ロミオ&ジュリエット
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ロミオ&ジュリエット (1996)
WILLIAM SHAKESPEAR'S ROMEO & JULIET / ROMEO + JULIET
 映画『 ロミオ&ジュリエット (1996) WILLIAM SHAKESPEAR'S ROMEO & JULIET / ROMEO + JULIET 』をレヴュー紹介します。

 映画『 ロミオ&ジュリエット ROMEO + JULIET 』を以下に目次的に紹介する。
■映画『 ロミオ&ジュリエット ROMEO + JULIET 』のポスター、予告編および映画データ
■映画『 ロミオ&ジュリエット ROMEO + JULIET 』の解説
 ネタばれをお好みでない方はこの解説をご覧下さい。
■映画『 ロミオ&ジュリエット ROMEO + JULIET 』の主なキャスト
■映画『 ロミオ&ジュリエット ROMEO + JULIET 』のあらすじ
■映画『 ロミオ&ジュリエット ROMEO + JULIET 』のスタッフとキャスト
■映画『 ロミオ&ジュリエット ROMEO + JULIET 』の<もっと詳しく>
 <もっと詳しく>は映画『 ロミオ&ジュリエット 』の「テキストによる映画の再現」レヴュー(あらすじとネタばれ)です。※ご注意:映画『 ロミオ&ジュリエット (1996) WILLIAM SHAKESPEAR'S ROMEO & JULIET / ROMEO + JULIET 』の内容やネタばれがお好みでない方は読まないで下さい。ただし、ここでは感想を述べています。
■映画『 ロミオ&ジュリエット ROMEO + JULIET 』の更新記録

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幸の鑑賞評価: 8つ星 
■映画『 ロミオ&ジュリエット (1996) ROMEO + JULIET 』のポスター、予告編および映画データ
ロミオ&ジュリエット
 ロミオ&ジュリエット

Links:  Official Site
Trailers:
上映時間 Runtime: 2:00
製作国 Country: アメリカ USA
製作会社
Production Company:
20th Century Fox [us]
Bazmark Films
全米配給会社 Distributer: 20th Century Fox Film Corporation [us] (USA)
全米初公開 Release Date: 1996/11/01
日本初公開 R. D. in Japan: 1997/04
日本公開情報 : 20世紀フォックス
ジャンル Genre: ドラマ/ロマンス
Action/Drama/Romance
MPAA Rating 指定: Rated PG-13 for scenes of contemporary violence and some sensuality
日本語公式サイト 調査中
●スチルはnostalgia.com、予告編はcinemaclock.comより許諾をえて使用しています。
Filmography links and data courtesy of The Internet Movie Database & Nostalgia.com.
Filmography links and data courtesy of CinemaClock Canada Inc.
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■映画『 ロミオ&ジュリエット (1996) ROMEO + JULIET 』の解説

 映画『 ロミオ&ジュリエット (1996) WILLIAM SHAKESPEAR'S ROMEO & JULIET / ROMEO + JULIET 』は、古典中の古典シェイクスピアの「ロミオとジュリエット」を題材にしている。しかし、映画「ロミオ&ジュリエット」は今まで製作された「ロミオとジュリエット」映画とは時代設定が大きく異なる。現代版「ロミオ&ジュリエット」映画によって、古典「ロミオとジュリエット」は蘇るのだ。

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■映画『 ロミオ&ジュリエット (1996) ROMEO + JULIET 』の主なキャスト

●レオナルド・ディカプリオ as ロミオ
ロミオ&ジュリエット (1996) WILLIAM SHAKESPEAR'S ROMEO & JULIET / ROMEO + JULIET 』<主演男優賞ノミネート>
タイタニック (1997) TITANIC
仮面の男 (1998) THE MAN IN THE IRON MASK
ギャング・オブ・ニューヨーク (2001) GANGS OF NEW YORK
キャッチ・ミー・イフ・ユー・キャン (2002) CATCH ME IF YOU CAN
アビエイター (2004) THE AVIATOR 』等に出演
リチャード・ニクソン暗殺を企てた男 (仮題) (2004) THE ASSASSINATION OF RICHARD NIXON 』製作総指揮

●クレア・デインズ as ジュリエッ
若草物語 (1994) LITTLE WOMEN
ロミオ&ジュリエット (1996) WILLIAM SHAKESPEAR'S ROMEO & JULIET 』<主演女優賞受賞>
めぐりあう時間たち (2002) THE HOURS
ターミネーター3 (2003) TERMINATOR 3: RISE OF THE MACHINES

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■映画『 ロミオ&ジュリエット (1996) ROMEO + JULIET 』のあらすじ

 映画『 ロミオ&ジュリエット (1996) WILLIAM SHAKESPEAR'S ROMEO & JULIET / ROMEO + JULIET 』は、敵対する二つの名門モンタギュー家とキャピュレット家をキャングの抗争として、舞台を現代に設定してアレンジ。レオナルド・ディカプリオとクレア・デインズを配して、バズ・ラーマン監督(『 ムーラン・ルージュ (2001) MOULIN ROUGE! 』等)が今までにない切り口と斬新な映像で名作「ロミオとジュリエット」を魅せる。語り継がれた名作中の名作を新しい息吹で蘇らせるには、これしかないと言わんばかりに、今までの「ロミオとジュリエット」を知る人には、過激ともいえるテンポで迫る。
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【『 ロミオ&ジュリエット 』のスタッフとキャスト】
監督: バズ・ラーマン Baz Luhrmann(Directed by)
製作: ガブリエラ・マルチネリ Gabriella Martinelli(producer)
    バズ・ラーマン Baz Luhrmann(producer)
原作: ウィリアム・シェイクスピア William Shakespeare(play)
脚本: クレイグ・ピアース Craig Pearce(screenplay)
    バズ・ラーマン Baz Luhrmann(screenplay)
撮影: ドナルド・マカルパイン Donald McAlpine(Cinematography by)
音楽: ネリー・フーパー Nellee Hooper(Original Music by)

出演: レオナルド・ディカプリオ Leonardo DiCaprio ロミオ
    クレア・デインズ Claire Danes ジュリエット
    ジョン・レグイザモ John Leguizamo ティボルト
    ポール・ラッド Paul Rudd デイブ・パリス
    ハロルド・ペリノー Harrold Perrineau メルクティオ
    ダイアン・ヴェノーラ Diane Venora ジュリエットの母
    ポール・ソルヴィノ Paul Sorvino ジュリエットの父
    ブライアン・デネヒー Brian Dennehy テッド・モンタギュー
    ピート・ポスルスウェイト Pete Postlethwaite ロレンス神父
    ダッシュ・ミホク Dash Mihok ベンヴォリオ
    クリスティナ・ピックルズ Christina Pickles
    ミリアム・マーゴリーズ Miriam Margolyes

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ストーリー展開の前知識やネタばれがお好みでない方は、読まないで下さい。
■『 ロミオ&ジュリエット WILLIAM SHAKESPEAR'S ROMEO & JULIET / ROMEO + JULIET 』の感想
 
【 ロミオ&ジュリエット 感想 第01段落】  先ずはシェイクスピア文学とその背景からほんの少しアプローチしてみよう。

【 ロミオ&ジュリエット 感想 第02段落】  「憎い敵は、あなたの名前だけ、モンタギューでなくてもあなたはあなた。モンタギューってなに?手でもない足でもない腕でも顔でもない、人の体のどの部分でもない。ああ何か別の名前にして!」(松岡和子訳「ロミオとジュリエット」)

【 ロミオ&ジュリエット 感想 第03段落】  花の都ヴェローナでモンタギュー家とキャピュレット家は何年にも渡って血生臭い争いを繰り返してきた。そしてその争いの巻き添えとなってしまった幼いロミオとジュリエット。たまたま惹かれあった二人が親の不仲という原因であんな悲劇的結末を迎えることとなってしまった。

【 ロミオ&ジュリエット 感想  第04段落】  シェイクスピアが著作に当たって参考にした種本では、ジュリエットの年齢は 16 歳とされていて、物語の期間も九ヶ月とされている。が、シェイクスピアの物語ではジュリエットは 13 歳で、僅か四日間の出来事とされている。このシェイクスピアの「時」の短縮は何を意味するのだろうか? 16 歳と 13 歳の三年間は何を意味するのか?四日というあまりにも短い期間にロミオとジュリエットの恋をこんなにも激しく燃え上がらせたのはなぜだろう?

【 ロミオ&ジュリエット 感想 第05段落】  シェイクスピアの時代は社会史の統計によると、1590 年代は労働力過剰で失業率が高く、かつ実質的な賃金がきわめて低いというよりは悲惨なほどに低い時期であった。1597 年の実質賃金にいたっては、七世紀前から今日までのイングランド史上、最も低い水準にまで落ち込んだ。それでも貧しい階層が1ペニー銀貨(職人の一日あたりの平均的な賃金がおよそ6ペンスであった。この額で生活するのがやっとだったらしい)を握りしめて、決して快適ではないグローブ座へ駆けつけたのだ。1592 〜 1594 年にかけてペストが大流行し、魔術と魔女狩りの嵐がヨーロッパ大半の地域を襲っていた。そんな悲惨な時代だからこそ人々はストレスと欲求不満を発散するために劇場へ足を運んでいたのだろう。

【 ロミオ&ジュリエット 感想 第06段落】  この時代、法律が許す結婚可能な最低年齢は男子で 14 歳、女子で 12 歳だった。貴族の娘は 14 歳から 15 歳で結婚するのが通例だったようである。ジュリエットはもうじき少女から女へと変わる境目を迎える年頃だったのだ。庶民の間では、貧困や魔女狩り、ペストなどで自分の身近な人間や子供が死ぬことは頻繁に起こっていた。だからジュリエット達の「死」に自分の子供を重ね、もう少しで大人になることができたのにという思いで涙する観客は大勢いたのではないかと思う。当時の人々にとってのロミオとジュリエットの死は、自己の体験に照らし合わせることによって、より深い感動となっていたに違いない。

【 ロミオ&ジュリエット 感想 第07段落】  中世後期の解釈に強い影響を与えたヨハン・ホイジンガの言葉に、「極端な対照と厳粛な形式とが日常生活に興奮と情熱を添え、絶望と歓喜、残酷さと慈悲深さと、極端から極端へ走る傾向を生んだ。これが、中世の特色をなしている」とあるように中世社会の人々の日々の苦悩や喜びの程度は現代人の感覚ではちょっと理解し難いと思われるほど激しかった。極端に短い時間の中で極端に燃え上がるロミオとジュリエットの恋は、当時の観客好みだったと言えよう。シェイクスピアは天才的な感覚でこういった時代背景をしっかりと把握し、当時の人々の性質を理解した上で四日という極端に短い期間に設定したのだ。

【 ロミオ&ジュリエット 感想 第08段落】  二人の四日間に何があったのか見てみたいと思う。
 1日目(日曜日):ロミオとジュリエットがキャピュレット家の主催した仮面舞踏会で初めて出会う。
 2日目(月曜日):ロレンス神父のもとで夫婦となる。ジュリエットの従兄ティボルトをロミオが殺してしまう。
 3日目(火曜日):パリスとの結婚話を父キャピュレットから聞かされ、ロレンス神父のもとへ助けを求めに行き毒薬をもらう。
 4日目(水曜日):ロミオとジュリエットの死。

【 ロミオ&ジュリエット 感想 第09段落】  幼さ、若さゆえに、大人のように恋愛にはまりつつも冷静さを失うことなく対応するといったことができず、ただ情熱のままに燃え上がってしまう二人。一歩引いて考えることができれば、別に死ぬことはないと思い、また別の方法で切り抜けることができただろう。現代人の私の感覚からすれば、あまりにも年若い二人のあまりにも早すぎる死は、「ちょっとおかしいんちゃう?」と突っ込みをいれたくなる。しかし、思わず感動して涙してしまうのは、二人の恋が一番美しいときで止まっているからだ。映画化も幾度となくされてきた歴史の中で、クレア・デーンズのジュリエットは本当にかわいかったし、泣いた!そしてディカプリオの髪の毛に水が滴る時ほど「なんてカッコいいんだ!」と思える素敵な瞬間はない。この悲恋が人々に受け入れられているのは、死ぬということで、この美しい二人の恋が物語の中で永遠に生き続けていくからだ。

【 ロミオ&ジュリエット 感想 第10段落】  シェイクスピアの時代から四百年もの月日が経つというのに、物語を読むと共感できる部分も多く、個性豊かな脇役達を見ると自分の身近な人物をあてはめることができる。例えば、幸が気に入っている神父役のピート・ポスルスウェイトは、『 ユージュアル・サスペクツ (1995) THE USUAL SUSPECTS 』『 ブラス! (1996) BRASSED OFF 』『 ロスト・ワールド/ジュラシック・パーク 』『 シッピング・ニュース (2001) THE SHIPPING NEWS 』の脇を固める存在として職人芸を見せる。ティボルト役のジョン・レグイザモは『 ムーラン・ルージュ! (2001) MOULIN ROUGE! 』であのロートレックや『 アイス・エイジ (2002) ICE AGE 』のシド(ナマケモノ)の声の出演など。見たことのあるポール・ラッドは『 サイダーハウス・ルール (1999) THE CIDER HOUSE RULES 』にも出ていた。

【 ロミオ&ジュリエット 感想 第11段落】  こんなに長い月日が過ぎてもなお色褪せることのないシェイクスピア作品は、本来紛れもない愛の名作だ。オリヴィア・ハッセー(Olivia Hussey)のジュリエット とレナード・ホワイティング(Leonard Whiting)のロミオ<『 ロミオとジュリエット (1968) ROMEO E GIULETTA[伊] / ROMEO AND JULIET[米]』>の映像が青春の一ページとして書き込まれている人(今回は一緒にヴィデオを観た幸の父母)にとっては、この映画の評価は異なるのかも知れない。しかし、現代に生きる若者にとっては、文学「 ロミオとジュリエット」には若干辛気臭く感じられるかも知れないが、この現代版「ロミオ&ジュリエット」映画は理解しやすいのではないだろうか。

以上。
<もっと詳しく>からスペースを含まず2932文字/文責:幸田幸

参考資料:「映画の森てんこ森」映画タイトル集
       http://www.coda21.net/eiga_titles/index.htm
      IMDb
      allcinema ONLINE
      Nostalgia.com
      CinemaClock.com
      公式サイト(英語版)
       http://www.romeoandjuliet.com/
■映画『 ロミオ&ジュリエット WILLIAM SHAKESPEAR'S ROMEO & JULIET / ROMEO + JULIET 』の更新記録
2003/01/13新規: ファイル作成
2004/07/07更新: ◆テキストとリンク一部
2005/03/13更新: ◆一部テキスト追記と書式変更
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幸田 幸
coda_sati@hotmail.com
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