにも、心責められていたのだった。 ・・・

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◆ここからは、結末まで書いていますので、ストーリー全体が分ります。御注意下さい。
 ATTN: This review reveals the movie content. Please don't say that I didn't say !


【ブラス! 第25段落】  フィルが酒場で決勝のことをダニーに告げたと話している時、グロリアが現れる。彼女はグリムリー・コリアリー・バンド名義で 3000 ポンド入った銀行通帳を渡す。しかし、相手はヨークシャー男。すんなり受け取ってくれるとは思っていない。グロリアは、これもおせっかいだが、前と違うのは負けが決まっていないことだと皆を鼓舞し、このことは自分のためでなくダニーと皆のためだと熱く語る。グロリアが経営側の人間だと知ってから、一番彼女を毛嫌いしていたジムが「ダニーの望みは優勝だ。そのためには情熱的なフリューゲルがないとな。」と言うのを聞いて、アンディは慌ててテナーホルンを取り返しにビリヤードへ行く。

【ブラス! 第26段落】  フィルはダニーに決勝へ行くことを伝えに行くが、睡眠中のため看護婦に面会を拒否され、伝言を残して行く。

【ブラス! 第27段落】  町の皆に見送られ、バスでロンドンのロイヤル・アルバート・ホールをめざして出発だ。

【ブラス! 第28段落】  グリムリー・コリアリー・バンドの演目は、ハリーの指揮による「ウィリアムテル序曲」。最後の晴れ舞台。自分達のため、ダニーのため、解雇された 1000 人の仲間達のため、力一杯の演奏が繰り広げられる。客席には紫頭のジムとアーニーの妻達、そしてサンドラの姿も。そして病院を抜け出してきたダニーが舞台裏から顔を出す。サンドラとダニーの姿に喜び張り切るフィル。大喝采で演奏は終了。勿論優勝はグリムリー・コリアリー・バンド!

【ブラス! 第29段落】  舞台の上に立ったダニーは、イギリスの国益のために犠牲になる自分達炭坑夫に無関心な世間に対して自分の思いを語る。そして、マスコミの注目を炭坑問題に向けさせるため、受賞拒否の発言をする。

【ブラス! 第30段落】  「バンドの連中は言うでしょう。あのトロフィーが私にとって何より大切なものだと。だが間違いだ。以前は思っていました。音楽は何物にも代え難いと。だがくだらんもんです。人間の価値に比べれば。あのトロフィーをもらっても、ほとんどの人には意味がない。だが、受賞を拒めば、私はそうするつもりだが、ニュースになるでしょう。お分かりですか。独り言じゃない。皆さんに聞いて欲しい。この 10 年間政府は悪どいやり方で我々の石炭産業を計画的に破壊した。彼らが奪ったのは、我々の産業ばかりじゃない。我々の町や家庭や命までが発展という名のもとに犠牲になったのです。たぶん皆さんは御存知ないと思いますが、2週間前にこのバンドの炭坑も閉鎖され、また 1000 人が職を失いました。いやそれだけじゃない。勝利への執念を捨てた者も多い。戦う意志を失った者もいる。しかし、生きる気力まで失ってしまったら悲惨だ。皆さんは、もしアザラシやクジラのためなら憤慨して立ち上がる。だが、そうじゃない。彼らはただの人間だ。ありきたりな、正直な、まともな人間なんです。なのに、人生に希望を持っている奴など一人もいない。たしかに彼らは美しい音を出せる。それが、何になる。じゃあ、こいつらを町に連れて帰ります。ありがとう。」

【ブラス! 第31段落】  拍手の中、舞台を降りるダニー。団員達も後に続くが、ジムは「貰って行くよ。」とトロフィーを持っていく。団員達は「威風堂々」を演奏しながら、トロフィーと一緒に天井のない二階建てバスに乗って、町に帰る。

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【映画『 ブラス! 』の感想】

  1984 年以来、イギリスでは 25 万人の炭坑失業者が出たそうだ。現在のイギリスの好景気を思うと、破壊無くして建設はありえないというところか。その狭間で犠牲となった炭坑夫を、コミカルにまた感動的に描いたこの映画は、本当に秀作だ。ハッピー・エンドのように思えるラストだが、実際の人生ならここで話は終わらない。ロイヤル・アルバート・ホールでの優勝で、生きる希望を見出したかのような彼らだが、この至福の瞬間を過ぎれば、団員達には失業、ダニーには死が待っている。その苦難に耐えられるよう、誇りを持って生きようという意味で「威風堂々」を演奏するのだろうが(実際にイギリス国民の幸せのために犠牲になった誇り高き下層労働者である炭坑夫たちに送るオマージュとも思える)、それが、何になる。と思うこともあれば、やはりどんな時でも希望は大切だとポジティヴに受け止めることもある。観た時の気分によって、捉え方が変わってしまう映画だ。

 人生全てうまくいく的なアメリカ・ハリウッド映画も不条理な世の中においてスカッとして気持ちいいが、人生うまくいかないことを前提に生きる意味を問うヨーロッパ映画も、感動する。映画って、本当にいいものだ。

 この映画『 ブラス! 』は、どの俳優さんもいい味出ていた。特に、ピート・ポスルスウェイトがよかったと思う。ロイヤル・シェイクスピア・カンパニーで活躍していたという経歴を持つ彼は、生粋の舞台人。1988 年から映画に転向してからも、舞台で培われたその存在感は遺憾なく発揮されている。私が見た中では、『 ユージュアル・サスペクツ (1995) THE USUAL SUSPECTS 』のコバヤシ役もよかったし、「アリス・イン・ワンダーランド/不思議の国のアリス」<TV>( 1999 )の大工役もおちゃめでよかった。私にとってあまり感情移入のできない物語である「ロミオ&ジュリエット」( 1996 )の神父役でも若い二人の重鎮としての役割をきちんと果たしていたと思う。

以上。
<もっと詳しく>からスペースを含まず8008文字/文責:幸田幸

参考資料:「映画の森てんこ森」映画タイトル集
       http://www.coda21.net/eiga_titles/index.htm
      IMDb
      allcinema ONLINE
      Nostalgia.com
      CinemaClock.com
■映画『 ブラス! (1996) BRASSED OFF 』の更新記録
2002/08/24新規: ファイル作成
2004/07/09更新: ◆テキストとリンク一部およびファイル書式
2005/03/18更新: ◆一部テキスト追記と書式変更
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幸田 幸
coda_sati@hotmail.com
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