千と千尋の神隠し
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千と千尋の神隠し (2001)
SPIRITED AWAY
 映画『 千と千尋の神隠し (2001) SPIRITED AWAY 』を紹介します。

映画『 千と千尋の神隠し (2001) SPIRITED AWAY 』の解説
  ネタばれをお好みでない方はこの解説をご覧下さい。
映画『 千と千尋の神隠し (2001) SPIRITED AWAY 』以外のアニメ
映画『 千と千尋の神隠し (2001) SPIRITED AWAY 』の「テキストによる映画の再現」レヴュー(あらすじとネタばれ)ご注意:『 千と千尋の神隠し (2001) SPIRITED AWAY 』の内容やネタばれがお好みでない方は読まないで下さい。
映画『 千と千尋の神隠し』の発端となった児童書「霧のむこうのふしぎな町」
映画『 千と千尋の神隠し』のストーリー
映画『 千と千尋の神隠し』の感想(ネタばれご注意)
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【『 千と千尋の神隠し (2001) SPIRITED AWAY 』の解説】
千と千尋の神隠し
千と千尋の神隠し

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 映画『 千と千尋の神隠し (2001) SPIRITED AWAY 』は、2001年日本アカデミー賞の作品賞、 2002 年ベルリン国際映画祭の金熊賞、LA及びNYの批評家協会賞のアニメーション賞に輝き、米アカデミー賞で長編アニメ賞受賞の呼び声も高い( 2003 年3月上旬現在)宮崎駿監督作品。「映画の森てんこ森」初の日本映画レヴューを書くのは、やはり映画『 千と千尋の神隠し』の受賞を願う気持ちからです。是非オスカーをGETして欲しいなぁ!〔追記:『 アイス・エイジ (2002) ICE AGE 』『 リロ&スティッチ (2002) LILO & STITCH 』『 スピリット (2002) SPIRIT: STALLION OF THE CIMARRON 』『 トレジャー・プラネット (2002) TREASURE PLANET 』といったノミネート作品と競い合った結果、 2003 年アカデミー長編アニメ賞受賞!おめでとうございます!〕
 映画『 千と千尋の神隠し』の千尋(声:柊瑠美)は、ごく普通の 10 歳の日本の女の子。彼女は父親(声:内藤剛志)と母親(声:沢口靖子)と一緒に、引越し先の田舎の住宅地の新居へと車で向かう途中、道に迷って森の中に入り込んでしまう…。
 木村弓さんが歌う、映画『 千と千尋の神隠し』の主題歌「いつも何度でも」は、映画に独特の雰囲気を添えている。映画『 千と千尋の神隠し』の宣伝をTVで観たとき、子供の時に読んだ本「霧のむこうのふしぎな町」(著:柏葉幸子、出版:講談社青い鳥文庫)を思い出した。後で本作の発端となった作品だと知り、驚いた。
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■映画『 千と千尋の神隠し (2001) SPIRITED AWAY 』以外のアニメ
 「映画の森てんこ森」では、2004年12月5日更新現在、こんなアニメーション映画も解説やレヴューを書いています。

ナイトメアー・ビフォア・クリスマス (1993) THE NIGHTMARE BEFORE CHRISTMAS
プリンス&プリンセス (1999) PRINCES ET PRINCESSES (原題) / PRINCES AND PRINCESSES (英題)
シュレック (2001) SHREK
千と千尋の神隠し (2001) SPIRITED AWAY
アイス・エイジ (2002) ICE AGE
スクービー・ドゥー (2002) SCOOBY-DOO
スピリット (2002) SPIRIT: STALLION OF THE CIMARRON
トレジャー・プラネット (2002) TREASURE PLANET
ピーター・パン2/ネバーランドの秘密 (2002) RETURN TO NEVER LAND
リロ&スティッチ (2002) LILO & STITCH
シンドバッド 7つの海の伝説 (2003) SINBAD: LEGEND OF THE SEVEN SEAS
ジャングル・ブック2 (2003) THE JUNGLE BOOK 2
ピグレッツ・ビッグ・ムーヴィ (原題) (2003) PIGLET'S BIG MOVIE
ファインディング・ニモ (2003) FINDING NEMO
ブラザー・ベアー (2003) BROTHER BEAR
ベルヴィル・ランデブー (2003) LES TRIPLETTES DE BELLEVILLE (原題) / THE TRIPLETS OF BELLEVILLE (英題) 』
ルーニー・テューンズ:バック・イン・アクション (2003) LOONEY TUNES: BACK IN ACTION
Mr.インクレディブル (2004) THE INCREDIBLES 』
シュレック2 (2004) SHREK 2
スクービー・ドゥー2 モンスター パニック (2004) SCOOBY-DOO 2: MONSTERS UNLEASHED
ホーム・オン・ザ・レンジ (原題) (2004) HOME ON THE RANGE
ポーラー・エクスプレス (2004) THE POLAR EXPRESS

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●スチルはnostalgia.com、予告編はcinemaclock.comより許諾をえて使用しています。
■『 千と千尋の神隠し (2001) SPIRITED AWAY 』のデータ
 上映時間:125分
 製作国:日本
 公開情報:東宝
 日本初公開年月:2001年7月20日
 アメリカ初公開年月:2002年9月27日
 ジャンル:ファンタジー/アドベンチャー
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【『 千と千尋の神隠し』のスタッフとキャスト】
監   督: 宮崎駿 Hayao Miyazaki
製   作: 松下武義 Takeyoshi Matsushita
       氏家齋一郎 Seiichiro Ujiie
       成田豊 Yutaka Narita
       星野康二 Koji Hoshino
       相原宏徳 Hironori Aihara
プロデューサー: 鈴木敏夫 Toshio Suzuki
製作総指揮: 徳間康快 Yasuyoshi Tokuma
原   作: 宮崎駿 Hayao Miyazaki
脚   本: 宮崎駿 Hayao Miyazaki
美術監督: 武重洋二 Youji Takeshige
音   楽: 久石譲 Joe Hisaishi
音楽プロデューサー: 大川正義 Masayoshi Okawa
CG制作: 片塰満則 Mitsunori Katama
映像演出: 奥井敦 Atsushi Okui
作画監督: 安藤雅司 Masashi Ando
       高坂希太郎 Kitaro Kosaka
       賀川愛 Megumi Kagawa
色彩設計: 保田道世 Michiyo Yasuda
制   作: スタジオジブリ Studio Ghibli
制作担当: 奥田誠治 Seiji Okuda
整   音: 井上秀司 Shuji Inoue
 
声の出演: 柊瑠美 Rumi Hiiragi 千尋
       入野自由 Miyu Irino ハク
       夏木マリ Natsuki Mar 湯婆婆/銭婆
       内藤剛志 Takashi Naitou お父さん
       沢口靖子 Yasuko Sawaguchi お母さん
       上條恒彦 Tsunehiko Kamijo 父役
       小野武彦 Takehiko Ono 兄役
       我修院達也 Tatsuya Gashuin 青蛙
       はやしこば Koba Hayashi 河の神
       神木隆之介 Ryunosuke Kamiki 坊
       玉井夕海 Yumi Tamai リン
       菅原文太 Bunta Sugawara 釜爺
       大泉洋 Yo Oizumi 番台蛙
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ストーリー展開の前知識やネタばれがお好みでない方は、読まないで下さい。
■映画『 千と千尋の神隠し (2001) SPIRITED AWAY 』の「テキストによる映画の再現」レヴュー

 まず、本作『 千と千尋の神隠し (2001) SPIRITED AWAY 』の「テキストによる映画の再現」レヴューに入る前に、映画の発端となった「霧のむこうのふしぎな町」という児童書について触れてみる。

【映画『 千と千尋の神隠し』の発端となった児童書「霧のむこうのふしぎな町」】
  12 歳のポッチャリ系の女の子、上杉リナは、夏休みを東北地方にあるお父さんの知り合いの家で過ごすことになった。ピエロの柄のついた傘が導いてくれ、リナは何とか目的地である霧の谷に到着する。西洋のような街並みの"気ちがい通り"には、6件の家しかない。リナは、「働かざる者、食うべからず。」がモットーのピコット婆さん(イメージ的に、湯婆婆から派手さを取って、小さくした感じ)の下宿屋で暮らすが、ここでは自分の生活費は自分で稼がなければならない。ピコット婆さんに、小言を言われながらも、魔法使いの子孫であるという"気ちがい通り"の住人たちと一緒に楽しく働くリナ。何もできなかった現代っ子が、不思議な見知らぬ土地で、生きる力を身につけ、また元の世界へと戻っていくという大まかな設定は、本作と同じ。

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【映画『 千と千尋の神隠し』のストーリー】

【千と千尋の神隠し 第01段落】  自動車の後部座席に座っている、ピンクのスイートピーの花束を持った元気の無い女の子。その主人公の少女、千尋(英語版吹替えの声:デイヴィー・チェイス Daveigh Chase 『 リロ&スティッチ (2002) LILO & STITCH 』のリロの声、『 ドニー・ダーコ (2001) DONNIE DARKO 』等に出演)は、これまでの宮崎監督作品とは違う特徴を持っている。1つは年齢が 10 歳であること。その年代の女の子を主人公にした作品が無いことが、『 もののけ姫 (1997) PRINCESS MONONOKE 』で引退を決意していた宮崎監督を次作品に駆り立てたそうだ。2つは不細工なこと。監督は千尋を今まで描いてきたような可愛い子にすると、観客が安心してしまうから止めようと思ったと語っている。この映画を観る子供たち、大人たちに、映画のメッセージを自らの問題として捉えて欲しいという思いからだろうか。

【千と千尋の神隠し 第02段落】  引越しのため、車で新居に向かう千尋一家。転校に心を痛め、別れた友達に貰った花束を離さない千尋に対して、運転席のお父さん(英語版吹替えの声:マイケル・チクリス Michael Chiklis )は優しいが、助手席のお母さん(英語版吹替えの声:ローレン・ホリー Lauren Holly 『 トゥルーマン・ショー (1998) THE TRUMAN SHOW 』等に出演のジム・キャリー Jim Carrey の元妻)は案外冷たい。千尋の家の車は何故か日本車ではなく、ドイツ車のアウディ Audi だ。それもフルタイム4WD。標準価格がだいたい 425 万円くらいの車だろう。トヨタだったら、クラウンロイヤルくらいの値段設定だ。父親の荻野明夫は 38 歳、母親の荻野悠子は 35 歳という設定。高級車に乗り、家を買って引越しするなんて、年のわりに、結構所得の多い家庭であると推測される。千尋の家は所謂プチブル階級だろう。

【千と千尋の神隠し 第03段落】  ということは、本作は日本のサバービア suburbia 映画というジャンルにも入れることができるかな。アメリカのサバービア映画には、『 アメリカン・ビューティー (1999) AMERICAN BEAUTY 』『 ドニー・ダーコ (2001) DONNIE DARKO 』『 シザーハンズ (1990) EDWARD SCISSORHANDS 』『 ストーカー (2002) ONE HOUR PHOTO 』等がある。

【千と千尋の神隠し 第04段落】  もう少しで新しい家に到着するかというところで、千尋達の車は道に迷ってしまい、森の入り口に。その辺りには、神様が祀られている祠(ほこら)がある。結構冒険心旺盛のお父さんは、車を森の中へと突き進めた。辿り着いたところは、モルタル製の赤いトンネル。その前には、道祖神のような石像がある。千尋の両親は車を降り、怖がる娘の反対を押し切って、暗いそのトンネルの中へと入っていった。置いていかれたらたまらない!もちろん千尋も付いて行く。

【千と千尋の神隠し 第05段落】  長いトンネルを歩くと、アーチ型の天井の広間に出た。ステンドガラスの小さな小窓から日が入る不思議な空間である。ベンチや水のみ場があり、駅とか、港の待合室のような感じだ。そこから出ると、広がる草原。振り返ると、時計台のある大きな赤い建物があった。父親はその不思議な場所がバブル期のテーマパークの残骸だろうと話した。千尋の両親は、風に乗って流れてきた美味しそうな匂いに誘われて、どんどん草原を歩いて行った。千尋もしょうがなく後を追う。

【千と千尋の神隠し 第06段落】  誰も見当たらない、レトロな食堂街が現れた。この街並みなどは、東京大空襲で街が焼かれてしまう前、監督が子供の頃の日本にあった建物がイメージされているらしい。千尋の両親は匂いの発信許である美味しい料理が並ぶ店を見つけた。信じられないが、彼らはお店の人の許可も得ず、どんどんお皿に盛られた料理に手をつけていった。お店には千尋の両親以外は誰もいないのだが、こんなこと普通ならしない。もう魔法にかかってしまっているのだろうか。それとも、節操の無い現代の親たちの描写なのだろうか。

【千と千尋の神隠し 第07段落】  あまりの料理の美味しさに店から離れようとしない両親を置いて、千尋はその風変わりな町を探索しに出かける。千尋は、朱色の橋の向こうに、巨大な建物を見つけた。緑の瓦に赤い壁の豪華絢爛でエキゾチックな建築物に、もくもくと煙があがる大きな煙突。ここは"油屋"という名前の銭湯のようだ。千尋が橋を渡って油屋へ向かおうとすると、白い水干(狩衣 [かりぎぬ] の一。頸上 [くびかみ] に長い二本の結紐(ゆいひも)があり、これを結んで着用するもの。<大辞林国語辞典より>)を着た、お河童頭の美しい少年(英語版吹替えの声:ジェイソン・マースデン Jason Marsden )が現れ、暗くなる前にここから立ち去るように千尋に命令した。

【千と千尋の神隠し 第08段落】  千尋は少年の高圧的な態度に腹が立ちながらも、堤燈(ちょうちん)に灯りがともり始めた食堂街を走った。誰も居なかった町に、影のような物体が行き交っている。千尋は必死に両親のいる食堂に戻った。しかし、なんと千尋の父と母は大きな豚になってしまっているではないか!恐ろしくなった千尋は、元来た場所に戻ろうとするが、広い草原が海になってしまっている。その海の向こうに、千尋達が出てきたトンネルの時計台が、明るく光り輝いているのが見える。まるで香港の水上レストラン、"ジャンボ JUMBO (珍寶)"を思い出させる美しい光景だ。「夢だ!」とパニックになる千尋の姿が徐々に透明になっていく。

【千と千尋の神隠し 第09段落】  度派手な電飾の付いた船が千尋の居る川岸に到着した。その船室から白い仮面のような紙が宙に浮いて出てきたかと思うと、船を降りるにしたがって、長いマントを羽織った姿が現れてくる。それはまるで地獄の閻魔大王を思わせる格好だ。(彼らは、春日様という神様だそうだ。)そんな風変わりな連中が、ゾロゾロ船を降りてくる。その場から逃げ出した千尋は、この不思議な現実にどう対処していいか分からず、蹲(うずくま)ってしまう。

【千と千尋の神隠し 第10段落】  そこへさっきの少年が現れた。ハクという名のその少年は、消えかかっている千尋に南天の実のような赤い粒を食べさせた。この不思議な世界のものを食べれば、消えずに済むのだ。空にお婆さんの顔をした鳥(湯バード)が飛んでいる。ハクによると、その鳥は千尋を探しているのだ。千尋はこの異世界への招かれざる侵入者のようだ。自分を助けてくれようとしているハクの指示に従って、千尋は彼と一緒にさっきの巨大な銭湯に向かった。

【千と千尋の神隠し 第11段落】  さっき船から降りてきた不思議な生き物たちが、朱色の橋を渡り、巨大な銭湯へと入っていく。彼らを出迎える銭湯の男性従業員はカエル男で、烏帽子に水干といったファッション、お亀な顔の女性従業員たちはナメクジ女で、中世の日本のようなスタイルだ。店の者たちに存在がばれないように息を止めて橋を渡るようにハクから言われた千尋だが、もう少しのところで突然現れた青蛙(声:我修院達也<元、郷ひろみさんのモノマネをしていた"若人あきら"の、謎の失踪後の芸名。だから青蛙の声もどこかちょっと…。>)に驚き、息を吸ってしまう。その瞬間、ハクが千尋にかけた術が解け、千尋の存在が知れてしまった。ハクは千尋を連れて素早く店の中の庭に入り込んだ。

【千と千尋の神隠し 第12段落】  店は人間が入り込んだと騒動になっている。このままじっとしていては、店の者に見つかってしまう。ハクは気弱になっている千尋を励まし、彼女のしなければならないことを指示した。不思議なことにハクの指示が、映像となって千尋の頭に入ってくる。そして、彼は千尋に手短にこの異世界について説明した。ここでは仕事をもたなければ、湯婆婆("ゆばぁば"と発音。声:夏木マリ、英語版吹替えの声:スザンヌ・プレシェット Suzanne Pleshette )というお湯屋の経営者の魔女に動物にされてしまう。しかし、彼女に会っても、ここで働きたいと言えばいいらしい。

【千と千尋の神隠し 第13段落】  千尋はハクの指示通りに、銭湯の外壁に付いた木の階段を下って、その先にあるボイラー室のドアを開けて中に入った。後は、釜爺(声:菅原文太、英語版吹替えの声:デヴィッド・オグデン・スタイアーズ David Ogden Stiers 『 リロ&スティッチ (2002) LILO & STITCH 』等に出演)にここで働かせてくれるように言わなければならない。ボイラー室の先にある部屋で、釜爺と思しき人を見た千尋は驚いた。

【千と千尋の神隠し 第14段落】  そのサングラスをかけた髭モジャでツルッ禿の老人は、手が6本もある蜘蛛男のような風貌で、せっせと薬研(やげん:主に漢方で、薬種を砕き、または粉末にするために用いる器具。細長い舟形をした、内側がV字形の器の中に薬種を入れ、上から軸のついた車輪様のものをきしらせて薬種を押し砕く。<大辞林より>)で薬草をすり潰している。彼の6本の長い手はせわしなく動き、ズーッと伸びることもできて、後ろに離れてある沢山の引き出しから薬草を取ったりする。熱気の立つその部屋には銭湯の湯を沸かす大きな釜があり、床下のズラッと並んだ小さな入り口から出てきた、無数のススの精(ススワタリというそうだ)が1人1つずつ運んだ石炭を火の粉の舞う釜口に投げ入れている。

【千と千尋の神隠し 第15段落】  千尋は何とか勇気を振り絞って、釜爺に言った。「ハクという人に言われて来ました。ここで働かせて下さい。」しかし、釜爺は諸手を上げて千尋を迎え入れてくれるほど甘くは無い。このシーンでは、今時の子供がうまく描かれている。千尋は一応手伝う気はあるのだが、どうすればいいのかわからない。でもなんとか、石炭の重みに耐えられなかった一個のススワタリの代わりに運んであげることになるのだが、「手を出すなら終いまでやれ!」と釜爺からお叱りを受ける。千尋はかなり重そうなその石炭を燃え盛る釜の中に入れることができたが、それを見たススワタリが千尋に手伝ってもらうために、みんな石炭の重みに耐えられない振りをした。仕事が中断してしまった。「…あんたも気まぐれに手ぇ出して、人の仕事を取っちゃならねぇ!…」またまた釜爺に叱られる千尋。職場で千尋系の私には、ちょっと耳が痛い…。

【千と千尋の神隠し 第16段落】  そこへリン(声:玉井夕海、英語版吹替えの声:スーザン・イーガン Susan Egan 『 ギャラクシー・クエスト (1999) GALAXY QUEST 』等に出演)という千尋より少し年上の女の子の従業員が釜爺のご飯を持って来た。ピンク色の水干を着た彼女は、他の従業員と違って、風貌がお亀のようではない。主人公の千尋より可愛いが、ボーイッシュな気性のようだ。もちろんリンは人間の千尋を見て驚く。釜爺はそんな彼女をイモリの黒焼き(ここの店員たちの好物みたい)で買収し、労働契約する為に千尋を湯婆婆のところに連れて行ってくれるように頼んでくれた。怖いけど、本当は優しい釜爺だ。無言の千尋に、「ハイとかお世話になりますとか言えないの?」とか「あんた、釜爺にお礼言ったの?」と、リンも社会教育を施す。うーん、私も気をつけなきゃなぁ。

【千と千尋の神隠し 第17段落】  釜爺の部屋から出て、木製のエレベーターに乗るリンと千尋。千尋は周囲の光景に目を見張る。お湯屋の油屋は、一階が浴場施設、上階は宴会や宿泊施設になっており、湯婆婆の部屋は一番上階にあるようだ。お風呂に浸かっている、大きなヒヨコのような生き物(オオトリさま)達や、手足がニョロニョロしている生き物(牛鬼)。エレベーターの乗り換えの時に会った、ナマハゲみたいな生き物(おなまさま)。途中、人間臭い匂いで千尋の存在が他の従業員に知れそうになってしまい、リンがその従業員の気を引いている間に、千尋は大根のお化けみたいな生き物(おしらさま)と一緒にエレベーターに乗っていかなければならなくなった。千尋は無事最上階にやって来ることができた。しかし、ここからが正念場である。

【千と千尋の神隠し 第18段落】  湯婆婆が住まう階は、お客で賑わう階下とは違い、薄暗くてひっそりとしているが、調度品などが物凄く豪華である。西洋の雰囲気と東洋の雰囲気が入り混じった、ここのシーンの映像はとても美しい。湯婆婆の部屋の扉を開けようとすると、お婆さんの顔をしたドアをノックする真鍮の道具が「ノックもしないのかい?まっ、みっともない娘が来たもんだね。」と千尋に話した。自動的に扉が開き、灯りがともったかと思うと、千尋は湯婆婆の魔法の力で引っ張られ、まるで海をすべるヨットのようにどんどん部屋の奥へと進んで行った。そして湯婆婆の部屋へと放り込まれた。

【千と千尋の神隠し 第19段落】  千尋の周りに、飛び跳ねながら3つの頭がやって来た。恐怖に慄く千尋。机に向かって何か書き物をしている、やけに度派手なお婆さんが「うるさいね。」と一言いうと、その頭たちは千尋の周りから離れて行った。彼女が湯婆婆だ。千尋は、働かせてくれるように頼んだ瞬間、口にチャックがかけられて喋れなくなってしまった。「バカなお喋りはやめとくれ…」と湯婆婆は千尋に話をさせようとしない。宮崎監督は今の若者の悪いところをよく知っているなぁ。気が利かない、礼儀が無い、無駄口を叩く…。ハイ、気をつけマス。

【千と千尋の神隠し 第20段落】  油屋の中で、唯一洋装の湯婆婆は、青色っぽいドレスを着た、いやに大きなお婆さん。魔女らしい垂れ下がった鼻と鋭い目がしわくちゃの顔についている。ホクロ?それとも何か別のデキモノ?よく分からないが、眉間にピンク色のビンディみたいなのが付いている。手にはきらびやかな宝石の指輪がぎっしりとはめられ、耳には大きなイヤリング、髪型はタマネギおばさんと呼ばれた頃の黒柳徹子さんのようだ。しっかり売上を管理している彼女は強欲で、爪に火をともして煙草に火をつける仕草から、ドケチだということも分かる。まぁ、とにかく、物凄い迫力の魔女婆さんが湯婆婆だ。

【千と千尋の神隠し 第21段落】  湯婆婆曰く、この油屋は、八百万の神様が疲れを癒しにくるお湯屋だそうだ。千尋が見てきたヘンな生き物たちは、休暇中の神様だったのだ。湯婆婆は、千尋を助け手引きした者の名前を言わそうと、彼女の口のチャックを解いた。しかし、ハクに言われた通りに、千尋は「ここで働かせて下さい。」としか言わなかった。働きたい者には仕事を与えるという誓いを立ててしまっている湯婆婆は、何とか千尋を雇わなくても済むように、脅しをかけてきた。

【千と千尋の神隠し 第22段落】  ちょうどその時、奥の部屋から赤ん坊の泣き声が聞こえてきた。湯婆婆が目に入れても痛くないほど可愛がっている、赤ちゃんの坊(声:神木隆之介、英語版吹替えの声:タラ・ストロング Tara Strong 『 アイス・エイジ (2002) ICE AGE 』等に出演)が、物音で目覚めてしまったのだ。千尋にはその湯婆婆の子供の姿は見えないが、ドアを蹴り飛ばした大きな足から、巨大な赤ちゃんであることがわかる。湯婆婆は泣いて暴れる坊を宥(なだ)める為、奥の部屋へとスッ飛んでいった。これは千尋のチャンス!「働かせて下さい」と粘る千尋に、それどころじゃない湯婆場は千尋の願いを聞き入れた。

【千と千尋の神隠し 第23段落】  すると、契約書とペンが千尋のところにフワフワ飛んできた。やっと坊を寝かせた湯婆婆は、「イヤだとか、帰りたいとか言ったら、子豚にしてやるからね。…」と言いながら、ぐしゃぐしゃになった部屋を魔法で整頓していく。「荻野千尋」という契約書のサインから、荻と野と尋の漢字を手に奪い取った湯婆婆は、千尋がこのお湯屋で「千」という名で働くことに決めた。湯婆婆からベルで呼び出され、ハクがやって来た。千尋はハクと一緒にエレベーターで階下に行くが、ハクの様子がさっきと全然違う。話し掛けようとする千尋に、「無駄口を利くな、ハク様と呼べ。」と冷たいハク。

【千と千尋の神隠し 第24段落】  ハクは、油屋の管理職である父役(上條恒彦)と兄役(小野武彦)に千尋がここで働くことになったことを告げたが、従業員たちは皆、人間である千尋を嫌がった。そこで下っ端従業員のリンが千尋の世話をすることになった。リンも嫌がっているのかと思いきや、皆がいないところに来ると、よくやったなと湯婆婆と契約することができた千尋を労ってくれた。リンによると、ハクは湯婆婆の手先らしい。ハクはもう助けてはくれないのだろうか、お父さんとお母さんは豚になったままなのだろうか、これから自分はどうなるのだろうか。いろんなことを一度に経験しすぎて疲れた千尋は、リンが用意してくれた作業服を抱えたまま、座り込んでしまった。

【千と千尋の神隠し 第25段落】  夜明け頃、大きな黒いマントを身に付けた湯婆婆は、大きな鳥に変身(顔だけは湯婆婆)して湯バードと一緒に飛び立っていった。これが日課のようである。従業員たちはカエルとかナメクジの化身みたいだから、その食物連鎖の頂に立つ鳥が、湯婆婆なのかな?お婆さん顔の大小の2羽の鳥は、一体何をしに行くのだろう?この映画では明かされていないと思うが、いつか別の作品で分かるのだろうか。この異世界では、朝がお休みの時間のようだ。大勢の従業員と一緒に大部屋で休んでいる千尋のところに、千尋の両親に会わせてあげるとハクがやって来た。しかし、実際にハクが千尋の側までやって来たのではなさそうだ。千尋が廊下に出ても誰もいない。きっとハクが千尋にテレパシーを送ったのだろう。千尋は外に出た。

【千と千尋の神隠し 第26段落】  釜爺の部屋の戸を千尋はちゃんとした作法で閉めることができるようになっている。映画は時間制限があるから仕方が無いが、千尋の成長が早すぎるかなぁ。子供だから吸収が早い?「人間はいざとなれば思わぬ力が出る。僕の友人の娘たちなら、みんなこのくらいのことはする、と思って作りました。」と宮崎監督は映画について語っているが、私の甥たち(まだまだ 10 歳じゃないけど)なら、湯婆婆に子豚にされていると思った。

【千と千尋の神隠し 第27段落】  千尋が朱色の橋を渡ろうとすると、橋の真ん中に体が黒くて、顔が白い面のような生き物(カオナシ)が立っている。カオナシは、千尋が初めてこの橋を渡った時にもそこに立っていた。神様の一員なんだろうか?千尋が橋を渡り終えてから振り返ると、橋には誰もいなかった。すぐにハクがやって来て、千尋を両親のいる豚小屋まで導いてくれた。その途中、花の垣根を通るシーンはとてもキレイ。流石フランスのサイトではこのスチールが紹介されているのもある。

【千と千尋の神隠し 第28段落】  沢山の豚と一緒に、豚小屋で飼育されている千尋の両親は、人間であったことを忘れている。千尋が話し掛けても、眠ったままだ。「きっと助けてあげるから、あまり太っちゃダメだよ。」と言って、千尋は豚小屋から飛び出した。悲しくて蹲(うずくま)っている千尋に、ハクは以前千尋が着ていた服を渡した。その服と一緒にあった「ちひろ、元気でね、また会おうね」と書かれた一枚のカード。それは、友達から貰ったスイートピーの花束についていたものだ。もう自分の名が千だと思っていた千尋は、それで自分の本当の名前を思い出した。ハクが言うには、湯婆婆は相手の名前を奪って支配し、帰り道を分からなくしてしまうのだ。優しいハクは、千尋が元気になるようにと御まじないをかけた、おにぎりを握ってきてくれていた。そのおにぎりを食べながら、涙が溢れてくる千尋だが、お陰で元気を取り戻すことができた。

【千と千尋の神隠し 第29段落】  ハクと別れ、橋を渡った千尋が空を見上げると、青空に白竜が飛んでいた。お湯屋に向かった千尋の後をカオナシが付いて入った。疲れてしまった千尋は、従業員たちが寝る上階の大部屋にまで行けず、釜爺の部屋で寝てしまった。そんな千尋に釜爺は長〜い手を伸ばして座布団をかけてやるのだった。

【千と千尋の神隠し 第30段落】  その夜は雨だ。油屋では、開店前の準備が忙しく始まっている。千尋もグズながら、皆と一緒に床磨きに精を出している。しかし、職場虐めにあう。千尋の世話役のリンと一緒に、汚れたお客専門のお風呂である"大湯(おおゆ)"の掃除を命じられた。凄まじい汚れの為、手でこするだけでは埒があかないので、リンは千尋に薬湯(くすりゆ)の札を番台から貰ってくるように言った。千尋は番台に行って頼むが、人間である千尋への虐めから、番台蛙(声:大泉洋)は薬湯の札をくれない。すると番台蛙の肩越しに、さっき千尋が油屋の店内へと招きいれたカオナシが姿を現したかと思うと、宙に浮いた薬湯の札が千尋の方に飛んできた。千尋は元気よくお礼を言って、大湯に戻った。これは、ちょうど湯婆婆から番台に電話がかけられたときの出来事だった。湯婆婆は、店内にろくでもないものが入り込んだと番台蛙に注意を促した。そのろくでもないものとは…?

【千と千尋の神隠し 第31段落】  薬湯の札を浴室の壁の中にある紐につけて釜爺のところに送れば、壁の一部が樋(とい)のように降りてきて、その下の紐を引っ張れば、薬の入ったお湯が浴槽に流れ出る仕組みだ。それにしても油屋の浴場施設は立派だ。一階が幾つかの浴室に区切られていて、床も仕切りも材質は総檜だと思う。浴槽は大きなお釜のようで、檜の壁には狂言の舞台にある様な松の絵が描かれていたりする。この映画を観ていると、自分もこんな銭湯に行ってみたくなってくる。もしかしたら本作は、最近の銭湯ブームの一翼を担ったかもしれないな。

【千と千尋の神隠し 第32段落】  大湯の浴槽の釜に、薬湯が注がれている間、リンは朝食をとりに行った。千尋が一人浴室にいると、カオナシが薬湯の札を沢山持って現れた。自分の手から薬湯の札を取るように勧めるカオナシだが、千尋が断ると、バラバラと札を落としてまた消えてしまった。

【千と千尋の神隠し 第33段落】  その頃、油屋はクサレ神であるオクサレさまの出現で騒ぎになっていた。物凄い悪臭を放つ、ドロドロした生き物がお客にやってきたのだ。湯婆婆がさっき感じた邪悪な気配は、このオクサレさまだったのだろうか?湯婆婆は、強烈に汚いオクサレさまの接待を千尋の初仕事にした。あまりの臭さに引きつりながら千尋はオクサレさまから御代を戴き、大湯へと案内した。オクサレさまは湯船に浸かるが、汚れはちょっとやそっとじゃ取れそうもない。千尋はさっきカオナシから貰った薬湯の札で、オクサレさまにドッパーと薬湯をかけた。千尋はオクサレさまの体にトゲのようなものが刺さっているのを発見した。千尋の奮闘を上から観察していた湯婆婆は、この汚い神様がクサレ神などではないもっとスゴイ神様であることに気付いた。千尋とリンのところに飛び降りてきた湯婆婆は、彼女たちへロープを渡して神様に突き刺さっているトゲに結ばせ、全従業員にロープを引かせた。「湯屋一同、心を合わせて、引きやぁ〜!ソーレ!」

【千と千尋の神隠し 第34段落】  出るわ、出るわ、神様の体から沢山のゴミが噴出してきた。千尋がトゲだと思っていたものは、自転車のサドルだった。この神様は、名のある川の主だったのだ。その川に捨てられた、ゴミや廃棄物のお陰で、神様がクサレ神のように汚くなってしまっていたのだ。しかし、お湯屋ですっかり汚れを落として、すっきりした川の主は、「良きかな」と竜の姿になって飛んで帰って行った。「やんや〜!」と他のお客の神様たちも大喜び。川の主はお礼として、千尋の手にお団子(にが団子)を1つ、そして店には砂金を残した。大儲けして嬉しい湯婆婆は、千尋を抱きしめ、皆の前で褒めた。嬉しそうにはにかむ千尋。

【千と千尋の神隠し 第35段落】  意地汚い青蛙は、皆が寝静まった後、大湯の浴室に砂金が落ちていないかと、こっそり見にやって来た。すると浴槽の釜の中にカオナシの姿。相手が欲しいと思っているものを手品のように出せるカオナシは、青蛙に金を見せた。カオナシの手から湧き上がってくる金に飛びついた蛙は、カオナシにパクリと食べられてしまった。兄役という従業員が物音に気付いてやってくると、姿が蛙っぽくなったカオナシが金をばら撒き、青蛙の声で叫んだ。「わしは客だ!風呂にも入るぞ!皆を起こせ!」

【千と千尋の神隠し 第36段落】  豚小屋の両親に、川の主から貰ったお団子を食べさせようとしたが、沢山の豚に囲まれてしまうという怖い夢から覚めた千尋は、周りに誰もいないことに気付いた。他の従業員たちは、金をくれる、気前のいいお客であるカオナシのために、まだ働く時間でもないのに必死に働いていた。皆、湯婆婆が店に出てくる前に金にありつこうと、必死にカオナシに料理を運び、接待する。底なしの食欲を持つカオナシは、どんどんその料理を平らげていく。

【千と千尋の神隠し 第37段落】  下の騒動には興味の無い千尋は、縁側から海を見渡していた。油屋の周囲は雨が降ると海ができる。しかし、雨でできた海なのでかなり浅い。上階にある大部屋からの見晴らしは、とてもキレイだ。海の中に線路があるのも見える。その時千尋は、白い鳥みたいな紙に追いかけられて苦しんでいる白竜を見つけた。白竜はかなり傷ついているようで、飛行にコントロールがあまり利かない。千尋は不意にその竜がハクだと気付いた。ハクを助けるため、千尋は大声で彼を呼び、大部屋に招き入れた。千尋がガラス戸を引いたので、竜の追っ手である白い紙たちは、大方そこで遮られてしまい、ただの紙切れになってしまった。ところが、今度はそれらはヒラヒラと海へ静かに戻って行った。部屋で血を流して苦しむ白竜は、また外に飛び出して、もっと上階にある湯婆婆の部屋へと入ったようだ。ハクが危ない!千尋は湯婆婆の部屋に向かう。

【千と千尋の神隠し 第38段落】  その途中、千尋は巨大化したカオナシに遭遇した。カオナシは手に金を出して、千尋に勧めたが、「欲しくない。いらない。」と千尋は金を取らずに先を急いだ。千尋に断られた虚しさを埋め合わせるため、カオナシは兄役と女性の従業員をパックリと食べた。油屋は大パニックに。

【千と千尋の神隠し 第39段落】  千尋は外から湯婆婆の部屋を目指した。配管の上を走ったり、梯子を上ったり、千尋は随分と逞しくなった。窓から中に侵入しようとしたが、中から鍵がかけられていて、開けることができない。ところが、ずっと千尋の体にこっそりとくっ付いていた、さっきの白い紙一枚が、窓と窓の隙間から入り込み、窓の留め金を外した。千尋は中に入ることができたが、その白い紙の存在には気付いていない。

【千と千尋の神隠し 第40段落】  外の世界から飛んで帰って来たばかりの湯婆婆は、階下の騒動の報告を受け、その原因がカオナシという化け物の仕業だと気付いた。すぐに処理に行かなければならないが、湯婆婆はまず愛する坊に会う為、千尋が入り込んだ玩具一杯の豪華な子供部屋に入って来た。千尋は慌ててクッションの山の中に入り込んだ。湯婆婆はクッションを数個取り上げ、中にいた坊の顔にキスをした。「お婆ちゃんにはまだ仕事があるからね。いい子で寝ているんですよ。」と甘えた声で坊に話す湯婆婆は、子供を持つキャリアウーマンの母のようだ。

【千と千尋の神隠し 第41段落】  湯婆婆が仕事に出かけたので、千尋はそのクッションの山から出て行こうとした。エッ動けない!「坊と一緒に遊べ。」巨大な赤ちゃんに千尋は腕をつかまれた。おんもに出ると病気になると湯婆婆から教えられている坊は、ずっと部屋の中で生活しているようだ。さっきここの従業員が千尋の手の血を見て驚いたのを思い出し、千尋は手を広げて坊に自分の血を見せた。思ったとおり、坊はワンワン泣き出した。千尋はその隙に隣の湯婆婆の仕事部屋に入った。

【千と千尋の神隠し 第42段落】  千尋は、傷ついてぐったりと倒れている白竜の側に駆け寄った。湯バードがそんな千尋に襲い掛かり、3つの男の頭がハクを穴の中へと落とそうとした。「僕と遊ばないと泣いちゃうゾ。」と、子供部屋から坊もやって来た。すると、千尋に付いて来ていた白い紙が、湯婆婆の姿に変身したではないか!そしてその少し透けた湯婆婆は、坊を小さいデブネズミ(坊ネズミ)に、湯バードをハエ(ハエドリ)に、3つの男の頭を坊に変身させた。そんな仰天魔法を使う彼女は、湯婆婆の双子の姉、銭婆(ぜにーば)だった。銭婆曰く、ハクは魔法の力を手に入れるために湯婆婆の弟子となり、大事な銭婆のハンコを盗んだ。それに、そのハンコには盗んだものが死ぬように魔法がかけられてあるので、ハクはもうすぐ死んでしまうのだそうだ。

【千と千尋の神隠し 第43段落】  白竜のハクが力を振り絞って、白い紙を尻尾で叩き破ると、銭婆の幻影は消えてしまった。しかし、ハクはその弾みで千尋と一緒に穴の中に落ちてしまった。坊ネズミとハエドリも一緒だ。長い落下の途中、ハクの角を掴んだ千尋は、昔の感覚を少し思い出した。確か前にも同じような…。千尋たちは、釜爺の部屋に落ちてきた。千尋は、川の主から貰った"にが団子"をハクに与えた。ハクは苦しく悶えた末に、黒いものを吐き出した。それはハンコと黒い芋虫だった。千尋は急いでハンコを拾い、黒い芋虫を踏み潰した。すると、白竜が少年ハクの姿に戻った。しかし、息はしているが、ハクの意識は戻らない。釜爺によると、そのハンコは魔女の契約印鑑というものらしい。銭婆が言っていたあのハンコだ。千尋はハクにかけられた魔法を解いてもらう為、銭婆にハンコを返し、謝りに行くことにした。

【千と千尋の神隠し 第44段落】  リンが湯婆婆が千尋を呼んでいると捜しにやって来た。千尋が引き入れてしまったカオナシは、湯婆婆でも手をこまねいているようだ。釜爺は千尋のために電車の回数券を捜してくれた。銭婆に会うには、千尋は6コ目の「沼の底」という駅で降りなければならない。釜爺は帰りのことも心配していた。昔は帰りの電車があったのだが、今は往きしかないのだ。「ハク、きっと帰ってくるから、死んじゃダメだよ。」と布団に寝かされたハクに話し掛ける千尋。そんな千尋を見て状況が理解できないリンに、釜爺は教える。「わからんか、愛だよ、愛!」

【千と千尋の神隠し 第45段落】  やっとやって来た千尋に、湯婆婆はカンカン!そのせいか、千尋の肩にいる、坊が変身したネズミを見ても、「なんだい、その汚いネズミは?」と何も気付かない。千尋はカオナシがいる座敷に入れられた。食い散らした食べ物で一杯の座敷に、ブクブクと肥大化したカオナシがいた。カオナシは千尋に欲しい物をあげようと言うが、千尋は「…あなたは来た所に帰った方がいいよ。私が欲しいものはあなたには出せない。…」とカオナシの要求を無視した。「イヤだ、寂しい、千欲しい」と弱気になったり、金を出した手を千尋に突き出して脅したりと、精神不安定なカオナシに、千尋は川の主から貰った"にが団子"を食べさせた。するとカオナシは苦しくなり、黒いゲロを吐きまくる。

【千と千尋の神隠し 第46段落】  怒ったカオナシは大きな口を開けて暴れ出したので、千尋は座敷から逃げ出した。千尋を追いかけるカオナシに、「お客様とて許せぬ!」と湯婆婆は魔法のエネルギーの弾をぶつけた。カオナシは湯婆婆にゲロをぶっかけて、それでも千尋を追った。お湯屋にいることがカオナシにとって良くないことだと直感していた千尋は、これから銭婆のところへ行く自分の方へとおびき寄せながら逃げた。途中、カオナシは兄役と女の従業員を吐き出した。2人はもちろん生きている。カオナシの体は最初見たときくらいにスリムになった。

【千と千尋の神隠し 第47段落】  千尋が駅へ行く為に油屋から出ると、リンが桶の船に乗って千尋を待ってくれていた。リンの漕ぐ船に乗せてもらった千尋が後ろを振り向くと、カオナシが油屋の太い配管の上をふらふら歩いている。千尋はカオナシを呼んだ。するとカオナシは海に飛び込み、その衝撃で飲み込んでいた最後の一人、青蛙を吐き出した。カオナシは千尋を追って浅い海を歩いた。船から降りた千尋は、海に浸かった線路を伝って、駅まで歩いていった。千尋のお供は、坊ネズミとハエドリとカオナシだ。

【千と千尋の神隠し 第48段落】  千尋が海の白洲のような駅に辿り着いたと同時に、レトロな感じの電車が海水を掻き分けてホームに入って来た。千尋を含めた4人が電車に乗り込んだ。この電車のシーンも映画の中のキレイな映像の1つだ。影のような乗客、海面を走っていく電車、そして広がる青い海。「沼原」という駅では、何人かの乗客が降りた。大人の影は振り返ることなくホームの下へと降りていくが、一人の子供の影だけが、電車が出発するのをじっと見ている。往きしかない電車に乗る、帰り道を知らない大人の中で、子供だけが何が大切かを知っている。アントワーヌ・ド・サンテグジュペリ Antoine de Saint Exupery の「星の王子さま Le Petit Prince 」にあった電車のシーンの逆ヴァージョン(子供が電車に乗っていて、王子様は電車の外にいた)って感じ。また、影のような人々に、使われ方は違うが、その感性として、ジョージ・マクドナルド George MacDonald ( 1824-1905 )の「金の鍵 The Golden Key 」(2人の子供が不思議な「影がふる国」を探し出す話)を思い出した。

【千と千尋の神隠し 第49段落】  日も落ちてきて、車内に千尋達しかいなくなった頃、釜爺の部屋ではハクが目を覚ましていた。何の記憶も無いハクは、釜爺から話を聞き、湯婆婆のところに行った。ハクから坊がすり替わっていることに気付かされた湯婆婆は、火のように怒った。そんな湯婆婆に、自分が銭婆のところに行った坊を連れ戻してくるので、その代わりに千尋とその両親を人間の世界へ戻して欲しいと、ハクは自分の身を省みずに頼んだ。

【千と千尋の神隠し 第50段落】  すっかり夜になって、千尋達は「沼の底」の駅に降り立った。どんどん歩いていくと、ハエドリが坊ネズミをもって飛んでいるのに疲れて、とうとう坊ネズミを地面に置いてしまった。千尋が坊ネズミを肩に乗せてあげようとすると、坊ネズミはプイと無視をして、自分で歩いて行った。湯婆婆から離れて、坊にも自立心が芽生えてきたようだ。一行が暗い森の入り口まで辿り着いたとき、一本足のランプが迎えにやって来た。きちんと頭を下げて挨拶をするランプと千尋達。そのランプは千尋達を銭婆の家まで案内した。

【千と千尋の神隠し 第51段落】  銭婆の家は妹の湯婆婆の家とは違って、ヨーロッパのお伽話に出てくるような、森の奥の小さな農家といった感じだ。銭婆は千尋の予想とは違い、「皆よく来たね。」と温かく迎え入れてくれた。千尋はハクの代わりに謝りに来たと銭婆に伝え、ハンコを渡した。ハンコには湯婆婆がハクを操る為に彼のお腹に忍ばせていた魔法がついていたはずなのに、千尋が無事でいるので、銭婆は驚いた。千尋からハンコに付いていた虫を踏み潰したと聞いた銭婆は大ウケ。千尋は銭婆に坊ネズミとハエドリをもとの姿に戻して欲しいと頼むが、彼らはやろうと思えば自分たちで魔法を解くことができたようだ。坊と湯バードは、好きでその格好をしていたのである。

【千と千尋の神隠し 第52段落】  坊とハエドリが銭婆の手紡機を回して遊んでいる間に、千尋とカオナシは銭婆にお茶とケーキを振舞ってもらっていた。「あたしたち2人で一人前なのに、気が合わなくてね…」と銭婆が話すように、銭婆と湯婆婆は、姿かたちは同じだが、性格が違うみたい。お姉さんだけあって、銭婆の方が穏やかかな。「お前を助けてあげたいけど、私にはどうすることもできないよ。この世界の決まりだからね。両親のことも、ボーイフレンドの竜のことも、自分でやるしかない。」と言う銭婆に、ハクとは以前に会ったことがあるような気がすると、千尋は解決のヒントを請うた。しかし、「一度あったことは忘れないよ、思い出せないだけでね。」と意味ありげなナンセンスしか言わない銭婆に、千尋はしょんぼり。 ・・・

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◆ここからは、結末まで書いていますので、ストーリー全体が分ります。御注意下さい。
 ATTN: This review reveals the movie content. Please don't say that I didn't say !


【千と千尋の神隠し 第53段落】  銭婆の家で千尋が考え込んでいる間、カオナシと坊ネズミとハエドリは楽しそうに糸紡ぎや編物を手伝ったりしている。千尋はやっぱり帰ると銭婆に申し出た。ハクが死んだり、両親が食べられてしまうかもしれないと、涙が溢れ出す千尋に、銭婆は皆で紡いだ糸を編みこんで作ったお守りの髪留めをくれた。ちょうどその時、窓が風圧に揺れた。ハクが千尋を迎えに来たようだ。千尋は白竜の顔に抱きついた。銭婆はハクを許し、その代わりに千尋をしっかり守るようと告げた。「自分の名前を大事にね。」と言う銭婆に、ハクの背中に載った千尋は「お婆ちゃん、有難う。さようなら。」ときちんと挨拶をして飛び立った。カオナシは欲の無い銭婆のところで暮らすことになり、坊ネズミとハエドリは、千尋と一緒にハクの背に乗って帰った。

【千と千尋の神隠し 第54段落】  ハクの角を掴んで空を飛んでいる千尋は、昔のことを思い出した。千尋がもっと小さかった時、川に落ちたことがある。その時、彼女を助けたのが、その川の主だったハクだ。今はその川は埋め立てられ、その上にはマンションが建てられているが、千尋はその川の名前を覚えていた。コハク川。つまりハクの名前はコハク川だ。千尋がその名前を口に出した瞬間、ハクの鱗が美しくパラパラとはがれた。ハクが本当の名前を取り戻したので、湯婆婆の魔法が解けたのだ。まるでスカイ・ダイビングのように落下する千尋と少年ハク。ハクは自分の本当の名が「ミギハヤミコハクヌシ」だと言った。ハクも、靴を取ろうとして川に落ちた千尋を浅瀬に運んだことを思い出した。2人は手をつなぎ、油屋まで空を飛んで帰った。

【千と千尋の神隠し 第55段落】  早朝、ジリジリとした思いで、ハクの帰りを待つ湯婆婆が、油屋側の橋の袂で往ったり来たりしている。彼女の背後には豚が並べられている。「帰ってきた!」というリンの声で、湯婆婆が橋の向こう側を見ると、空から千尋とハクが一緒に降りてきた。橋の上でネズミから本当の姿に戻った坊に抱きついて無事を喜ぶ湯婆婆は、坊が歩けるようになったことに驚いた。ハクは約束を守ったのだが、世の中の決まりで、そう簡単には千尋家族を人間の世界に帰すわけにはいかないと、湯婆婆は言う。何頭もいる豚の中から、一回で千尋が両親の豚を当てることができれば、湯婆婆の呪いは解け、千尋家族は晴れて人間の世界に戻ることができる。千尋は少し考えてから、ここには父親も母親もいないと言った。すると、湯婆婆の手にあった、千尋の労働契約書が消え、「大当たりィ!」と豚が従業員の姿に変わった。庭の塀の上などから、この光景を見守っていたリンや釜爺、その他の従業員達、お客の神様達も大喜び。油屋の従業員たちは、カオナシから自分たちを救ってくれた千尋のことが大好きになっていたのだ。

【千と千尋の神隠し 第56段落】  千尋は喜んでくれている皆に有難うと礼を言い、スネた顔をしている湯婆婆に「お世話になりました。」と深々と頭を下げた。油屋を去った千尋は、ハクと一緒に走って、夜になると海になる草原のところまで来た。これ以上進むことができないハクは立ち止まり、トンネルを抜けるまで振り向いてはいけないと千尋に忠告を与えた。名前を思い出したハクは、これから湯婆婆と話をつけて弟子を辞め、元の世界に戻るつもりだと千尋に言った。またきっとどこかで会おうと約束をして、千尋は振り返らずに一目散にもと来た草原を走った。

【千と千尋の神隠し 第57段落】  トンネルの前でお父さんとお母さんが手を振って千尋を待っている。しかし、2人共、湯婆婆の世界のことを何も覚えている様子はなく、初めてここにやって来た時と変わらない。不安な千尋は母親の腕を持って、トンネルを歩いた。「歩きにくいから、くっ付かないで。」と、母親が千尋に言う言葉は、往きと同じだ。千尋はこの数日の経験で、しっかり成長しているが、両親は何も変わっちゃいない。親が変わっていなかったら、せっかく千尋が学んだのに、月日が経つとまたもとの千尋に戻ってしまうのではないかなぁ?

【千と千尋の神隠し 第58段落】  千尋がトンネルを出て、やっと振り返ると、トンネルの外観は来た時と全く変わっていた。両親は埃がいっぱいの車を見て、悪戯だろうかと驚いている。埃がたまっているということは、千尋達は3日間不思議の世界にいたが、どのくらい人間の世界にいなかったのだろう?赤い色が付いていた気配もない、草の茂ったトンネルをじっと見詰める千尋を、両親が早く車に乗るように呼んだ。千尋がその場を去ろうとした瞬間、髪留めが光った。あっ、銭婆がくれたお守りだ!きっと、千尋はこのまま人間の世界に戻っても大丈夫だろうと、ちょっと安心した。それは、この映画を観た千尋と同世代の子供たちへの、宮崎監督の期待でもあるのではないだろうか。

【映画『 千と千尋の神隠し』の感想】

【映画『 千と千尋の神隠し』の感想 第01段落】  文部科学省も提唱する、自ら学び考える力などの「生きる力」が何かと話題の昨今。この映画はまさに時流に乗っている。さすが宮崎駿監督だ。長編作品は本作で最後にするような発言があったようですが、『 ハウルの動く城 (2004) 』(長編ですよね?)の監督をなさるようで、期待しています。まだまだ頑張って下さい!

【映画『 千と千尋の神隠し』の感想 第02段落】  千尋が紛れ込んでしまった、異世界にあるお湯屋は、デフォルメされた現代社会の姿だ。湯婆婆の強欲な姿勢は、利益を追求する企業のあり方だ。そして、父役や兄役の辛い立場の管理職、はっきりとした上下関係、それらの潤滑油になるのが礼儀だ。「お客様は神様」という言葉通り、油屋では神様がお客である。中世の日本のファッションの従業員が犇(ひしめ)く油屋の中で、ただ一人洋装の湯婆婆が会社を牛耳っている。「霧のむこうのふしぎな町」のピコット婆さんの影響なのかもしれないが、日本社会のトップは誰なのだろうとちょっと疑問に思ってしまった。

【映画『 千と千尋の神隠し』の感想 第03段落】  戦後、日本は米国に守られ、自由平等の資本・民主主義の下、人々は勤勉に働き、生活が平和にアメリカナイズされた。その代償として、多くの日本人が、感謝する気持ち、物事を尊ぶ気持ち、そしてそういった気持ちから生まれる礼儀などを失ってしまった。豊かな生活を目指して我武者羅に働き続けてきたが、豊かさを得る為に構築した制度の奴隷になってしまっている。物が売れなければお金は廻らない。企業は巧みに人々の煩悩を刺激する広告を出し、大量生産した製品、またはブランド化した製品を売りさばこうとする。欲に目がくらむ愚かな民衆は、それが本当に自分が欲しいものかも分からずに、消費していく。そういった実体の無い"欲"こそが、カオナシなのではないかと思った。

【映画『 千と千尋の神隠し』の感想 第04段落】  自分が何者かもわからずに、欲を追求する現代人の姿は、名前を奪われて湯婆婆に支配されている油屋の従業員と同じだ。働かなければ豚になり、いつかは食べられてしまうという設定は、まさに弱肉強食な世の中の決まりというやつだろう。しかし、「…悪役は、悪玉とか善玉っていうことよりも、世間なんだっていうふうに思って作っています。」という宮崎監督の発言もあるように、湯婆婆は悪者ではない。愛する子供がいたり、お客様に徹底的にサービスする姿勢があったりと、魅力的なキャラクターである。森の奥でひっそりと暮らす銭婆と豪奢な銭湯で暮らす湯婆婆は、別人だけど、双子なんだから、もとは同じ種。2人ともあの不思議な世界のルールブックだ。

【映画『 千と千尋の神隠し』の感想 第05段落】  これまでのシステムでは、先が見えなくなってきた今の日本。経済はもちろん、外交、環境、医療・福祉などなど問題が山積みだ。その中でも大切なのは、日本の未来を担う子供たちを育てる教育だろう。でも、子供に影響を与える親に先ず問題があるというふうに映画では描かれているような…。映画では千尋の両親は良いとこなしで、まさに"資本主義のブタ野郎"って感じだった。宮崎監督は、「女の子達に『あなたのお父さんはくだらないですよ』なんて言ったってしょうがないですよね。そんなことを言ってもなんの力にもならない。」と語っているが、これって一応くだらないことを認めた上での発言じゃないかな?「カオナシに振り回されず、自分をしっかり持って、礼儀正しく、逞しく生きよ、子供たち!」同じ言葉を団塊ジュニア世代の私にも拝聴しておきます。

以上。
<もっと詳しく>からスペースを含まず18969文字/文責:幸田幸

参考資料:IMDb
      allcinema ONLINE
      Nostalgia.com
      CinemaClock.com
      STUDIO GHIBLI HOMEPAGE!!
      asahi.com
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■映画『 千と千尋の神隠し (2001) SPIRITED AWAY 』の更新記録
◆ファイル作成・解説とネタばれ:2003/03/12
◆映画や俳優についてリンク更新:2004/04/04
◆テキストとリンク一部およびファイル書式更新:2004/07/12
◆2004/12/05更新: 一部テキスト追記と書式変更および再登録
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