ビッグ・フィッシュ
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ビッグ・フィッシュ (2003)
BIG FISH
 映画『 ビッグ・フィッシュ (2003) BIG FISH 』をレヴュー紹介します。映画『 ビッグ・フィッシュ (2003) BIG FISH 』は 2003/12/12 の時点で邦題は分からなかったので「ビッグ・フィッシュ」としておいたら、そのまま『 ビッグ・フィッシュ 』と決まった。

 映画『 ビッグ・フィッシュ BIG FISH 』を以下に目次的に紹介する。
■映画『 ビッグ・フィッシュ BIG FISH 』のポスター、予告編および映画データ
■映画『 ビッグ・フィッシュ BIG FISH 』の解説
 ネタばれをお好みでない方はこの解説をご覧下さい。
■映画『 ビッグ・フィッシュ BIG FISH 』の主なスタッフ
■映画『 ビッグ・フィッシュ BIG FISH 』の美術
■映画『 ビッグ・フィッシュ BIG FISH 』の主なキャスト
■映画『 ビッグ・フィッシュ BIG FISH 』のあらすじ
■映画『 ビッグ・フィッシュ BIG FISH 』のスタッフとキャスト
■映画『 ビッグ・フィッシュ BIG FISH 』の<もっと詳しく>
 <もっと詳しく>は映画『 ビッグ・フィッシュ 』の「テキストによる映画の再現」レヴュー(あらすじとネタバレ)です。※ご注意:映画『 ビッグ・フィッシュ BIG FISH 』の内容やネタバレがお好みでない方は読まないで下さい。
■映画『 ビッグ・フィッシュ BIG FISH 』の更新記録

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■映画『 ビッグ・フィッシュ (2003) BIG FISH 』のポスター、予告編および映画データ
ビッグ・フィッシュ
ビッグ・フィッシュ
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上映時間 Runtime: 2:05
製作国 Country: アメリカ USA
製作会社
Production Company:
Columbia Pictures Corporation [us]
The Zanuck Company [us]
Jinks/Cohen Company [us]
全米配給会社 Distributer: Columbia Pictures [us]
Sony Pictures Entertainment [us]
全米初公開 Release Date: 2003/12/10 (LA/NY)
2003/12/25 (limited)
2003/01/09
日本初公開 R. D. in Japan: 2004/05/15
日本公開情報 : SPE
ジャンル Genre: ファンタジー/ドラマ/コメディ
Fantasy / Drama / Comedy
MPAA Rating 指定: Rated PG-13 for a fight scene, some images of nudity and a suggestive reference.
日本語公式サイト
http://www.big-fish.jp/
●スチルはnostalgia.com、予告編はcinemaclock.comより許諾をえて使用しています。
Filmography links and data courtesy of The Internet Movie Database & Nostalgia.com.
Filmography links and data courtesy of CinemaClock Canada Inc.
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■映画『 ビッグ・フィッシュ BIG FISH 』の解説

 『 ビッグ・フィッシュ 』は『 シザーハンズ (1990) EDWARD SCISSORHANDS 』『 ナイトメアー・ビフォア・クリスマス (1993) THE NIGHTMARE BEFORE CHRISTMAS 』等、独創的なファンタジーで人生を見つめさせるティム・バートン監督が放つ、オスカーの呼び声高いハートウォーミングな感動作品のようである。先ず、タイトルの「ビッグ・フィッシュ」の意味だが、英語の口語で“ big fish ”とは「大物・有力者・重要人物」のこと。

 「ビッグ・フィッシュ」を使った慣用句“ a big fish in a small pond ”なら「小さな池の大きな魚」「限られた範囲、或いは小さな世界で目立つ人」つまり「井の中の蛙(かわず)」。そして諺(ことわざ)で“ Better a big fish in a little pond than a little fish in a big pond. ”は「大きな池の小さな魚より、小さな池の大きな魚の方がよい」。つまり、我が国の諺「鶏口となるも牛後となるなかれ」「鯛の尾より鰯の頭」と似ている英語の諺で、「大きな集団の中で指導される立場でいるよりは、たとえ小さな集団でも指導する立場の者になった方がよい」という意味だ。

 この映画『 ビッグ・フィッシュ 』は、その「ビッグ・フィッシュ」が更に発展して「 a big fish in a big pond (大きな池の大きな魚)」のような「ほら吹き」だった老父を死の床に訪問して、父の真実の姿を追究して理解するようになる息子の話。

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■映画『 ビッグ・フィッシュ BIG FISH 』の主なスタッフ

○『 ビッグ・フィッシュ 』監督のティム・バートンは上記の
シザーハンズ (1990) EDWARD SCISSORHANDS
ナイトメアー・ビフォア・クリスマス (1993) THE NIGHTMARE BEFORE CHRISTMAS 』の他にも
バットマン (1989) BATMAN 』シリーズ
マーズ・アタック! (1996) MARS ATTACKS! 』
スリーピー・ホロウ (1999) SLEEPY HOLLOW
PLANET OF THE APES 猿の惑星 (2001) PLANET OF THE APES 』等で知られるが、この『 ビッグ・フィッシュ (2003)  』は二年ぶりの作品だ。この次作は監督のお気に入りジョニー・デップ Johnny Depp 主演の
チャーリーとチョコレート工場 (2005) CHARLIE AND THE CHOCOLATE FACTORY 』が製作予定されている。

○『 ビッグ・フィッシュ 』脚本: ジョン・オーガスト
チャーリーズ・エンジェル (2000) CHARLIE'S ANGELS
チャーリーズ・エンジェル/フルスロットル (2003) CHARLIE'S ANGELS: FULL THROTTLE

○『 ビッグ・フィッシュ 』製作: ダン・ジンクス
ボーン・コレクター (1999) THE BONE COLLECTOR
アメリカン・ビューティー (1999) AMERICAN BEAUTY

○『 ビッグ・フィッシュ 』製作: リチャード・D・ザナック
サラマンダー (2002) REIGN OF FIRE
ロード・トゥ・パーディション (2002) ROAD TO PERDITION

○『 ビッグ・フィッシュ 』製作総指揮: アーン・シュミット
トリプルX (2002) XXX

○『 ビッグ・フィッシュ 』音楽: ダニー・エルフマン
スパイダーマン (2002) SPIDER-MAN
レッド・ドラゴン (2002) RED DRAGON
シカゴ (2002) CHICAGO
ハルク (2003) THE HULK

○『 ビッグ・フィッシュ 』編集: クリス・レベンゾンとジョエル・ネグロン
パール・ハーバー (2001) PEARL HARBOR

○『 ビッグ・フィッシュ 』撮影: フィリップ・ルースロ
きみの帰る場所/アントワン・フィッシャー (2002) ANTWONE FISHER
コンスタンティン (2004) CONSTANTINE

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■映画『 ビッグ・フィッシュ BIG FISH 』の美術

ラスト サムライ (2003) THE LAST SAMURAI 』のロイ・バーンズ Roy Barnes 、
スターシップ・トゥルーパーズ (1997) STARSHIP TROOPERS
タイムマシン (2002) THE TIME MACHINE 』のロバート・フェッチマン Robert Fechtman 、
G.I.ジェーン (1997) G.I. JANE
トゥルーマン・ショー (1998) THE TRUMAN SHOW 』のリチャード・L・ジョンソン Richard L. Johnson ら美術陣が卓越している。そりゃ鬼才ティム・バートンの目が光っているから!

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■映画『 ビッグ・フィッシュ BIG FISH 』の主なキャスト

●父親エドワード・ブルームには、英国のシェークスピア演劇の名優で
エリン・ブロコビッチ (2000) ERIN BROCKOVICH 』等にも出演のアルバート・フィニー。

●その若い頃をユアン・マクレガー(
トレインスポッティング (1996) TRAINSPOTTING
ブラス! (1996) BRASSED OFF
リトル・ヴォイス (1998) LITTLE VOICE
『 スター・ウォーズ エピソード (1999-) STAR WARS: EPISODE 』シリーズ
ムーラン・ルージュ (2001) MOULIN ROUGE!
恋は邪魔者 (2003) DOWN WITH LOVE
猟人日記 (2003) YOUNG ADAM
アイランド (2005) THE ISLAND 』)が演じている。

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■映画『 ビッグ・フィッシュ BIG FISH 』のあらすじ

 さて『 ビッグ・フィッシュ 』のストーリー。アラバマ州の小さな町アシュトン Ashton, Alabama に住むエドワード・ブルームは、セールスマンだったが、今は老いて癌になり死の床にある。実際、映画ではこの役のアルバート・フィニーはほとんど寝たままだ。実際映画の初めの方の息子ウィリアム・ブルーム(ビリー・クラダップ)の結婚式でスピーチをする場面は立っていた。そして終わりの方では、息子に車椅子に乗せてもらっていただけだったように思う。

 妻サンディ・ブルーム(ジェシカ・ラング:
私は「うつ依存症」の女 (2001) PROZAC NATION 』)は夫の死の前に会わせる為、離れたきりの息子ウィリアム・ブルームを呼び寄せることにした。ウィリアム愛称ウィリーは、生真面目な生活信条でジャーナリストになって成功している。父エドワードは若い頃、ほらを吹いては人を喜ばせている男だったが、唯一、息子ウィリアムだけはそんな父親が大嫌いで許せなかった。だから、父の最期に、息子が和解するように母は取り計らったのだ。

 ほらを吹く「大ぼら・大ぶろしき」というのは英語では“ tall tales ”という。この種の話は
穴/HOLES (2003) HOLES 』もそれに当たるだろう。何しろ考えられる限りの様々なトリックやエピソードの絡みがいっぱい詰まっていた面白い映画だった。この『 ビッグ・フィッシュ 』では、息子は父親の「ほら吹き」話を、神話ともなっている父の伝説からたくさん耳に入れる。そして父親の功績と失敗とを知ることによって、ファンタジーの中に父の深い真実を悟って、一回り大きく成長するということになる。

 その父の「ほら吹き話」とは…。子供だったエドワード・ブルームは、アシュトンの町に住む魔女の住む館へ友人たちと肝試しに出かける。その魔女の右目を見ると、そこに自分の死ぬ姿が映し出されるというのだ。エドワードは魔女の右目を見て自分の最期を知ったお陰で、人生を思い切り生きるようになる。小さなアシュトンの町の「ビッグ・フィッシュ(大物)」となったエドワード(ユアン・マクレガー)は、人々のために、町を困らせた巨人と一緒に町を出る。エドワードは広い世界を知りたかったのだ。冒険者エドワードは、巨人と別れ、恐ろしい森の中を通って、大都会を目指そうとする。

 その森の中、エドワードはスペクター Spectre (幽霊・恐怖の影という意味)という幸福で素足の者達が住む町を見つける。その町の小さな女の子ジェニーや、詩人ノーザー・ウィンスロー(スティーヴ・ブシェミ:
ファーゴ (1996) FARGO
Mr.ディーズ (2002) MR. DEEDS 』
コーヒー&シガレッツ (2003) COFFEE AND CIGARETTES
ホーム・オン・ザ・レンジ/にぎやか農場を救え! (2004) HOME ON THE RANGE 』)達は、エドワードにずっとスペクターの町で暮らすように促す。しかし、エドワードはスペクターを後にし、再び巨人と一緒に旅をする。

 目指した町のサーカスで巨人は職を見つけ、エドワードは最愛の人サンドラ愛称サンディ(若い役/アリソン・ローマン:
マッチスティック・メン (2003) MATCHSTICK MEN 』)を見つけた。エドワードはサーカスを観に来ていたサンディの情報を得るため、サーカス団長(ダニー・デヴィート:
ヴァージン・スーサイズ (1999) THE VIRGIN SUICIDES
デス・トゥ・スムーチー (2002) DEATH TO SMOOCHY 』)のもとで働くことになる。実はオオカミ人間だったサーカス団長の信頼を得、サンディの住所を知ったエドワードは、彼女のもとへ駆けつける。サンディは婚約していた。エドワードはそれでも結婚をあきらめずに言い寄るが、皆の前で婚約者(子供時代の友達)にボコボコに殴られる。それを見てサンディは婚約を解消し、めでたくエドワードと結婚をする。友達は魔女の右目で見た通り不遇の死を遂げる。この後はパラシュートで韓国 Korea に降り立って、下半身が一つの双子の姉妹の歌のステージに遭遇したり、破産の町を救ったりもする。

 エドワードの息子ウィリアムは、父の側で父の死を見つめていくうちに、子供のころから聞き続けていたほら話が、微妙に現実の父の人生と関連していることに気づく。ほらではない本当の父を知りたいウィリアムは、ジェニー(ヘレナ・ボナム=カーター:
眺めのいい部屋 (1986) A ROOM WITH A VIEW
ノボケイン 局部麻酔の罠 (2001) NOVOCAINE 』)という女性に会いに行き‥。

 他のキャストには、ウィリアムのフランス人妻、ジョセフィーヌにマリオン・コティヤール(
TAXi (1997) TAXI
TAXi 2 (2000) TAXI 2
TAXi 3 (2003) TAXI 3 』)、
幻の町スペクターの小さなジェシーの母親役にミッシー・パイル(
ギャラクシー・クエスト (1999) GALAXY QUEST
女神が家(ウチ)にやってきた (2003) BRINGING DOWN THE HOUSE 』)、
スペクターの住民役にブランドン・キャロル(
メラニーは行く! (2002) SWEET HOME ALABAMA 』)ら。
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【『 ビッグ・フィッシュ 』のスタッフとキャスト】
監督: ティム・バートン Tim Burton (Directed by)
製作: ブルース・コーエン Bruce Cohen (producer)
    ダン・ジンクス Dan Jinks (producer)
    リチャード・D・ザナック Richard D. Zanuck (producer)
    カッテルリ・フロウエンフェルダー Katterli Frauenfelder (associate producer)
製作総指揮: アーン・シュミット Arne Schmidt (executive producer)
原作: ダニエル ウォレス Daniel Wallace (novel Big Fish: A Novel of Mythic Proportions)
脚本: ジョン・オーガスト John August (screenplay)
撮影: フィリップ・ルースロ Philippe Rousselot (Cinematography by)
編集: クリス・レベンゾン Chris Lebenzon (Film Editing by)
    ジョエル・ネグロン Joel Negron (Film Editing by)
音楽: ダニー・エルフマン Danny Elfman (Original Music by)

出演: ユアン・マクレガー Ewan McGregor as Young Edward Bloom
    アルバート・フィニー Albert Finney as  Old Edward Bloom
    ビリー・クラダップ Billy Crudup as William Bloom
    ジェシカ・ラング Jessica Lange as Sandy Bloom
    アリソン・ローマン Alison Lohman as Young Sandy Bloom
    ヘレナ・ボナム=カーター Helena Bonham Carter as Jenny
    スティーヴ・ブシェミ Steve Buscemi as Norther Winslow
    マリオン・コティヤール Marion Cotillard
    ダニー・デヴィート Danny DeVito as Amos
    ミッシー・パイル Missi Pyle as Mildred
    ブランドン・キャロル Brandon Carroll as Spectre Citizen

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<もっと詳しく>

ストーリー展開の前知識やネタバレがお好みでない方は、読まないで下さい。
■映画『 ビッグ・フィッシュ 』の「テキストによる映画の再現」レヴュー
 私は日本公開前に字幕スーパーなしの英語で観たので、わかる範囲でレヴューします。映画データについては調査した時点と公開される時点で異なる場合があります。本作の内容については、語学力と経験・常識不足のため、間違いや勘違いや適切でない表現があるかもしれません。どうかご理解賜りますようお願いいたします。また、リンクやメールをいただく場合はここを必ずお読みくださいますように。
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※2004年05月17日KE機内で鑑賞、眠け眼で観たので、上の解説は、内容が一部前後しているかも知れません。
 私の周囲では、この『 ビッグ・フィッシュ (2003) BIG FISH 』のウケは悪いが、私は大いに泣いた。泣きすぎて、飛行機の中で隣の人にヘンに思われないか心配したくらいだ。ほら吹きのお父さんと、実直な息子の仲直り映画と、言葉でこの『 ビッグ・フィッシュ 』を解説してしまうと、なんともつまらない映画のように感じてしまう。ところが、鬼才ティム・バートンの映像を通してこのストーリーを観ると、なんと感激することか!どのようにして人生の終わりを迎えられるかと考えた時、『 ビッグ・フィッシュ 』のお父さん、エドワードの最期は理想的なような気がする。また、子供として親を看取ることを考えた時、『 ビッグ・フィッシュ 』の息子ウィリアムのやり方も理想的な気がする。人の最期がこんなにうまい具合にいくことは、めったにないことだと思うけど、とても感動するのだ。きっとティム・バートン監督も、ダニエル ウォレスの原作を読んだ時、そういう最期に感激したんじゃないかなぁと思った。

 エドワードの実像は、セールスの仕事で家に殆ど帰らず、外に愛人をつくっていた、とんでもないお父さん。また、浮気はしたけど、家族のために懸命に働いてきたお父さんでもある。エドワードの話したほら話は、不倫のカムフラージュでもあり、人生の憂さ晴らしでもあるのかなと思うが、父と会えないで寂しく暮らす幼い息子の気を紛らわし、仕事の辛さを家庭に持ち込まないという美点も備えているようにも思う。実際の世界には、完璧な善人も、完璧な悪人もいず、エドワードのようなどちらともとれる人間が暮らしているように思う。映画『 ビッグ・フィッシュ 』は、そういう普通の人の人生を描いている。しかし、その死に方が普通じゃない。あんなに美しく人は死ねる人はめったにいないんじゃないか? 映像の美しさが“ほら”で、死ぬ苦しさをカムフラージュしていたのだと思うけど、エドワードはその瞬間、幸せだったと思う。

 死期の迫った父エドワードが横たわる病室。エドワードはウィリアムに言う。自分が魔女の右目に見た死に方は、こんなものではない。もっと奇想天外なものだったと。病院の殺風景な部屋で病に苦しんで死ぬ。よくある最期だと思うが、私は自分がそのようにして死ぬと考えるのは、なんだかコワい。ウィリアムは断末魔に苦しむエドワードに、ほら話を聞かせる。−エドワードは翌朝目覚めると、元気になっている。そしてウィリアムと一緒に病院を出て、車に乗って川へ向かう。ウィリアムに抱きかかえられて川辺に近づいていくエドワードを、優しく見つめ、見送る人々。彼らは、嘗てエドワードがウィリアムに話し聞かせたほら話の登場人物たちだ。その中には現実の人もいる。ウィリアムが会いに行った父の元愛人ジェニー、そして父の最愛の人であるウィリアムの母、サンディ。ウィリアムがエドワードを仰向けにしてそっと川に入れる。幸せそうな顔をしたエドワードは川に流れていく。そして本物の大きな魚 Big Fish になったエドワードは再び冒険にでかけるのだ…。−これがブック・フィッシュ、エドワードの奇想天外な最期。エドワードは微笑を浮かべて息を引き取った。

 エドワードのお葬式。墓場に集まった人々は、エドワードのほら話にでてきた人物に似ている普通の人々。エドワードは、全くのウソをウィリアムに話していたわけではなかったのだ。巨人も、サーカス団長も、詩人で強盗のノーザーも、腰がくっついている双子の中国人姉妹〔実際は普通の双子〕も、そしてスペクターの小さなジェニーも。父の真実を知りたいとずっと思ってきたウィリアムだったが、ウィリアムは知っていたのだ。ウソの中には、父の本質があった。ほら吹きの父エドワードは、自分を含め、それら大勢の人々に愛されていたのだ。

 父が亡くなったときは、臨月だった妻ジョセフィーヌは、元気な息子を産んだ。数年後、ウィリアムは父エドワードに倣い、息子に楽しいほら話を聞かせているようだ。〔浮気はマネしちゃダメだよ!〕

以上。
<もっと詳しく>からスペースを含まず1693文字/文責:幸田幸

参考資料:「映画の森てんこ森」映画タイトル集
       http://www.coda21.net/eiga_titles/index.htm
      IMDb
      allcinema ONLINE
      Nostalgia.com
      CinemaClock.com
      公式サイト(英語版)
       http://www.sonypictures.com/movies/bigfish/index.html
■映画『 ビッグ・フィッシュ (2003) BIG FISH 』の更新記録
2003/12/12新規: ファイル作成
2004/02/26更新: ◆タイトル変更
2004/06/02更新: ◆解説とネタばれ追記
2004/12/17更新: ◆一部テキスト追記と書式変更
2005/04/30更新: ◆データ追加
2005/10/06更新: ◆追記
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幸田 幸
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