ローマの休日
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 ローマの休日@映画の森てんこ森
ローマの休日
タダのローマの休日
2004年02月27日金曜日 「シャイな幸の独り言」トップへ
 この「ローマの休日」というタイトルは、当然映画『 ローマの休日 (1953) ROMAN HOLIDAY 』に因んで、滸(おこがま)しくもつけた。幸が2004年2月にローマで休日をとっただけで、映画のようなロマンスは全くない^_^;。副題は「タダのローマの休日」だ。ローマでの休日=「ローマの休日」をできるだけお金を使わないで無料(タダ)で過ごそう、何も特別なことのない、タダ単なるローマの休日と語呂合わせしたと云う企画だ。以下に幸の「タダのローマの休日」のスケジュールを箇条書きします。

ローマの休日スライドショー
ローマの休日第一幕:ホテルからシャトルバスでサン・ピエトロ寺院
ローマの休日第二幕:地下鉄でヴェネツィア広場
ローマの休日第三幕:ヴィットリオ・エマヌエーレ2世記念堂
ローマの休日第四幕:カンピドーリオ広場と市庁舎
ローマの休日第五幕:フォロ・ロマーノ
ローマの休日第六幕:コンスタンティヌスの凱旋門、コロッセオの周囲で休憩
ローマの休日第七幕:サン・グレゴリオ通り
ローマの休日第八幕:チルコ・マッシモ
ローマの休日第九幕:サンタ・マリア・イン・コスメディン教会
ローマの休日番外編:ローマの噴水巡り

 因みにこの頁は、エッセイ「シャイな幸の独り言」の「チップ」、「ローマの休日(副題:タダのローマの休日)」、「ローマの噴水」の三部作の一つです。

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映画『ローマの休日』
■ローマの休日第一幕
 ローマの休日はオバちゃんの日。ローマ Roma で滞在したホテルは、交通の便が余り良くない位置にあるので、ホテルからサン・ピエトロ寺院 Basilica di San Pietro までシャトル・バスが出ていた。朝、シャトルバスに乗ろうとロビーへ行くと、卒業旅行でローマを訪れている沢山の日本人学生がいた。圧倒的に女の子が多い。男の子って卒業旅行に行かないのかな?旅行すると気付くのは、各観光地には日本の年配女性が結構進出しているということ。簡単な英単語を用いて、バンバン買い物し、バンバン移動できるその女性たちに、すごいバイタリティーを感じる。気の小さい私は、高慢な海外の店員の目色顔色を伺ってしまいがちだけど、オバチャンは違う。そんなことお構いなしで、目的達成できるのだ。
 ウラヤマシイことこの上ない。日本の中で結構グローバルなのは、オバチャンなのかもしれないと思う。卒業旅行の大勢の女の子たちは、そんなオバチャンの強力な予備軍なのだろう。そんな女の子たちと一緒に、サン・ピエトロ寺院横の Cavalleggeri バス停近くでシャトルバスを降りた。女の子たちはモタモタすることなく、それぞれの目的地へとスタスタと散っていく。私は、最近日本で流行っているデューク更家(さらいえ)氏のウォーキング法でローマを闊歩したいなんて思ってみた。一つ、背すじを地面と垂直にして歩く。二つ、膝を擦り合わせるように歩く(1本線上で歩く)。三つ、着地した足は曲げない。解かっているけどそんな風に歩けない。あーッ疲れた。かなり腹筋がいるわ。
ローマ 01
ホテルのシャトルバス

ローマ 02
オッタヴィアーノ駅
Ottaviano

ローマ 03
Cavalleggeri通りから見たサン・ピエトロ寺院
 どこへ行こうというハッキリとした目的のない私は、取りあえずバス・ターミナルのあるヴェネツィア広場 Piazza Venezia へ行こうと、近くのタバッキ Tabacchi でバス・地下鉄の一日券 BIG / Biglietto Integrato Giornaliero (4エウロ、1エウロ=約 140 円換算で 560 円)を買った。バス路線は全く分からないけど、一日券を買ったから、どうにかなるだろう。
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■ローマの休日第二幕
 ローマの地下鉄は一度乗ってみたけど、ホームは暗く、車両に落書きが多く、何か汚かったし、車内ではジロジロ見られて怖かった。ナポリ&ポンペイのツアーでご一緒した日本人のご夫婦が、地下鉄でスリに遭いかけたとおっしゃっていたし、もう乗りたくない。地下鉄では、風景を楽しむことができないし、今日は乗り物に乗るならバスにしよう。バスにもスリがいるらしいので、危険な目に遭わないようにしっかりカバンを前に抱き持っておこう。

 ローマでタクシーに乗ると、初乗りが約 2.33 エウロ(約 326 円)と日本に比べて安いのだが、観光客に対しては、たまに運転手さんがわざと目的地まで遠回りしちゃったりするので、要注意。運転手さんにお金を奪われたというもっとヒドイ話も聞いたことがある。お金もかかるし、今回はタクシーには乗らないゾ!

 タバッキに入って明るく挨拶。タバッキの店員さんとお客さんは、親切で、ヴェネツィア広場へ行きたいと言うと、どの番号のバスに乗ったらいいか教えてくれ、私がわかっていないと思ったのか、紙に書いてさえもしてくれた。驚くのは、彼らは別に調べなくてもスラスラと、Cavalleggeri バス停からヴェネツィア広場に行くバスの番号(46、64、571、916)をいくつも言うことができること。ちょっとスゴかった。それほどバスが身近な交通手段なのかな。お蔭で助かりました。 Grazie!
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■ローマの休日第三幕
 ローマの休日は雄大壮麗。ローマのヴェネツィア広場のランドマークは、ヴェネツィア宮殿 Palazzo Venezia よりも、ヴィットリオ・エマヌエーレ2世記念堂 Monumento a Vittorio Emanuele II 。入場料がタダなので、中に入ってみる。一月に、美術館・博物館の入場料がタダであるロンドンを旅行したばかリで、入場料を払うのがどうも勿体無(もったいな)く感じるようになった。観光立国イタリアはそうはいかないが、今回は入場料の要らない名勝を廻りたいと思っている。(だから『ローマの噴水』もその一環。)それにしてもヴィットリアーノ Vittoriano (ヴィットリオ・エマヌエーレ2世記念堂のこと)はスゴイ!!まさに壮麗という言葉がピッタリだ。階段を上がっていくと、直立不動で立っている二人の水兵さんがいる。彼らは無名の戦士のお墓を守っているそうだが、何を思いながらジッと真面目な顔で立ち続けているのだろう。去年の春、ヴィットリアーノの横で涼んでいた時、ここに勤める水兵さん達がキャピ系な女の子の観光グループに声をかけ、必死に誘っていたのを思い出した。

 ヴィットリアーノから眺めるローマの町は本当にキレイで、一日中ここに居てもいいかもねと思った。チップが要るけど、トイレもあるしね。
ローマ 04
ヴィットリオ・エマヌエーレ二世記念堂

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何を考えているのか、じっと立ち続ける水兵さん

ローマ 06
とてもキレイな眺め

ローマ 07
天井が美しくて、口を開けっ放し状態デス

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■ローマの休日第四幕
 ローマの休日は凄い。ヴィトリアーノの裏側、カンピドーリオの丘 Monte Campidoglio へ足を運ぶ。古代ローマの中心地カンピドーリオの丘は、その名が首都という意味の英語 capital の語源だそう。長い坂のような階段をセッセと上っていくと、ミケランジェロ Michelangelo ( 1475-1564 )の意匠である美しい広場、カピドーリオ広場 Piazza Campidoglio が眼前に広がる。美術館に行かなくても、美術の巨匠が作った作品に街中で巡りあえるんだから、ローマはなんて凄いんだ!
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■ローマの休日第五幕
 ローマの休日は一日では物足りない。カンピドーリオ広場を抜けると、その後ろにはフォロ・ロマーノ Foro Romano 。フォロは、「公共広場」と言う意味でラテン語はforumの語源。いわゆるローマ広場だ。ここも無料で見学できる。以前は有料だったのだそうだが、有料になった円形闘技場コロッセオ Colosseo の代わりに無料になったらしい。幸の「タダのローマの休日」の企画のメインイヴェントでもある。詳しくはまた、別のファイルを設ける。
 フォロ・ロマーノの上にあるパラティーノの丘 Monte Palatinoとコロッセオは共通のチケット(8エウロ、約 1120 円)で入場できる。タダのローマの休日ではパス!
ローマ 08
カンピドーリオ広場はもうすぐ!

ローマ 09
マルクスアウレリウスの像
後ろにあるのが、この像の本物が展示されている
カピトリーニ美術館

 フォカスの記念柱は1本柱、双子の神カストルとポルックス神殿の3本柱、8本の円柱がサトゥルヌス神殿、ヴェスタの神殿、エミリアのバジリカ 、セプティミウス・セヴェルス帝の凱旋門。AD312年に完成したと言われるマクセンティウスのバシリカ(古代ローマの裁判所や取引所などに使用した建物)など等、ポンペイの遺跡同様幾ら観ても観たりない。ローマ時代の遺跡が立ち並ぶフォロ・ロマーノは圧巻。いい加減に思える今のローマ人(ゴメンナサイ)だけど、昔はそうじゃなかったんだなぁと思った。掘ればいくらでも昔の物が出て来るようで、まだ発掘作業をしている人たちが居た。これでは考古学者が幾らいても足りません。
ローマ 10
フォロ・ロマーノ

ローマ 12
フォロ・ロマーノには、遠足の子供たちがいっぱい!

ローマ 11
まだ何か出てくるの?

ローマ 13
パラティーノの丘もタダにして欲しい…

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ローマ 14
右後方にあるのは、ティトウスの凱旋門

ローマ 15
コロッセオ
映画「グラディエーター」そのままだ。


ローマ 16
コンスタンティヌスの凱旋門
パリの凱旋門 Arc de Triomphe de l'Etoile は、
これに影響を受けて、ナポレオン・ボナパルトが救ったとか。

■ローマの休日第六幕
 ローマの休日は歴史がいっぱい。フォロ・ロマーノを出ると、コロッセオ広場 Piazza del Colosseo 。移民の人たちが、お土産物を露天販売している。猫もいる。巨大なコロッセオが欠けてしまっているのは、サン・ピエトロ寺院などの教会建造のために、コロッセオの沢山の石材が使われたからだそうだ。ゆったりネコが昼寝をしている。

  312 年にミルヴィオ橋の戦い la battaglia di Ponte Milvio / the battle of Milvian Bridge で、マクセンティウス Massenzio / Maxentius を破ったコンスタンティヌス Constantino / Constantine ( 280頃-337 :古代ローマ皇帝〔 306-337 〕。大帝。宗教寛容政策をとりミラノの勅令を発しキリスト教を公認、ニカイア公会議を開きキリストの人性と神性をめぐる教義論争を調停。首都をローマからビザンチウムに移し、身分制の強化、軍制の改革など専制確立に努め、帝国再建を図った。)が、勝利を記念して 315 年に建てたコンスタンティヌスの凱旋門 Arco di Constantino もある。かのナポレオン Napoléon Bonaparte ( 1769-1821 )は、コンスタンティヌスの凱旋門を見て、パリの凱旋門 Arc de Triomphe de l'Etoile ( 1836 年完成)を作ることにしたのだとか。

 因みにコンスタンティヌス大帝(英語ではコンスタンティン)と、最近アップしたキアヌ・リーヴス(『 ミッドナイトをぶっとばせ!<未> (1988) THE NIGHT BEFORE 』『 ドラキュラ (1992) BRAM STOKER'S DRACULA 』『 マトリックス (1999) THE MATRIX 』『 ギフト (2000) THE GIFT 』『 陽だまりのグラウンド (2001) HARDBALL 』『 恋愛適齢期 (2003) SOMETHING'S GOTTA GIVE 』『 マトリックス リローデッド (2003) THE MATRIX RELOADED 』『 マトリックス レボリューションズ (2003) THE MATRIX REVOLUTIONS 』)主演の映画『 コンスタンティン (原題) (2004) CONSTANTINE 』とは関係がないと思う。
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■ローマの休日第七幕
 ローマの休日はいい散歩日和。ポンペイも凄かったけどフォロ・ロマーノも凄かった。フォロ・ロマーノを出て、目前に広々としたコロッセオ広場に立つコンスタンティヌスの凱旋門を眺めてコロッセオの周囲で少し休む。
 教会はタダで入れるところが多い。そこで次は、『 ローマの休日 (1953) ROMAN HOLIDAY 』で有名なサンタ・マリア・イン・コスメディン教会 Santa Maria in Cosmedin の真実の口 Bocca della Verità を見に行くことに。地図を見ると、コロッセオ広場からはわりと距離があるようだが、バスに乗らず、徒歩で行ってみようと思う。パラティーノの丘とチェリオの丘 Monte Celio の間のサン・グレゴリオ Via di S. Gregorio 通りと、古代の戦車競技場チルコ・マッシモ Circo Massimo を歩くのもイイ散歩だ。持参してきた簡単なイタリアンサンドイッチ・パニーニを食べ、水分補給して、サン・グレゴリオ通りの広い歩道をゆっくりと歩く。広い道路には車が沢山走っているが、緑が多いので余り車の騒音が気にならない。この通りは快い。タダのローマの休日を満喫しているゾーって気分。右手にはフォロロマーノの別の入場門がある。観光用の2階建てバス、丁度フィレンツェで乗ったのと同じホップオン・ホップオフの市内観光バスに出くわして、桟敷席から乗客が手を振ってくれた。見知らぬ土地で楽しい瞬間。

コロッセオ広場/サン・グレゴリオ通りの出店


ゆったりとしたサン・グレゴリオ通りを気持ちよく歩く


サン・グレゴリオ通りの入口からもフォロ・ロマーノに入れる


グレゴリオ通りは思ったより交通量が少ない

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■ローマの休日第八幕
 ローマの休日は広く豊かだ。現在、緑の大きな広場のようになっているチルコ・マッシモでは、『ローマの休日』の監督でもあるウィリアム・ワイラー William Wyler 監督のアカデミー賞史上最多受賞作品『 ベン・ハー (1959) BEN-HUR 』の撮影が行われたそうだ。『 ベン・ハー (1959) BEN-HUR 』は、子供の頃TVで見て、大変影響を受けたのを覚えている。たまたま家に児童用の『ベン・ハー』の本があり、映画のお蔭ですごくハマった。

ベン・ハーの撮影に使ったチルコ・マッシモ

ローマ 17
広々として気持ちいいチルコ・マッシモ

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■ローマの休日第九幕
 ローマの休日はそろそろ終わりに近づく。サンタ・マリア・イン・コスメディン教会の入り口は狭く、案外簡素だ。馬車が止まっていて観光客を待っている御者のオジサンが何か私に話しかけてきた。早口で分らなかったけど「多分乗らないか?」みたいなことじゃないかな。「ブォオン・ジョルノ」だけ云って、すぐ左手の列に並んだ。真実の口 La Bocca della Verità の前は十数人の観光客。やはり「ローマの休日」で人気の観光スポットなのだ。それぞれが口に手を入れ写真に収める。私は教会内をヴィデオに撮って、お土産コーナーに直行。真実の口のピンバッチを買った。2.5エウロだった。また、コレクションが増えてウレシイ。幸もアン王女縁の真実の口に手を入れたのも嬉しかったけど、「ローマの休日」のようにハンサムなパートナーがいないのはチョットさみしいかも。

 映画縁のベン・ハーとメッサラが戦車で死闘を繰り広げたチルコ・マッシモを歩き「ローマの休日」のサンタ・マリア・イン・コスメディン教会の真実の口も、どちらもとても感動。本当にきれいな青い空で最高の気分だった。幸企画タダの「ローマの休日」はお勧めプランだわ!

十数人が真実の口の前に並んでいた

ローマ 18
手を吸い込まれなくてヨカッタ!

 ローマは映画縁の地が多い。タイトルの『 ローマの休日 (1953) ROMAN HOLIDAY 』のスペイン広場、『 グラディエーター (2000) GLADIATOR 』の剣闘士が出てきそうなコロッセオ、ローマ観光そのものズバリの『 ザ・リジー・マグワイア・ムービー (原題) (2003) THE LIZZIE MCGUIRE MOVIE 』。そんな町全体が博物館のローマは、お金を払わなくても、十分観光でき、タダの”ローマの休日 Free Roman Holiday ”を満喫できる。
 『 ハリー、見知らぬ友人 (2000) WITH A FRIEND LIKE HARRY (米題) / HARRY IS HERE TO HELP (米題) / HARRY, UN AMI QUI VOUS VEUT DU BIEN (仏題) 』のレヴューで”フランス人はタダが好き”と書いたことがあったけど、関西のオバチャンもタダが好き。私もタダが好きだから、その予備軍(卒業旅行の学生から見れば、もうそうだったり…)?でも、いつか海外で見かけるオバチャンみたいに、臆することなく旅行できたらいいな。

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※エッセイ「シャイな幸の独り言」の「チップ」、「ローマの休日(副題:タダのローマの休日)」、「ローマの噴水」の三部作の一つへ進む・・・。
Text by Sati
coda21「映画の森てんこ森」幸田幸。
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