スパイダーマン
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スパイダーマン (2002)
SPIDER-MAN
 映画『 スパイダーマン (2002) SPIDER-MAN 』をレヴュー紹介します。

 映画『 スパイダーマン SPIDER-MAN 』を以下に目次別に紹介する。
■映画『 スパイダーマン SPIDER-MAN 』の解説及びポスター、予告編
 ネタばれをお好みでない方はこの解説をご覧下さい。
■映画『 スパイダーマン SPIDER-MAN 』の映画データ
■映画『 スパイダーマン SPIDER-MAN 』の主なキャスト
■映画『 スパイダーマン SPIDER-MAN 』のスタッフとキャスト
■映画『 スパイダーマン SPIDER-MAN 』の<もっと詳しく>
 <もっと詳しく>は映画『 スパイダーマン 』の「テキストによる映画の再現」レヴュー(あらすじとネタばれ)です。※ご注意:映画『 スパイダーマン (2002) SPIDER-MAN 』の内容やネタばれがお好みでない方は読まないで下さい。
■映画『 スパイダーマン SPIDER-MAN 』の結末
■映画『 スパイダーマン SPIDER-MAN 』の更新記録

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幸の鑑賞評価: 8つ星 
■映画『 スパイダーマン (2002) SPIDER-MAN 』の解説及びポスター、予告編
スパイダーマン
スパイダーマン
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■映画『 スパイダーマン SPIDER-MAN 』の解説

 映画『 スパイダーマン (2002) SPIDER-MAN 』は、サム・ライミ監督自身もファンである、アメリカン・コミック・ヒーロー、スパイダーマンを映画化したVFX超大作。 1962 年、マーヴルコミックスが販売不振から廃刊となった「 Amazing Fantasy 」の最終刊にスパイダーマンを送り出して大好評を得てから 40 年経った 2002 年に、スパイダーマンことピーター・パーカーに『 サイダーハウス・ルール (1999) THE CIDER HOUSE RULES 』のナイーヴな青年トビー・マグワイア、グリーン・ゴブリンことノーマン・オズボーンにコワイ顔がヒーローの敵役にハマッているウィレム・デフォー、ヒロインのMJには、近年益々ご活躍麗しい私のお気に入り女優キルステン・ダンスト等、と豪華な顔ぶれで映画『 スパイダーマン 』のスクリーンに登場。
 映像技術の発達のお陰で、長年映画化が難しいと言われていた「スパイダーマン」が映画になったわけだが、スパイディ(スパイダーマンの愛称)がNYのビルの谷間をターザンのように飛んで行くシーンなど、ホント、凄かった。 That's entertainment!
 因みに、spiderman をネット辞書(三省堂のEXCEED英和辞典)で調べると、<spider-man 〔英〕 (高層建築などの)高所作業員>ある。2004年11月17日の「トリビアの泉」では「鳶職(とびしょく)」と話題にあった。
●スチルはnostalgia.com、予告編はcinemaclock.comより許諾をえて使用しています。
Filmography links and data courtesy of The Internet Movie Database & Nostalgia.com.
Filmography links and data courtesy of CinemaClock Canada Inc.
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■映画『 スパイダーマン (2002) SPIDER-MAN 』の映画データ
 上映時間:130分
 公開情報:ソニー・ピクチャーズ エンタテインメント
 アメリカ初公開年月:2002年5月3日
 日本初公開年月:2002年5月11日
 ジャンル:アクション/SF/アドベンチャー
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■映画『 スパイダーマン (2002) SPIDER-MAN 』の主なキャスト
●トビー・マグワイア as スパイダーマン(ピーター・パーカー)
サイダーハウス・ルール (1999) THE CIDER HOUSE RULES
シービスケット (2003) SEABISCUIT
スパイダーマン2 (2002) SPIDER-MAN 2 』等に出演
25時 (2002) 25TH HOUR 』製作

●ウィレム・デフォー as グリーン・ゴブリン(ノーマン・オズボーン)
ボブ・クレイン 快楽を知ったTVスター (2002) AUTO FOCUS
ファインディング・ニモ (2003) FINDING NEMO
レジェンド・オブ・メキシコ/デスペラード (2003) ONCE UPON A TIME IN MEXICO
二重誘拐 (2004) THE CLEARING
スパイダーマン2 (2002) SPIDER-MAN 2
コントロール (2004) CONTROL
アビエイター (2004) THE AVIATOR
ライフ・アクアティック (2004) THE LIFE AQUATIC WITH STEVE ZISSOU

●キルステン・ダンスト as メリー・ジェーン・ワトソン
若草物語 (1994) LITTLE WOMEN
わたしが美しくなった100の秘密 (1999) DROP DEAD GORGEOUS
ケイナ  (2003) KAENA LA PROPHETIE (原題) / KAENA THE PROPHECY (米題)
モナリザ・スマイル (2003) MONA LISA SMILE
スパイダーマン2 (2002) SPIDER-MAN 2
エターナル・サンシャイン (2004) ETERNAL SUNSHINE OF THE SPOTLESS MIND
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【『 スパイダーマン 』のスタッフとキャスト】
監督: サム・ライミ Sam Raimi
製作: イアン・ブライス Ian Bryce
    ローラ・ジスキン Laura Ziskin
製作総指揮: アヴィ・アラッド Avi Arad
    スタン・リー Stan Lee
脚本: デヴィッド・コープ David Koepp
    スコット・ローゼンバーグ Scott Rosenberg
    アルヴィン・サージェント Alvin Sargent
撮影: ドン・バージェス Don Burgess
音楽: ダニー・エルフマン Danny Elfman

出演: トビー・マグワイア Tobey Maguire スパイダーマン(ピーター・パーカー)
    ウィレム・デフォー Willem Dafoe グリーン・ゴブリン(ノーマン・オズボーン)
    キルステン・ダンスト Kirsten Dunst メリー・ジェーン・ワトソン
    ジェームズ・フランコ James Franco ハリー・オズボーン
    J・K・シモンズ J.K. Simmons J・ジョナ・ジェイムソン
    クリフ・ロバートソン Cliff Robertson ベン・パーカー
    ローズマリー・ハリス Rosemary Harris メル・パーカー
    ランディ・ポッフォ Randy Poffo ボーンソー・マグロウ
    ジョー・マンガニエロ Joe Manganiello フラッシュ・トンプソン
    マイケル・パパジョン Michael Papajohn カージャッカー 
    テッド・ライミ Ted Raimi テッド・ホフマン
    ブルース・キャンベル Bruce Campbell リング実況アナウンサー
    スタン・リー Stan Lee タイムズ・スクウェアの男(uncredited)

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<もっと詳しく>

ストーリー展開の前知識やネタばれがお好みでない方は、読まないで下さい。
 私は日本公開前に字幕スーパーなしの英語で観たので、わかる範囲でレヴューします。

■映画『 スパイダーマン 』の「テキストによる映画の再現」レヴュー

【スパイダーマン 第01段落】  スパイダーマンがアメ・コミ・ヒーローの中でも、特に愛情を持って語られるのは(私自身はアメリカン・コミックには詳しくないので、本当にそうなのかは知らないが、そういう風に公式サイトに書いてあった)、身近な存在だからだという。たしかにスーパーマンのように異星人でもなく、バットマンのように超お金持ちでもない、スポーンのように死後の世界のものでもない。ピーター・パーカー(トビー・マグワイア)はアメリカの一青年だ。でも超フツーというわけでもない。やけに生真面目。真面目ゆえに頭がいい。しかし、真面目で頭がいいので、公立高校の同級生達からはイジメ対象。スパイダー・センスを得るまでのピーターの高校生活は、だいぶイケてない。

【スパイダーマン 第02段落】  ピーターはスクールバスを追って走っている。バスの運転手は眼鏡をかけたやせっぽちの少年の存在に気付いているが、バスを止めようとはしない。必死に走る彼を見て、意地悪く笑っている生徒もいる。しかし、赤毛のとびきり可愛い女の子、メリー・ジェーン・ワトソン(キルステン・ダンスト)がピーターに気付き、バスを止めさせた。メリー・ジェーン・ワトソン、通称MJは、ピーターの子供の頃からの憬れの隣の少女だ。アメリカの学園もののストーリーの常として、学校一の美女であるMJは学校で一番力のある男の子と付き合っている。ピーターは自分をイジメる嫌な男に、最愛の女性を奪われているのだ。MJの彼氏のフラッシュ・トンプソン(ジョー・マンガニエロ)は、ピーターとは正反対のタイプ。頭は足りないが力はある。やっとバスに乗り込めたピーターだが、同じようにアウトサイダーな女の子からでさえも隣のイスに座るのを拒否され、フラッシュの仲間に脚を引っ掛けられ、情けなくも床に倒れこんだ。これがピーター・パーカーだった。

【スパイダーマン 第03段落】  スクールバスの行き先は、コロンビア大学の遺伝子研究所。今日は生物の授業の校外学習だ。スクールバスに乗らずに、高級車ベントレーで大学にやって来た生徒がいる。ピーターの唯一の友人ハリー・オズボーン(ジェームズ・フランコ)だ。このときピーターは初めてハリーの父親であるノーマン・オズボーン(ウィレム・デフォー)に出会う。優秀な科学者で、且つ大企業オズコープ社の社長でもあるノーマンは、息子の成績優秀な友達であるピーターを気に入った。そのことをハリーがどう感じたかはわからないが、きっと羨ましくも妬ましくも思ったにちがいない。なぜなら彼は偉大な父親のプレッシャーに押しつぶされている息子だからだ。超お金持ちの息子のハリーが公立高校に通っているのもその結果の一つだ。

【スパイダーマン 第04段落】  大学の研究所でクモの展示を見るピーターたち。ピーターは校内新聞のためにカメラを携えている。どこまでもイジメられ体質である。遺伝子を人工的に組替えられたスーパースパイダーに関心が集まる。ガイドの話では 15 匹いるはずのスーパースパイダーが、ケージの中には 14 匹しかいないことにMJが気付いた。1匹はどこにいったのだろうか。みんなが移動してからもMJは一人ケージの前にいた。チャンス到来!ピーターはMJに写真撮影の許可を得る。お茶目にポーズをとるMJを必死でカメラに収めるピーター。そんな彼の頭上には、せっせとクモの巣を張っている 15 匹目のスーパースパイダーが…。友達に呼ばれてMJが去った後、ピーターはそのクモに手を噛まれてしまった。

【スパイダーマン 第05段落】  ピーターはふらふらでクイーンズにある家に戻ってきた。幼い頃に両親をなくしたピーターは父の兄夫婦に引き取られて暮らしている。ベンおじさん(クリフ・ロバートソン)もメイおばさん(ローズマリー・ハリス)もとてもいい人たちで本当の父と母のようにピーターを愛してくれている。もちろんピーターも彼らを愛しているが、やはり"本物"とはちがう。ピーターはすっかり青ざめながらも「うまくいっているよ」といい、あんまりしつこく構いすぎてはティーンエイジャーのピーターの気に触ると思ったのだろう、気分が悪いと食事もとらずに自室に寝に行った彼を伯父夫婦は看には行かなかった。

【スパイダーマン 第06段落】  ノーマン・オズボーンは危機に立たされていた。政府の資金を得て開発している製品が、軍のお偉方のお気に召さないようなのだ。厳つい装甲服のようなものを着た人が、宙に浮いたグライダーのようなボードに乗ってふらついている。兵士をパワーアップさせるために、こんなものが作り出せるなんて、スゴイ技術なのに…。その上、開発に携わっているストロム博士から、ネズミの段階ではあるが、強暴で攻撃的になるという副作用の例が提示された。そして彼は振り出しに戻って初めから見直すべきだと主張した。もう絶体絶命だ。その夜、窮地のノーマンは、自分自身に人体実験を行った。結果は恐ろしいものだった。ストロム博士の主張は正しかったが、彼はこのプロジェクトを振り出しに戻すことはできなかった。実験に立ち会った博士は、人間を超えた力を持つようになったノーマンに投げ飛ばされ殺された。

【スパイダーマン 第07段落】  朝、床の上で毛布に包まって寝ていたピーターが目覚めると、いつもとどこかが違っていた。眼鏡をかけるが、眼鏡をかけた方が見えにくい。鏡を見るとマッチョなピーター・パーカーが立っている。そして信じられないくらい身軽だ。ピーターは自分に起こった変化に驚いた。手先にはやけに物が引っ付くし、手首からはクモの糸が飛び出してくる。それに実際に見なくても自分の周りで起こっていることが理解できるのだ。屈強且つ柔軟で身軽な体、吸着力のある手、糸、スパイダー・センス等。ピーター・パーカーは姿は人間の形をしているがクモ男に変身していたのだ。

【スパイダーマン 第08段落】  学校で自分のヘマから喧嘩になって、いつの間にか番長のフラッシュをやっつけてしまったピーターの人間離れしたパワーに周囲が驚く以上に、ピーター自身が驚いた。しかしまた同時に新しい自分に喜んだ。一つずつ自分に授けられた能力を試すように、マンハッタンのビルの壁に張り付き、壁を這い登り、手からクモ糸を出し、ビルの上をどんどん飛び越し、まるでターザンのようにコンクリート・ジャングルを行き来する。しかし、そんな単純な喜びはいつまでも続かなかった。

【スパイダーマン 第09段落】  ピーターはMJの気を引くために、車が欲しかった。新聞で車の広告を見ていると、ふと目に付いたのが、「リングに3分間いるだけで 3000 ドル」というレスリングの見出し。これだ!ピーターは新しく自分に身についた力で、お金を稼ごうと考えた。もちろんベンおじさんとメイおばさんにこんなこと言える訳が無い。「図書館に行く」と内緒で出かけようとしたピーターだが、最近様子がおかしい彼を心配していたベンおじさんは、車で送ってくれると言い出した。もちろんそれは困るけど、仕方がない。目的地に着き、ピーターが車を降りようとすると、ベンおじさんはピーターに話し掛けた。おじさんはピーターが遺伝子組み替えのクモに噛まれたお陰でクモの特殊能力を身につけたなどとは知る由も無かったが、学校でケンカをするなど以前のピーターには考えられなかった行動に、ティーンエイジャーの息子の行く末を心配する親心でピーターを諭そうとした。「 With great power comes great responsibility. 大いなる力には、大いなる責任がともなう」。もちろんそんな大人の意見には耳を傾けないのがティーンエイジャー。ピーターはベンおじさんに「父親のふりをしないで」とキツイ一言を残して車を降りる。

【スパイダーマン 第10段落】  歓声湧き上がるレスリング会場。リングの上にはボーンソー・マグロウという強そうなレスラーがいて、挑戦者をなぎ倒している。生真面目なピーターは、自分でデザインを考えて作成したコスチューム(まだ過渡期の作品)で「スパイダー・ヒューマン」というリングネームで現われようとしたが、リングアナウンサー(ブルース・キャンベル)は「スパイダーマン」という名前で彼を紹介。弱そうに見えたスパイダーマンだったが、信じられないようなパフォーマンスでなんとボーンソーを倒してしまう。ピーターは賞金の 3000 ドルを手に入れるため、プロモーターのところに訪れたが、彼はピーターに 100 ドルしか渡さなかった。イカサマだ。真面目なピーターは力ずくでプロモーターから約束の報酬を奪い取ろうとはせず、 100 ドルを持って帰ることにした。ピーターと入れ違いに興行収入を盗みにきた強盗が部屋に入ってきた。ピーターはプロモーターへの腹いせで、お金を奪って逃走する強盗を捕らえようとはしなかった。自分には正義を行う力が充分にあったのに…。

【スパイダーマン 第11段落】  ピーターがベンおじさんに車で迎えてもらうために図書館の前に現われると、たくさんの人だかり。何か事件が起こったらしい。嫌な予感がしたピーターが群衆の中を掻き分けて行くと、なんと銃で撃たれ倒れているベンおじさんがいた。ピーターはベンおじさんに駆け寄ったが、その直後、おじさんは息を引き取った。警官の話によると、おじさんは車を奪われ銃で撃たれたらしい。復讐に燃えたピーターは、おじさんの車に乗って逃走している犯人を捕まえるため、自分の能力をフルに活用した。さっきのコスチュームを着込み、抜群のタイミングでビルに糸を張り、振り子のように飛び上がり、またビルに糸を張りながら、パトカーに追われるおじさんの車を追って行く。そして犯人を荒れ果てたビルへと追い詰めた。自分を追ってきたこの男は普通じゃないと思った犯人は詰め寄ったピーターに許しを請うた。犯人の顔を見たピーターは愕然とする。この男はさっきプロモーターのところで自分が見逃した強盗だ!あまりの衝撃に唖然としているピーターに犯人は銃口を向けるが、ピーターは素早く反応し、犯人の腕をひねって銃を落とさせる。ビビッて後ずさりをした犯人は、腐った窓から落ちて死んだ。

【スパイダーマン 第12段落】  このことが生真面目なスパイダーマンの永遠のトラウマとなる。自分には正義を行うための能力が授けられていたのに、自分の浅ましい気持ちから、大切な人を失ってしまった。ベンおじさんの言葉が頭から離れない。「 With great power comes great responsibility. 大いなる力には、大いなる責任がともなう」。ピーターはスパイダーマンとなり、ニューヨークの人々の正義のために生きることにするのだ。

【スパイダーマン 第13段落】  高校を卒業したピーター、ハリー、MJ。ピーターとハリーは大学に進学し、ビルのロフトで共同生活を始める。ピーターのもう一つの仕事、スパイダーマンはニューヨークの街を騒がす存在となっていた。コスチュームも洗練された。生活費を稼がなければならないピーターは、「スパイダーマンの写真求む」というタブロイド紙デイリー・ビューグルに自分が撮影した写真を売り込んでいた。デイリー・ビューグルは、ワンマンである発行者のJ・ジョナ・ジェイムソン(J・K・シモンズ)のおかげで、スパイダーマンをヒーローとして扱っていないのだが。ニューヨークのどこにいつスパイダーマンが出没するかわからないので、スパイダーマンの写真を撮ることができる人物はピーターしかいなかった。ピーターはフリーランスのカメラマンとしての仕事を得る。

【スパイダーマン 第14段落】  一方ウエイトレスをしながら女優を夢見ているMJは、卒業式のときにフラッシュと別れ、今はハリーの彼女になっている。二人の関係を知っていたピーターだったが、タイムズスクエアで開催されているワールド・ユニティ・フェスティバルで、カメラのファインダーごしにバルコニーにいるハリーとチャイナドレスを着たMJを見つけたときはさすがにショックだった。そんなピーターをハリーも見つけた。MJは高校時代からの二人の共通の思い人だったが、隣に住んでいたピーターのほうが年季が入っていることをハリーは知っている。微妙な三角関係である。

【スパイダーマン 第15段落】  ワールド・ユニティ・フェスティバルで、空の彼方から黄色い目の緑色の仮面をつけ、装甲服を身につけた男がグライダーにサーフィンのように乗って現われた。フェスティバルのアトラクションだと思った人々からは歓声が上がる。その奇妙な男は、もう一人のノーマン・オズボーン、グリーン・ゴブリンだ。自身に人体実験を行ったノーマンは、副作用で精神分裂が起こり、性質の悪の部分の権化としてグリーン・ゴブリンに変身するのだ。ノーマンは、自らが築いてきたオズコープ社と会社内における自分の地位を危うくしている人々を、グリーン・ゴブリンとなって殺害していた。ストロム博士の次の犠牲者は、オズコープ社から他社へと鞍替えしようとしていた軍の司令官など、そして今度はノーマンをクビにしようとしている会社の理事の連中だ。グリーン・ゴブリンは息子のハリーがいるにも拘らず、理事たちのいるバルコニーを爆破。タイムズスクエアは瞬時にパニック状態になる。オズコープ社の理事達はグリーン・ゴブリンによって抹殺された。人々を脅かすものはスパイダーマンの敵となる。その上、奴は爆破によって崩れ落ちようとしているバルコニーに残されたMJを狙っているのでは?スパイダーマンはグリーン・ゴブリンの暴挙を押さえようと大活躍する。人間をはるかに超えた力を持つグリーン・ゴブリンにはなかなか歯が立たなかったが、スパイダーマンは奴の目に糸をかけて視界を失わせ、グライダーの大事そうな部品を引きちぎった。グリーン・ゴブリンは退散して行ったが、ちょうどそのときバルコニーが完全に崩れ去った。墜落するMJ。スパイダーマンは追って彼女を捕まえ、彼女を抱いてビルの谷間に消えて行った。安全そうなビルの屋上の庭園に自分をおいて、去ろうとするスパイダーマンに「あなたは誰?」と尋ねるMJ。スパイダーマンは言う。「君は知っている。」

【スパイダーマン 第16段落】  感謝祭。ピーターとハリーのロフトで、メイおばさんとMJがお祝いの用意をしている。ハリーは父親に初めてMJを紹介するので緊張している。ノーマンとピーターはまだ現われていない。なぜなら彼らは火災現場で、お互いが完全に敵同士であることを確認しあっていたから。グリーン・ゴブリンはスパイダーマンを仲間に引き入れようとしていたが、そんなことあり得る筈が無い。まず、ノーマンがフルーツケーキのプレゼントを携えて姿を現した。すると二階のピーターの部屋から大きな物音がした。ピーターがいるのかと、メイおばさん、ノーマン、ハリーが二階に上がってきた。ピーターは天井に張り付いたが、グリーン・ゴブリンに傷つけられた腕から血が滴った。間一髪!ノーマンが立ち去った後のカーペットの上に血は落ちた。ところがノーマンはその血に気付く。ノーマンは天井を見上げるが誰もいない。窓の外も見に行くが、窓の下にへばりついているピーターには気付かなかった。ピーターは何事もなかったように、メイおばさんから頼まれていたクランベリーソースを持って皆の前に現われた。メイおばさんはピーターが腕にケガをしていることに気付く。そのキズを見たノーマンはピーターがスパイダーマンであることを確信する。そして「行かなければならない」と突然席を立った。驚いたハリーはMJと一緒の感謝祭に父を引きとめようとエレベーターのところまで追うが、ノーマンはMJに対する冷たい言葉を残して去ってしまう。二人の会話は部屋の中まで聞えていた。自分に対する非難の言葉を聞いたMJも、居たたまれない気持ちになって部屋を出た。

【スパイダーマン 第17段落】  お城のような自宅に戻ったノーマンは、グリーン・ゴブリンと自分との間で悩んでいた。グリーン・ゴブリンはピーターを滅ぼすように命じるが、息子のようなピーターにそんなことはできない。しかし、所詮ノーマンは副作用による狂気から逃れることはできない。グリーン・ゴブリンとなった彼は、卑怯にもピーターの大切な人を襲うことにした。

【スパイダーマン 第18段落】  ピーターは病室でショックのため興奮状態にあるメイおばさんが「あの黄色い恐ろしい目」と叫ぶのを聞いた。グリーン・ゴブリンはスパイダーマンが誰でその弱みを知っての仕業だ。自分のせいで再び大切な人を失いそうになったピーターは心を痛め、一晩中メイおばさんのそばで過ごした。MJがお見舞いに来てくれた。気を利かしたメイおばさんは眠っている振りをしている。MJはハリーではない自分の恋する人、スパイダーマンについて話した。スパイダーマンにMJの事をどう思っているか訊かれたと、話を創り上げたピーターは、そのときにスパイダーマンに語ったとされる話を彼女にした。それはまるで恋の告白だ。ピーターの話に感激した彼女は彼の手を取った。その時、ハリーが病室に入ってきた。ピーターとMJは手を引っ込めるがもう遅かった。

【スパイダーマン 第19段落】  傷ついたハリーは、父ノーマンを訪ねた。嘗て自分が暮らしていた豪邸には気味悪い声が響いている。父親を呼ぶハリーの声にノーマンが現われた。ハリーはMJがやはり父さんが言っていたような女だったと、失恋の痛手を語る。そんな息子をノーマンは久しぶりか初めてか思い切り抱きしめた。ハリーはずっと憬れていた父の愛情にふれ、信じられないような気持ちだった。

【スパイダーマン 第20段落】  病室でメイおばさんとMJのことを話していたピーターは、おばさんの言葉にハッとする。「あなたが彼女を愛していることは皆が知っているわ。」今度はMJが狙われる!ピーターは急いで彼女に電話をかけたが、電話に出たのはグリーン・ゴブリンだった。

【スパイダーマン 第21段落】  クイーンズボロ・ブリッジにやってきたスパイダーマンは、グリーン・ゴブリンの左手にMJ、右手に子供たちが大勢のっているケーブルのゴンドラが握られているのを見た。グリーン・ゴブリンはスパイダーマンに選択を迫っているのだ。同時に手を離したとき、スパイダーマンが選ぶのは一人の最愛の女性の命か、それとも多くの幼い命なのか?グリーン・ゴブリンは冷酷にも手を離す。スパイダーマンはまずMJを救うために飛び、それからゴンドラのロープをつかんだ。彼はどちらも諦めなかった。しかし、どちらの落下も途中で食い止めたものの、MJにしがみつかれながら片手で橋に貼り付けた糸をつかみ、もう一方の手でゴンドラを支えるのは、いかなスパイディといえども辛かった。それにまたすぐにグリーン・ゴブリンが攻撃を仕掛けてくるだろう。スパイダーマンはロープを伝ってゴンドラのほうへ移動するようにMJに言う。MJは怖がったが、自分が頑張らないと皆がだめになると思い直し、ゆっくりと下へ降り始めた。しかし、グリーン・ゴブリンが再び姿を現し、攻撃を開始した。スパイダーマンは何とかゴンドラを川に落とさずに踏ん張ったが、形勢はゴブリンが断然有利だ。その時、橋の上からグリーン・ゴブリンに色々なものが投げつけられた。スパイダーマンが苦しんでいるのを知ったニューヨーカーたちが、グリーン・ゴブリンに対抗してくれたのだ。スパイダーマンはその隙に助けにきたボートの上にゴンドラをそっと置くことに成功した。もちろんMJも助かった。 ・・・

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◆ここからは、結末まで書いていますので、ストーリー全体が分ります。御注意下さい。
 ATTN: This review reveals the movie content. Please don't say that I didn't say !


【スパイダーマン 第22段落】  ホッとした瞬間、スパイダーマンはグリーン・ゴブリンに連れ去られてしまった。ゴブリンは彼をルーズヴェルト島の天然痘の病院跡地に連れてきた。初めはスパイダーマンの方が圧倒的に劣勢であったが、途中からグリーン・ゴブリンをボコボコにする。ゴブリンはスパイダーマンに助けを請うため、仮面を脱いで自分の正体を明かした。ピーターはノーマンの顔に驚く。ピーターに気付かれないように腕のボタンでグライダーを操作しながら、ノーマンはピーターに息子のように思っているなどと甘言をはく。しかし、そんなノーマンに自分の父親はベン・パーカーだと言うピーター。背後からグライダーが襲い掛かってきた時、スパイダー・センスで事前に察知したピーターは飛び上がってよけるが、グライダーはそのまま直進し、壁にもたれかかっていたノーマンを突き刺した。「ハリーには言わないでくれ」という言葉を遺し、ノーマンは息絶えた。
ノーマンの自宅寝室のベッドに彼の遺体を横たえるスパイダーマン。そこへ入ってきたハリーはスパイダーマンに銃を向けようとするが、彼は素早く出て行った。

【スパイダーマン 第23段落】  ノーマンの葬儀。父親を死に追いやったのはスパイダーマンだと思っているハリーは、ピーターにスパイダーマンへの復讐を語る。ピーターは無言だ。ハリーとピーターは抱き合った。ベンおじさんのお墓へと足を運んだピーターをMJが追った。MJはピーターに愛の告白をし、彼にキスをする。夢にまで見た憬れの瞬間だったにも拘らず、ピーターは彼女に応えなかった。ピーターの頭にはベンおじさんの言葉が響いていた。「 With great power comes great responsibility. 大いなる力には、大いなる責任がともなう」自分の選ばなければならない道に愛する人を巻き添えにすることはできない。その責任は自分だけにかかっているのだから。MJを残し、立ち去るピーター。ヒーローは孤独なのである。MJは気付く。この唇の感触はスパイダーマンと同じ。もしかしてピーターが…。

【スパイダーマン 第24段落】  MJを恋多き女性と非難するコメントをいくつかネット上で発見したけど、私はあえて力強い女性だと評価したい。高校時代は番長フラッシュ、卒業後は大企業の御曹司ハリーと付き合い、ハリーと並行して、危険な目に会った時必ず助けてくれる謎のヒーロー、スパイダーマン、そしてピーターのことがいつも心のどこかで気になっている。美貌に恵まれた彼女の恋愛対象の価値は、フラッシュのパワー、ハリーのリッチさ、そしてスパイダーマンの正義へと移り変わっていくのは確かだ。MJに限らずカッコいい人には誰でも憧れる。彼女はいつも父親に大声で罵られて育ってきた割には、人生を前向きに捉えている女の子だと思う。ニューヨークという大都会で、女の子がたった一人で、貧しくとも自分の夢に向かって自立して生きようとしているMJは、とてもけなげで美しく眩しく、そして力強く思えた。

【スパイダーマン 第25段落】  2001 年9月 11 日のテロのせいで変更されてしまった世界貿易センタービルの映像も見てみたいと思う。橋の上からスパイダーマンを助けようと、ニューヨーカーたちがグリーン・ゴブリンにものを投げつけるシーンに、テロに屈せず、皆で立ち直ろうとしている人々を思わせた。

 はやく『 スパイダーマン2 (2002) SPIDER-MAN 2 』が観たいな。ピーター・パーカーは本当にトビー・マグワイアのはまり役だ。

以上。
<もっと詳しく>からスペースを含まず9602文字/文責:幸田幸

参考資料:「映画の森てんこ森」映画タイトル集
       http://www.coda21.net/eiga_titles/index.htm
      IMDb
      allcinema ONLINE
      Nostalgia.com
      CinemaClock.com
       Theater @ nifty
      公式サイト(英語版)
       http://www.spider-man-movie.com/
■映画『 スパイダーマン (2002) SPIDER-MAN 』の更新記録
2002/08/24新規: ファイル作成
2004/07/12更新: ◆テキスト一部とリンクおよびファイル書式
2005/03/15更新: ◆一部テキスト追記と書式変更
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幸田 幸
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