アナライズ・ユー
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アナライズ・ユー (2002)
ANALYZE THAT
 映画『 アナライズ・ユー (2002) ANALYZE THAT 』をレヴュー紹介します。

 映画『 アナライズ・ユー ANALYZE THAT 』を以下に目次的に紹介する。
■映画『 アナライズ・ユー ANALYZE THAT 』のポスター、予告編および映画データ
■映画『 アナライズ・ユー ANALYZE THAT 』の解説
 ネタばれをお好みでない方はこの解説をご覧下さい。
■映画『 アナライズ・ユー ANALYZE THAT 』の主なキャスト
■映画『 アナライズ・ユー ANALYZE THAT 』のスタッフとキャスト
■映画『 アナライズ・ユー ANALYZE THAT 』の<もっと詳しく>
 <もっと詳しく>は映画『 アナライズ・ユー 』の「テキストによる映画の再現」レヴュー(あらすじとネタばれ)です。※ご注意:映画『 アナライズ・ユー (2002) ANALYZE THAT 』の内容やネタばれがお好みでない方は読まないで下さい。
■映画『 アナライズ・ユー ANALYZE THAT 』の結末
■映画『 アナライズ・ユー ANALYZE THAT 』の更新記録

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幸の鑑賞評価: 8つ星 
■映画『 アナライズ・ユー ANALYZE THAT 』のポスター、予告編および映画データ
アナライズ・ユー
アナライズ・ユー

Links:  Official Web Site
Trailers:  Quick Time6.5Mb
Quick Time12.3Mb
Quick Time21.7Mb
上映時間 Runtime: 1:36
製作国 Country: アメリカ USA
製作会社
Production Company:
Baltimore Spring Creek Productions [us]
Face Productions
NPV Entertainment
Tribeca Productions [us]
Village Roadshow Productions [au]
全米配給会社 Distributer: Warner Bros. [us]
全米初公開
Release Date:
2002/12/06
日本初公開
R. D. in Japan:
2003/03/29 予定
日本公開情報 : ワーナー
ジャンル Genre: コメディ/犯罪
Comedy / Crime
MPAA Rating 指定: Rated R for language and some sexual content
日本語公式サイト
http://www.warnerbros.co.jp/analyzeyou/
●スチルはnostalgia.com、予告編はcinemaclock.comより許諾をえて使用しています。
Filmography links and data courtesy of The Internet Movie Database & Nostalgia.com.
Filmography links and data courtesy of CinemaClock Canada Inc.
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■映画『 アナライズ・ユー ANALYZE THAT 』の解説

 映画『 アナライズ・ユー (2002) ANALYZE THAT 』は、大ヒットした大人のコメディ『 アナライズ・ミー (1999) ANALYZE THIS 』の第2弾。今回は『 アナライズ・ユー ANALYZE THAT 』だが、米国ワーキングタイトルは『 ANALYZE THIS 2 』であることからも、前作の完全な続きであることが窺えよう。
 『 アナライズ・ユー 』の主役達は前作と同じで、マフィアのゴッドファーザーのポールにロバート・デ・ニーロ、精神科医のベンにビリー・クリスタル、その妻にリサ・クドロー。監督・脚本はやはり第1弾と同様に『ゴーストバスターズ1・2』『 悪いことしましョ! (2000) BEDAZZLED 』のハロルド・ライミスである。
 映画『 アナライズ・ユー (2002) ANALYZE THAT 』のストーリー。精神科医のベンは父親が亡くなって事後処理に追いまくられている時、また例のマフィアのボス、獄中のポール・ヴィティから連絡を受ける。彼のストレス性発作は相変わらずで、命を狙われているというのだ。精神科医とギャングのボスとの奇妙な組み合わせがまた続いていく。

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■映画『 アナライズ・ユー ANALYZE THAT 』の主なキャスト

 主役のロバート・デ・ニーロはイタリア系と思われているが、実は祖先はアイルランド人だそうだ。子供の頃は顔色が青白いため「 Bobby Milk 」(ロバートの愛称はボビーで、牛乳は白いから)というニックネームだった。細身だったし、あのカッコよかった
タクシードライバー (1976) TAXI DRIVER 』でも蒼白だったかな。でもこの俳優は役に応じて身体を作り変えられるという特技と没頭さが有名だ。髪型や体重でまさに百面相の俳優の鑑。映画では主に暴力と精神病的な役柄が多い。
レナードの朝 (1990) AWAKENINGS 』『 ケープ・フィアー (1991) CAPE FEAR 』
ハイド・アンド・シーク (原題) (2005) HIDE AND SEEK 』等、そう言えば健康な常識人の役ではない。
 『 ゴッドファーザーPART II (1974) THE GODFATHER: PART II 』では若き日のドン・ヴィトー・コルレオーネ役でアカデミー助演男優賞に輝く。この同じ役を
ゴッドファーザー (1972) 』の方で演じたマーロン・ブランド Marlon Brando もアカデミー主演男優賞に輝いている(ただし受賞拒否)から、このように同じ配役でアカデミー受賞はこの二人だけだそうだ。スター街道を登りつめて、本作『アナライズ・ユー』では報酬が $20,000,000 ($1= ¥120 換算で約 24 億円)だって! 2002 年度の FilmFour.com の投票で「 the best actor of all time (空前の最優秀俳優)」に選ばれている。
『 未来世紀ブラジル (1985) BRAZIL
RONIN (1998) RONIN 』等にも出演、製作会社も創設し、
アバウト・ア・ボーイ (2002) ABOUT A BOY 』をプロデュース。
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【『 アナライズ・ユー 』のスタッフとキャスト】
監督: ハロルド・ライミス Harold Ramis (Directed by)
製作: ジェーン・ローゼンタール Jane Rosenthal (producer)
    ポーラ・ワインスタイン Paula Weinstein (producer)
    レン・アマト Len Amato (executive producer)
    ブルース・バーマン Bruce Berman (executive producer)
    クリス・ブリガム Chris Brigham (executive producer)
    ビリー・クリスタル Billy Crystal (executive producer)
    バリー・レヴィンソン Barry Levinson (executive producer)
    スザンナ・ヘリントン Suzanne Herrington (co-producer)
    ローレル・ウォード Laurel A. Ward (associate producer)
原案: ケネス・ロネガン Kenneth Lonergan (characters)
    ピーター・トーラン Peter Tolan (characters)
脚本: ピーター・スタインフェルド Peter Steinfeld (written by)
    ハロルド・ライミス Harold Ramis (written by)
    ピーター・トーラン Peter Tolan  (written by)
撮影: エレン・クラス Ellen Kuras (Cinematography by)
編集: アンドリュー・モンシェイン Andrew Mondshein (Film Editing by)
音楽: デヴィッド・ホルムス David Holmes (Original Music by)
配役: エレン・シュノウェス Ellen Chenoweth (Casting by)
 
出演: ロバート・デ・ニーロ Robert De Niro ポール・ヴィティ
    ビリー・クリスタル Billy Crystal ベン・ソーベル
    リサ・クドロー Lisa Kudrow ローラ・マクナマラ・ソーベル
    ジョー・ヴィテレッリ Joe Viterelli ジェリー
    キャシー・モリアーティ Cathy Moriarty パティ・ロプレスティ
    ジョン・フィン John Finn リチャード・チャプリン
    カイル・サビー Kyle Sabihy マイケル・ソーベル
    キャリー・ソーン Callie Thorne セローネ諜報員
    ジェームズ・ビベリ James Biberi ミラー諜報員
    フランク・ジオ Frank Gio ルー・リガッツィ
    レグ・ロジーズ Reg Rogers ウウル・バーマン

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ストーリー展開の前知識やネタばれがお好みでない方は、読まないで下さい。
■映画『 アナライズ・ユー 』の「テキストによる映画の再現」レヴュー
 私は日本公開前に字幕スーパーなしの英語で観たので、わかる範囲でレヴューします。映画データについては調査した時点と公開される時点で異なる場合があります。本作の内容については、語学力と経験・常識不足のため、間違いや勘違いや適切でない表現があるかもしれません。どうかご理解賜りますようお願いいたします。また、リンクやメールをいただく場合はここを必ずお読みくださいますように。
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【アナライズ・ユー 第01段落】  ギャング映画的BGMに、内部抗争で撃たれる男。ライフルの銃口の火がイヤに何度もマンガチックに写るので、二流っぽい映画だなぁと思って見始めると、それは劇中劇だった。「 Little Caesar (リトル・シーザー)」というTVのマフィア番組で、それを見ていたのは刑務所のリクリエーション室の囚人たち。ここに収容されているポール・ヴィティ(ロバート・デ・ニーロ)はニューヨークのマフィアのドン。だから、TVのスイッチを消して怒鳴られても、ちょっと睨みをきかせれば皆、スミマセン、てな具合に大人しくなる。

【アナライズ・ユー 第02段落】  しかし、そんなポールは獄中でもいろいろと命を狙われる。深夜、寝静まっている頃、独房に看守が近づいて、盛り上がった布団を目掛けてサイレンサーで数発撃つ。そういう思いを常にしているらしいポールは、ベッドの下にじっと身を潜めているのだ。

【アナライズ・ユー 第03段落】  一方、ベン・ソーベル(ビリー・クリスタル)は成功している精神科医で、前作でフィアンセだったローラ(リサ・クードロー)と再婚している。このブロンド美人の新妻と 17 歳の息子マイケル(カイル・サビー)とニューヨーク郊外に立派な居を構えている。ちょうどベンの父親が亡くなり、ここは荘厳な葬式会場。遺族代表の挨拶を考えている時、ケータイが鳴る。ここで列席の誰も彼もが自分のケータイかとソワソワ動くころから、いかにもコメディが始まるという感じだ。電話は、刑務所内のポール・ヴィティからだった。殺されそうなのだと話すが、ベンは葬式の最中であるから素早く電話を切る。

【アナライズ・ユー 第04段落】  製作・出演のビリー・クリスタルは1992年MTVムービー・アワード<コメディ演技賞>受賞、
アメリカン・スウィートハート (2001) AMERICA'S SWEETHEARTS 』等に製作・脚本・出演、アカデミー賞司会、グラミー賞司会、と多才だ。TV「ジェイ・レノ・ショー」の最初のゲストでもあり、叔父は大レコード会社創設者、父親はコンサートのプロモータ及び有名レコード店経営。こういう環境で、ジャズの王様ビリー・ホリデイ Billie Holiday が自宅によく遊びに来て幼いビリー・クリスタルのベビーシッターをしてくれたそうだ。この映画のシリーズで精神科医に扮しているが、第1弾と第2弾のタイトル『 ANALYZE 〜 』というのは精神の「分析」をするからかな。

【アナライズ・ユー 第05段落】  また刑務所にシーンは戻る。食堂ではポールは他の囚人にナイフで刺されそうになる。すると、ポールは突然歌い出した。『 ウエスト・サイド物語 (1961) WEST SIDE STORY 』のオリジナルの歌「♪ PLAY IT COOL 」と「♪ TONIGHT 」。ポールは気が狂っていると判断されて、所内の別室に隔離された。そして、このマフィアのドンが異常との連絡を受けたFBIの諜報員ミラー(ジェームズ・ビベリ)とセローネ(キャリー・ソーン)の男女二人組が、精神科医ベンの自宅を訪れる。ベンは前作で、ポールのストレス性発作の治療を受け持っていたからである。

【アナライズ・ユー 第06段落】  「ポール・ヴィティから電話があった筈ですが」と言うFBIの二人に、またややこしい事に関わりたくないから知らばっくれるが、それは調査済み。仕方なく、ベンは刑務所のポール・ヴティの様子を見に行くことになった。刑務所に着くと、ベンは「♪ I FEEL PRETTY 」を歌っていて、尋常の様子ではない。「♪ MARIA 」も歌っている。声をかけても反応しないので、「トニー」と呼びかけると「おお、マリア」(『ウエスト・サイド物語』の悲恋の主人公の二人の名)と抱きついてくる始末だ。

【アナライズ・ユー 第07段落】  さて、映画に戻るが、ベンはポールを診察し、精神テストもしてみる。その結果をFBI長官リチャード・チャプリン(ジョン・フィン:
リトル・ダンサー (2000) BILLY ELLIOT 』等に出演)に持っていき、一時的な精神異常だと伝える。刑務所内で預かるのも難しいし、いつ治るという見込みもないし、また悪化しないとも限らない。それで、ベンが管理するという条件で釈放することになった。ベンが自宅で保護して面倒を見続けるというわけなので、息子に犬も飼ってはいけないと言ってあるし、おまけに父親が亡くなったばかりで大変だからと断ろうとする。しかし、長官は、民衆の中に正常でない男を野放しにすることもできないだろう、と圧力をかけた言い方で、ベンにOKさせる。

【アナライズ・ユー 第08段落】  釈放の日、ベンが刑務所の門まで車で迎えに行く。ポールは、乗った時は狂っているようだったが、発車するやいなや正常に戻って、出所するためによくも芝居して僕を利用したなとベンを怒らし、二人は口喧嘩。FBIオフィスでは、チャプリン長官と諜報員ミラーとセローネが、ポール・ヴィティに関して会議している。ポールは 12 歳の時に父親を殺され、それ以降、犯罪の道に手を染めてきた。だから十分に目を留めていかなければならないと。FBIは当面、ベンとポールを見張るつもりだ。

【アナライズ・ユー 第09段落】  ベンの瀟洒な邸宅に連れて帰ったポールを、ベンの妻ローラは迷惑がる。でも、ポールの妻と家族はオハイオにいるから(つまりとっても遠い田舎というニュアンス)ここにいさせるしかないのだと、ベンは妻に言い聞かす。立派なお屋敷内は、グチャグチャになってくる。先ず、息子の部屋にはガールフレンドがベッドに潜り込んで、父親ベンは気付かないし、ポールはポールで、コールガールを呼んで、派手にベッドで一夜を過ごす。それを咎めると、この家から出てはいけないと言ったからだと応酬する始末。冷静にさせて、書斎でベンとポールは話し合う。兎に角、誰が俺を殺そうとしているのかを突き止めなければならないというポール。それで、精神科医のベンは心理学的に質問していく。ポールは、マフィアのボスでなければ一体何になりたいか?又は、なりたかったか?すると、ポールは6〜7歳の頃、カウボーイになりたかった。12 歳の時に目の前で父親を暗殺され、恐怖でいっぱいだったと語るのだ。

【アナライズ・ユー 第10段落】  その時、窓に投石してきたのが、ポールの昔馴染みの部下ジェリー(ジョー・ヴィテレッリ:
愛しのローズマリー (2001) SHALLOW HAL 』等に出演)だった。大巨漢でこわい顔をしているが、なかなか味のある役者さんだ。この日から、ジェリーはポールの側近として行動する。そして、早速イタリア人のマフィアの溜まり場に行って、仲間と抱き合って再会をお互いに喜び合う。また、昔馴染みらしいパティ・ロプレスティ(キャシー・モリアーティ)という中年女性の所に行って、誰が殺そうとしているか見当がつくか訊く。あとは、いわゆる社会復帰の練習。自動車販売店では、トランクを開けて「死体三人は入れられます」というマフィア的怖〜い説明をしたり、セールス・トークをさんざんした後に購入を即決しない客の夫婦を脅したり(でも、これって販売側からしたホンネでしょうネ)。こういう可笑しなやり取りがこの映画は詰まっていて、色々な場面で笑わせられる。ベンの家に帰ると、ベンはポールに一日目の報告をさせる。

【アナライズ・ユー 第11段落】  翌日、また社会復帰の練習の宝石店では、ダイヤのランクの説明を適当にするし、何を見ても犯罪と結びつけた空想に浸ったり。レストランでは、待ち時間の長さに文句を言う客を追い帰したり、客の口にパンを押し込んだり。社会復帰はなかなかである。家でもグウタラしている。そんなポールに、ベンの妻は去ってくれと言い、ジェリーに付き添われてポールは出て行く。しかし、ベンは許さない。彼が自宅で管理する約束で釈放になったのだから。

【アナライズ・ユー 第12段落】  夜、寿司屋に行く。ベン夫妻と、ポールと、あとニ、三人でテーブルを囲んでいる。ここで、冒頭のTVシリーズ番組「 Little Caesar 」が結びついてきた。このギャング番組の監督のウウル・バーマン(レグ・ロジーズ)が同席しており、ポールに、本物のマフィアとして技術指導なりで参加して欲しいと持ちかける。ポールは快諾し、一同和やかに会食していると、一発の銃声が。ポールを狙って撃ってきたのだ。そのチンピラは、ポールの組と敵対するルー・リガッツィ(フランク・ジオ)の組の者で、狙撃に失敗したと知ってドンのリガッツィはその男を射殺する。そして、ほくそ笑むのだ。「ポール・ヴィティは殺しにくい奴だが、不死身ではない。いつかは殺せる。」

【アナライズ・ユー 第13段落】  早速、TVの収録現場にポールはジェリーを伴って楽しそうにやって来た。撮影のロケの近くにはトレーラーがいくつかド〜ンとあり、主だった俳優達は一人ずつそこで楽屋として化粧や衣装直しをしたり、食事をしたり、トイレに行ったりして、プライバシーを保たれている。
バリスティック (2002) BALLISTIC: ECKS VS. SEVER 』にも書いた事が、丁度この『アナライズ・ユー』で観られてハッピー!ポールはありとあらゆる調度品を持ち込み、女性二人まで"持ち込み"している。

【アナライズ・ユー 第14段落】  非常に臨場感があって、観ていて楽しい。これも、この作品に携わっている各種の部門の人達の実力だろう。編集のアンドリュー・モンシェインは
シックス・センス (1999) THE SIXTH SENSE
サイダーハウス・ルール (1999) THE CIDER HOUSE RULES
ショコラ (2000) CHOCOLAT 』を、配役のエレン・シュノウェスは
マディソン郡の橋 (1995) THE BRIDGES OF MADISON COUNTY 』を、製作デザインのウィン・トーマスは
マーズ・アタック! (1996) MARS ATTACKS! 』を、美術関係のアダム・シャーは
ザ・ロイヤル・テネンバウムズ (2001) THE ROYAL TENENBAUMS 』を創ってきた一流の人材である。

【アナライズ・ユー 第15段落】  その頃、街で普段着で買い物帰りのベンは、黒塗りベンツに押し込められて連れ去られた。そして、ギャング達に、一体ポール・ヴィティをどうしたいのかと尋問され、彼を変えたいのだと答えると、変えてはいけないと脅される。ここにはパティ・ロプレスティもいた。女のボスのようである。そして、その女はロケ現場に赴き、ポールとひそひそ話している。彼らは何か企んでいるのでしょう?とパティは話している。この女性はポール側のようだ。次は、ロケ現場にドン・リガッツィが訪れ、共同で仕事をしようと持ちかけてくる。セットの準備ができて撮影を進ませたいのに、ポールに客ばかり来ていっこうにはかどらず、監督はイライラ。

【アナライズ・ユー 第16段落】  ベンがポールの様子を見にロケ現場に来てみると、さっき自分を誘拐した女性ボスのパティ・ロプレスティが来ているし、ギャングどもがうじゃうじゃしているので、かんしゃくを起こす。その上、屋上から吊るされる役までさせられてベンはおカンムリだ。その後、ベンの車にポールを乗せて帰途に着くと、黒の大型ベンツが尾行してくるのにポールは気付いた。流石、ギャングだから、そういう面は鋭い。スピードを上げても追ってきて、リアガラスを撃ち抜かれた。それで、運転をポールに変えて、カーチェイス。次は"素人"ベンが投げた新聞紙がベンツのフロントガラスを塞いで、ベンツは波止場から海へ落っこちた。ポールはすぐに姿を消す。そこに現れたパトカーとFBI。長官のチャプリンは、 24 時間以内にポールを探せとベンに命じる。

【アナライズ・ユー 第17段落】  この映画、リズムかあって、軽快に二人の熟練した笑いがあり、いかにも都会的なコメディだ。製作陣を見れば、随分と力が入れられていると分かる。製作総指揮のバリー・レヴィンソンは
バンディッツ (2001) BANDITS
抱擁 (2002)POSSESSION 』を、ブルース・バーマンは
デンジャラス・ビューティー (2001) MISS CONGENIALITY
スパイダー パニック! (2002) ARAC ATTACK / EIGHT LEGGED FREAKS
プルート・ナッシュ (2002) THE ADVENTURES OF PLUTO NASH
ゴーストシップ (2002) GHOST SHIP
ドリームキャッチャー (2003) DREAMCATCHER
マトリックス・リローデッド (2003) THE MATRIX RELOADED 』と、まさにヒット作品ばかり手掛ける面々だから。

【アナライズ・ユー 第18段落】  車をボコボコにされ、しかもFBIに証拠物件として取り上げられてしまったベンは、タクシーで帰宅する。すると、グウタラ息子マイケルが、人が変わったように背広姿になって、ポールさんの運転手をすることになったと張り切っているではないか。息子にポールの行き先を白状させて、ベンは妖しげなクラブへ向かう。するとポールがいたが、どうなっているんだ?と訊くベンに、危ないから来るんじゃない、怪我をするぞ、とポールは言う。実は、金塊を積んだトラックを乗っ取る計画をしているのだ。それを盗み聞きしていたベンはギャングに見つかり、殺されそうになるが、ポールが庇(かば)う。「俺が責任を取る」と、渋くカッコよく。精神科医ベンに保護されていたのと逆転だ。・・・

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◆ここからは、結末まで書いていますので、ストーリー全体が分ります。御注意下さい。
 ATTN: This review reveals the movie content. Please don't say that I didn't say !


【アナライズ・ユー 第19段落】  金塊を積んだトラックを襲撃し、50個だけ取る。これだけでも莫大な額(何億円?何兆円?)と聞いて、ベンはこんなギャングのする事に慣れていないからワクワクしてくる。でも、撃ち合いや煙に包まれ、怖い思いをしてくると我に帰って「刑務所に入れられてしまう!死んでしまう!」と喚き出す。そして、こういう現実離れした場で、突如としてこんな事を言い出すのだ。「僕は父親が死んでしまってあたふたしているけれど、君は 12 歳で、しかも目の前で父親をバンバンと撃たれて殺されたんだよね。だから僕の十倍もショックだっただろう。」そう言ってもらえて、大の大人のポールは顔をくしゃくしゃさせて涙を流す。それを一緒に悲しんであげるベン。前作の続きだけあって、マフィアと医師という二人の奇妙な友情はそのままだ。

【アナライズ・ユー 第20段落】  そこにポールを撃とうと男が襲ってくると、ベンは火事場の何とかみたいに、勇気百倍、拳骨でその男を殴り倒すのだ。初めて男らしい事をして、ポールもベンも、やったね!という合図。そのトラック襲撃の場の外では、撮影隊とリガッツィのギャングが混乱して、どけどけと押し合いへし合いしている。そこに機動隊やパトカーが来るが、その時には、市バスに乗ってしまっているポール達。ジェリーは運転手、ポールとベンとポールの組の者たちは乗客のふりをしてちゃっかり逃走。リガッツィの組の者は逮捕されている。翌朝のニュースでは、FBI長官のチャプリンがこの事件を声明し、悪いリガッツィ組を一網打尽にできたことを喜んで報道している。

【アナライズ・ユー 第21段落】  ポールは故郷オハイオに帰って暫く隠れておくと言い、ベンに感謝する。ニューヨークのマンハッタンを見渡せる波止場でベンとポールはお別れ。ロケは大部分がNYで、一部ロサンゼルス、そして恐らくこのラストシーンはニュージャージー州、マンハッタンの対岸の所だろう。ポールと、連れのジェリーが、また『ウエスト・サイド物語』の歌を歌い始め、ベンもそれにつられて大声で歌う。「♪… somehow,someday,somewhere …」。このように 40 年以上も前の映画『ウエスト・サイド物語』を前半にも、ラストにも、こんなに前面に出すのは何故なのだろう?ニューヨークは同時多発テロで大打撃を受け、ロバート・デ・ニーロはその復興に力を入れているリーダー的人物だからかもしれない。NYが舞台の『ウエスト・サイド物語』をアピールして、世界の皆にNYに再度目を向けて欲しいという願いだろうか。

以上。
<もっと詳しく>からスペースを含まず6739文字/文責:幸田幸

参考資料:「映画の森てんこ森」映画タイトル集
       http://www.coda21.net/eiga_titles/index.htm
      IMDb
      allcinema ONLINE
      Nostalgia.com
      CinemaClock.com
      公式サイト(英語版)
       http://analyzethatmovie.warnerbros.com/teaser.html
■映画『 アナライズ・ユー 』の更新記録
2003/01/24新規: ファイル作成
2004/12/28更新: ◆一部テキスト追記と書式変更
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幸田 幸
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