プール
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プール (2002)
SWIMFAN / SWIMF@N
 映画『 プール (2002) SWIMFAN / SWIMF@N 』をレヴュー紹介します。

 映画『 プール (2002) SWIMFAN / SWIMF@N 』を以下に目次的に紹介する。
■映画『 プール (2002) SWIMFAN / SWIMF@N 』のポスター、予告編および映画データ
■映画『 プール (2002) SWIMFAN / SWIMF@N 』の解説
 ネタばれをお好みでない方はこの解説をご覧下さい。
■「映画の森てんこ森」内にあるホラー・スリラー映画レヴュー
■映画『 プール (2002) SWIMFAN / SWIMF@N 』のスタッフとキャスト
■映画『 プール (2002) SWIMFAN / SWIMF@N 』の<もっと詳しく>
 <もっと詳しく>は映画『 プール SWIMFAN / SWIMF@N 』の「テキストによる映画の再現」レヴュー(あらすじとネタバレ)です。※ご注意:映『 プール (2002) SWIMFAN / SWIMF@N 』の内容やネタバレがお好みでない方は読まないで下さい。
■映画『 プール (2002) SWIMFAN / SWIMF@N 』の結末
■映画『 プール (2002) SWIMFAN / SWIMF@N 』の更新記録

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幸の鑑賞評価: 8つ星 
■映画『 プール (2002) SWIMFAN / SWIMF@N 』のポスター、予告編および映画データ
プール
プール

Links:  Official Web Site
Trailers:
上映時間 Runtime: 1:25
製作国 Country: アメリカ USA
製作会社
Production Company:
Cobalt Media Group
Forrest Films [us]
Further Films [us]
GreeneStreet Films Inc. [us]
全米配給会社 Distributer: Twentieth Century Fox Film Corp. [us]
全米初公開 Release Date: 2002/09/06
日本初公開 R. D. in Japan: 2003/03/21 予定
日本公開情報 : FOX
ジャンル Genre: スリラー/ドラマ
Thriller / Drama
MPAA Rating 指定: Rated PG-13 for mature thematic elements, sexual content, disturbing images and language.
日本語公式サイト
http://www.foxjapan.com/movies/pool/
●スチルはnostalgia.com、予告編はcinemaclock.comより許諾をえて使用しています。
Filmography links and data courtesy of The Internet Movie Database & Nostalgia.com.
Filmography links and data courtesy of CinemaClock Canada Inc.
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■映画『 プール SWIMFAN / SWIMF@N 』の解説

 映画『 プール (2002) SWIMFAN / SWIMF@N 』はタイトルが示すように水泳選手にまつわるスリラー。将来を約束された高校生の競泳の星は、ガールフレンドともうまくやって何不自由なく充実した高校生活を送っていた。それが、ある日、偶々知り合った魅惑的な新入生につい心を奪われて一度だけ関係してしまう。するとその女性はストーカーの如く彼に執拗につきまとい、過度の「ファン」となる。映画『 プール 』の主人公の性別と年代は異なるが、ロビン・ウィリアムズの
ストーカー (2002) ONE HOUR PHOTO 』や、古くはマイケル・ダグラスの『 危険な情事 (1987) FATAL ATTRACTION 』等、これは普遍的な映画のテーマなのかもしれない。
 映画『 プール 』の監督ジョン・ポルソンは
M:I−2 (2000) MISSION: IMPOSSIBLE 2 』出演など俳優業の方が多い人物。映画『 プール 』の主演のジェシー・ブラッドフォードは
ロミオ&ジュリエット (1996) ROMEO + JULIET 』に端役出演など、将来有望な若手俳優である。映画『 プール 』の原題は" Swimf@n "とも表す。

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■「映画の森てんこ森」内にあるホラー・スリラー映画レヴュー

13ゴースト (2001) THIR13EN GHOSTS / 13 GHOSTS
バイオハザード (2001) RESIDENT EVIL
ドニー・ダーコ (2001) DONNIE DARKO
レッド・ドラゴン (2002) RED DRAGON
ゴーストシップ (2002) GHOST SHIP
タイムマシン (2002) THE TIME MACHINE
マーダー・ライド・ショー (2003) HOUSE OF 1000 CORPSES 』等があります。
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【『 プール 』のスタッフとキャスト】
監督: ジョン・ポルソン John Polson
製作: ジョセフ・M・カラチアロJr. Joseph M. Caracciolo Jr.
    ジョン・ペノッティ John Penotti
    アリソン・リオン・シーガン Allison Lyon Segan
製作総指揮: フィッシャー・スティーヴンス Fisher Stevens
    ティム・ウィリアムズ Tim Williams
脚本: チャールズ・F・ボール Charles F. Bohl
    フィリップ・シュナイダー Phillip Schneider
撮影: ジルズ・ナツゲンズ Giles Nuttgens
編集: セイラ・フラック Sarah Flack
音楽: ジョン・デブニー John Debney
    ルイス・フィーブル Louis Febre
配役: アマンダ・ハーディング Amanda Harding

出演: ジェシー・ブラッドフォード Jesse Bradford ベンジャミン・クローニン
    エリカ・クリステンセン Erika Christensen マディソン・ベル
    シリ・アプルビー Shiri Appleby エイミー・ミラー
    ケイト・バートン Kate Burton カーラ
    クレイン・クロフォード Clayne Crawford ジョシュ
    ジェームズ・デベロ James DeBello クリストファー・ダンテ
    ダン・ヘダヤ Dan Hedaya シムキンズ・コーチ
    マイケル・ヒギンズ Michael Higgins ティルマン氏
    ニック・サンダウ Nick Sandow ジョン・ザベル刑事
    モンロー・マン Monroe Mann ジェイク・ドネリー
    パトリシア・レイ Patricia Rae ジェイク・ドネリーの担当看護婦
    パメラ・アイザックス Pamela Isaacs イーガン夫人
    フィリス・サマヴィル Phyllis Somerville グレッチェン伯母さん
    トム・カパドナ Tom Cappadona 守衛

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ストーリー展開の前知識やネタばれがお好みでない方は、読まないで下さい。
■映画『 プール 』の「テキストによる映画の再現」レヴュー
 私は日本公開前に字幕スーパーなしの英語で観たので、わかる範囲でレヴューします。映画データについては調査した時点と公開される時点で異なる場合があります。本作の内容については、語学力と経験・常識不足のため、間違いや勘違いや適切でない表現があるかもしれません。どうかご理解賜りますようお願いいたします。また、リンクやメールをいただく場合はここを必ずお読みくださいますように。
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【プール 第01段落】  チェロを奏でるBGMに、若い男女の木陰の車中のラブ・シーン。そばを車が一台通り過ぎる。この映画のロケはニューヨーク州やニュージャージー州だそうだから、ごく一般的な郊外の小さな町の佇まい。そして水色の" Swimfan "というタイトルが、キラキラ煌く水面のように美しく浮かび上がる。この映画を象徴するプールのイメージだ。

【プール 第02段落】  室内プールでクロールの練習をしているのはベンジャミン・クローニン(ジェシー・ブラッドフォード)。コーチのシムキンズ先生(ダン・ヘダヤ)以外は、みんなベンと愛称で呼んでいる。コーチ役のダン・ヘダヤは
ユージュアル・サスペクツ (1995) THE USUAL SUSPECTS 』にも登場していた。ベンは高校の最終学年生。水泳選手としてトレーニングを受けながら高校生活をごく普通に、明るく楽しく若者らしく過ごしている。今度の競技会で優勝すれば大学の奨学金も保証され、友人達にお祝いの言葉をかけられている。

【プール 第03段落】  冒頭の車で抱き合うシーンは、ガールフレンドのエイミー・ミラー(シリ・アプルビー)とベンだった。ベンは登下校は自分の車、頑丈なピックアップでだ。アメリカは普通自動車運転免許証は 16 歳から取得できるので、ベンも当然、何でも車で移動するのだ。両親が運転免許証がない場合とか、病気で通学困難な場合とか、バスや地下鉄等の交通機関が整っていない広大な地域の州などでは 15 歳から取得可能。これがアメリカだ。エイミーとベンは相思相愛の同級生カップルで、エイミーは、高校卒業後、自分もバークレー(ベンは奨学金でUCLAに進学できそうだから)に住めば一緒にアパートで暮らせるわね、と乙女らしい夢を語る。二人で無邪気に笑い合い抱き合う仲の良い二人だ。

【プール 第04段落】  エイミーに扮するシリ・アプルビーは身長 158 cm で黒髪の小柄な女優だから 24歳 でも高校生役をして平気。派手でなく平均的な女子高校生をさらりと演じている。ベンジャミン役のジェシー・ブラッドフォードも 171 cm と米国人にしては小柄だから 23 歳でもそう見えない。ただし、高校生にしては髭が濃いけど…。ジェシー・ブラッドフォードは『 ロミオ&ジュリエット 』で主役レオナルドディカプリオの陰で出演しているだけで、メジャー映画はこれくらい。でも綺麗な顔をしているし、両親がCF出演専門のタレントだったせいで赤ん坊の頃からCFに、そして映画にと出演し続けている。今に急にブレイクするかも。

【プール 第05段落】  この映画は出演者もマイナーな俳優達だし、セットも要らず、学校や街並そのままの撮影で済んでいるいわゆる低予算映画の代表格だろうが、アメリカでは封切されるや興行成績 8 〜 10 位に入る大健闘で一躍世間の注目を浴びた。なるほど俳優達は目立たない名前だが、陰で支えるスタッフは結構時流に乗る人たちが名を連ねているのだ。製作のジョン・ペノッティは
イン・ザ・ベッドルーム (2001) IN THE BEDROOM 』製作総指揮。製作総指揮ティム・ウィリアムズは
レナードの朝 (1990) AWAKENINGS 』も製作助手をしていた。音楽のジョン・デブニーは
タキシード (2002) THE TUXEDO 』でも音楽担当。配役のアマンダ・ハーディングは
タイムマシン (2002) THE TIME MACHINE
トータル・フィアーズ (2002) THE SUM OF ALL FEARS
ウインドトーカーズ (2002) WINDTALKERS 』等、最近のメジャー作品でも配役を担当している。

【プール 第06段落】  ベンはまた、病院の雑用係のアルバイトもしている。授業が終わり、水泳練習も終わった後、夜遅くにしているのだ。「ベンジャミン・クローニン」だけあって「苦労人」?イヤイヤ、これは冗談…。薬を各病室に配ったりする仕事で、病室の老人患者ティルマン氏(マイケル・ヒギンズ)にはエロティックなトランプを買ってきてあげて喜ばれる。この老人とは親しく言葉を交わし、今度の選手権が上手くいくようにと励まされる。こういう、ごく健康的な明るい気のよい青年として描かれる。家では母親と飼い犬一匹との暮らし。映画の終盤で明かされるが、父親は別に女性を作って離婚したので、母親一人の仕事に、高校生ベンもアルバイトを少しでもして助けているのだと思う。母カーラ役のケイト・バートンは
運命の女 (2002) UNFAITHFUL 』のダイアン・レインの友人トレイシーの役をしている。

【プール 第07段落】  ある昼下がり、高校の廊下に並ぶロッカーで、女子新入生のマディソン・ベル(エリカ・クリステンセン:
バンガー・シスターズ (2002) THE BANGER SISTERS
ママが泣いた日 (2005) THE UPSIDE OF ANGER 』)がロッカーを開けられなくて、丁度廊下を一人だけ歩いていたベンに開けるのを頼む。自分のカーリーな豊かなブロンドの長い髪(黒髪の地味なエイミーと対照的)を留めていたヘアピンをベンに渡して鍵をこじ開けてもらい、そのピンは持っていて、なんて言う。そしてベンの名前は既に知っていた。競泳のスターであるし容姿も彼女好みだったのだろう。ここは本当の高校の中らしい。ロケはニュージャージー州北東部のベイヨーンという港市のベイヨーン高校で行なわれた。

【プール 第08段落】  さっきの新入生マディソンは(実際の年齢は 20 才)見た目も派手で、肉体も豊満で、悪い気がしなかったベンは、下校の車を運転中、後姿がマディソンに似ている女性に目が行って、気がつくと目の前に当のマディソンがいた。あやうく車で轢きそうになったことを謝って、彼女を家まで車で送る。豪邸である。帰宅すると、車に彼女の忘れ物があるのに気付き、電話して届けに行く。彼女はチェロを弾くそうで、その楽譜を書いたノートだった。映画冒頭のチェロは、このマディソンだったのか。いわゆる三角関係を端的に見せていたんだ。マディソンの豪邸に行くと、クリストファー・ダンテ(ジェームズ・デベロ)という度のきつい眼鏡をかけたクセのある大きな男(親戚か同居人?)が玄関先に出てきた。邪険に扱うクリストファーをマディソンは咎めて、ベンとマディソンは軽食をしに外出することに。

【プール 第09段落】  ここで二人は軽く自己紹介し合う。ベンは水泳をしていれば嫌な事は忘れられると。マディソンは、チェロを弾いていれば嫌な事は忘れられると。そして、勘違いされないように、ベンはエイミーというガールフレンドがいることを照れながら伝える。一方、それを聞いたマディソンは、ニューヨークに私を待っている人がいるから心配しないでと言う。それから自宅に車で送ろうとすると、先に行きたい所があると言う彼女。次のシーンは、夜の室内プールだ…。こうやって振り返ってみると、マディソンがベンにしたことは全て計算の上の行動だった。ロッカーを開けられない仕草も芝居、車に轢かれそうになったのも計画的、忘れ物をしたのもベンをおびき寄せる為…。

【プール 第10段落】  夜の室内プールは何とも言えない幻想的雰囲気。いつもはベンたちが競泳の練習をしている活気あるプール。今は、暗〜い中にほんのりとした明かりがあるだけ。そこでベンが泳ぐのを見せ、マディソンはヘリのタイルに腰掛けて見ている。(この時は服を着ていた。)するとブラだけになった豊満な体で水に入ってきて、私泳げないから教えて、とベンに言う。O…OKとたじたじとなってベンは応え、向かい合う形で手に手をとって水の中をゆっくり進む。プールの端に来てしまった。マディソンの本性が現れる。ベンを燃え上がらせ、" I love you. "とまで囁かせてしまった。もう彼女のペース。いけない、いけない、僕にはエイミーが、と躊躇するベンを誘惑して、水の中で二人は一体になった…。帰途の車内で、このことは誰にも言わないでとベンは釘を刺し、マディソンもお友達のままでいましょうねと言って、別れる。

【プール 第11段落】  翌日、プールでは、競泳の練習中、昨夜のこの同じプールでの熱い行為を思い出して、コーチに集中しろと叱られる。これは序の口。これから大変なことが起こり始めるのだ。招待した筈のないパーティにマディソンは突然姿を現して、恋人エイミーの手前、ドキドキさせる。コンピュータにはメールが来て、くどいチャットをしてベンを嫌がらせる。ここで " Swimfan has logged out. (スイムファンはログアウトしました。)"というマディソン。タイトルの言葉だ。コーチに指導されている間にもポケベルが何度も鳴って指導を中断させ、コーチを怒らせる。今時、ケータイ文化だと思っていたが、高校生の役ということで?この映画ではポケベルが何度も登場するのだ。

【プール 第12段落】  教えたつもりなかったのに誕生日だからとマディソンは花束を持ってベンの自宅に親しげに押しかける。母親は、「一体あの人だれ?」この時、壁に掛けたベンの車のキーを持ち帰ってスペアキーを作ってしまう。 SWIMFAN (彼女)からEメールが 81 通も来ている。それに自分で写した裸体まで添付ファイルにして。プールのロッカールームにまで入ってきて付きまとう。ベンは相当頭に来て、「根本的に二人の関係を誤解していると思う、僕にはエイミーがいるんだ」ときつく言い放つ。

【プール 第13段落】  夜の病院のアルバイト。患者のティルマン老人は、いつもとベンの様子が違うのに気付き、競技会が近づいてプレッシャーがあるのかと気遣う。その直後、緊急のベルが鳴り響き、患者の病状が急変する。これは、ベンが廊下に置いていたワゴンの上の薬に何者かが劇薬を混入したからだった。ワゴンのそばを決して離れないという病院規定を破ったベンの不始末ということで、ベンはアルバイトを首になってしまった。ベンはマディソンに、もう少しで人を殺すところだったと怒って伝える。

【プール 第14段落】  エイミーとはこの頃、何となくぎごちない間柄になっているので、彼女には真実を伝えなきゃ、と思った日、一足先に知らされてしまった。直接謝って知らせれば、好き同士の二人だから元通りになるかもしれない。でも他人の告げ口ほど当人を傷つけるものはない。エイミーは「なぜなの?」とだけ言って泣いて去って行く。

【プール 第15段落】  水泳競技会当日。コースに並んだ選手達の中に、優勝を当確視されているベンが中央にいる。観客席には母が。それにマディソンもいる。すると、競技委員達がヒソヒソ話し合ってベンに近づく。何と、ベンは薬物検査(ドーピング)で陽性反応が出たので競技から降ろされてしまった。試合直前に控え室で飲んだ水の容器に薬物が混入されていたのだ。この日の為に練習してきたのに!将来も約束されていたと言うのに!結局、一位は練習仲間のジョシュ(クレイン・クロフォード:
ウォーク・トゥ・リメンバー (2002) A WALK TO REMEMBER 』でディーンの役)にさらわれた。しかも、一番の身内の母親からも嘘をついてはいけないと言われ、ベンはショック。夜、ベンはエイミーと会って、あれをやったのはマディソンに違いないと、悔しく苦しい胸の内を話すが、エイミーは泣くだけ。・・・

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◆ここからは、結末まで書いていますので、ストーリー全体が分ります。御注意下さい。
 ATTN: This review reveals the movie content. Please don't say that I didn't say !


【プール 第16段落】  冒頭の車中のラブ・シーンとそっくりな光景。抱き合いながら、ベン、ベンと金髪のマディソンが発する。でも、相手はベンではない。優勝したジョシュだ。ジョシュは流石に怒って、彼女の車から降りて去って行く。彼女は必死に留めておこうとするが。果たして、その後、頭を殴られてプールに浮かぶジョシュの死体。マディソンは、ベンとの一回だけの関係で、当初は片思いのように執拗にストーカー的言動をするだけだったのが、病院の件以来、危険で破壊的な行動を続けている。それが遂に殺人にまでエスカレートしてしまった。

【プール 第17段落】  ベンは証拠を得るために、マディソンの家に侵入する。彼女は丁度、ゲスト達にチェロの演奏を聴かせているところだ。クロゼットや引出しを開けると証拠が次々に出てくる。医師の白衣と偽バッジ。ドーピングで引っかかった薬剤。親しそうに映っている二人の写真。ベンの水泳関係の新聞記事と写真の切り抜き。そこに、クリストファーが出し抜けに部屋に入ってきて、ベンは見つかってしまう。しかし、クリストファーはわめいたり非難したりしない。彼女に見つかったら殺されてしまうと教えて、匿う。何か訳がありそうだ。クリストファーはベンに、見たこともない男の新聞切り抜きの入った小箱を渡して、ある所に車で案内する。

【プール 第18段落】  着いた先は修道尼のいる療養所か病院のような所。その新聞切り抜きの男性はジェイク・ドネリー(モンロー・マン)という、もとロールズヴィル軍の野球選手だった。案内された病室には、人工呼吸器で辛うじて生き長らえている、意識不明のまま眠るだけの痛々しい姿の男があった。ベッド脇には数々のトロフィーやチーム旗が飾られ、かつてのこの男の栄光を垣間見ることができる。担当看護婦(パトリシア・レイ)の話によると、シートベルトをしていなかったのでこんな重態になって運ばれたらしい。それを運んできたのは、一緒にいて不思議にも無傷のマディソン・ベルという女性だと話してくれた。あ〜ぁ、マディソンがニューヨークに私を待っている人がいると言ったのは、このことだったのか…。マディソンが無傷だったということは、やはり、ジェイク・ドネリーも彼女が片思いの上、殺そうとしたのだろう。何とも恐ろしい女性だ。いや、一種の病気か?

【プール 第19段落】  その頃、エイミーがスクーターに乗っている。マディソンは、スペアキーを作って持っているベンのピックアップに乗り込んで、エイミーを追う。そして、頑丈なその車体で、エイミーに追突!エイミーが担ぎ込まれた病院から、ベンの母親がベンにポケベルを鳴らし、エイミーの惨事を切羽詰って教える。更に、ベンの車だから容疑がベンにかかっていることも知らせてやる。母親は真剣だ。しかし、マディソンの動きは速い。白衣を着て病院に侵入し、メスを握り締めてエイミーの病室に向かっている。

【プール 第20段落】  その時、病院の館内放送で「ジェイク・ドネリーさん、ジェイク・ドネリーさん」というアナウンス。そして廊下でジェイク・ドネリーらしき姿の男を目撃し、地下の駐車場に追っていく。このジェイク・ドネリーに見えた男は、実はクリストファーで、ジェイクの当時の野球帽とロールズヴィル軍のスタジャンに身を包んでマディソンを誘い出したのだ。気付いてメスで殺そうとする彼女を、ベンが取り押さえ、警官達も急行して、マディソンはやっと逮捕された。ジョシュも殺し、エイミーも殺そうとした犯人だ。ジョン・ザベル刑事(ニック・サンダウ)はベンに、容疑をかけてすまなかったと詫びる。手錠を掛けられてパトカーで連行される時、どこまでもしぶとく強いマディソン。隙を見て警官を…。

【プール 第21段落】  無事だったエイミーを病室に見舞うベンは、謝って、彼女の枕の横に甘えて寄り添う。ベンの父親は別の女性に走って母を捨てたので、僕は決して父の二の舞をしないと自分自身に誓ったのに、こんな過ちを犯してしまってゴメン、と。これでハッピー・エンド…。よかった、ホッ。

【プール 第22段落】  夜、ベンの自宅にチャイムが鳴る。母は用事をしているのでベンがポーチまで出ていく。そこにはパトカーが来ていて、無線の音声がたくさん聞こえてくる。でも降りてこないなァ。ベンが家の中に戻ると、突然、頭を殴られ、母親も倒れている。マディソンがパトカーの警官二人を殺して、その足で今、ベンの家に侵入したのだった。そしてまたすぐに出ていったようだ。電話は繋がらない。ベンはすぐにエイミーの病室に急ぐが、ベッドは空。そこにポケベルに連絡があり、プールに来るようにと。

【プール 第23段落】  エイミーはマディソンに捕まって、プールの向こうの端で車椅子にくくりつけられている。それを、マディソンは冷酷無情にも、プールに突き落とす。ベンはこちらの端から服のまま飛び込んで、恐らく生涯最高のスピードで水中のエイミー目がけて泳ぎ進む。車椅子に手錠でくくられているエイミーはもう溺れて生命が危うい。その間もマディソンは棒状の物で二人を突くのを、ベンは水中に引きずり込んで格闘。ここでベンが服から取り出したピンは、皮肉にも、ロッカーを開けるのにマディソンがくれたヘアピンみたい。これで手錠の鍵を外し、水上にエイミーを上げられた。人工呼吸をしている間、プールではマディソンはバチャバチャもがいている。彼女は本当に泳げなかったのだ。エイミーが意識を取り戻したときには、マディソンはプールで浮いていた…。最後までイイところなしのマディソン・ベルであった。

【プール 第24段落】  風景は急に明るくなって、愛車にエイミーを乗せるベン。エイミーは回復し、二人の仲も直っている。ここでやっと本当のハッピー・エンド。

以上。
<もっと詳しく>からスペースを含まず7109文字/文責:幸田幸

参考資料:「映画の森てんこ森」映画タイトル集
       http://www.coda21.net/eiga_titles/index.htm
      IMDb
      allcinema ONLINE
      Nostalgia.com
      CinemaClock.com
      公式サイト(英語版)
      http://www.swimfanmovie.com/
      http://www.sannichi.co.jp/MAIL/HAKUSHU/021101/021101.html

いつも参考にしておりますallcinema ONLINE さんには、2003年1月11日の時点で[ 解説 ]は出ていませんので、これをアップしました。Thanks to allcinema ONLINE.
■映画『 プール 』の更新記録
2003/01/11新規: ファイル作成
2004/07/09更新: ◆テキストとリンク一部およびファイル書式
2004/12/29更新: ◆一部テキスト追記と書式変更
2005/10/06更新: ◆追記
2006/03/28更新: ◆データ追加
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幸田 幸
coda_sati@hotmail.com
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