ラ・タービュランス＠映画の森てんこ森

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ラ・タービュランス　(2002)

LA TURBULENCE DES FLUIDES (仏題) / CHAOS AND DESIRE (英題)

幸の観たい度：８つ星　

■映画『ラ・タービュランス　(2002) LA TURBULENCE DES FLUIDES / CHAOS AND DESIRE 』のポスター、予告編および映画データ

ラ・タービュランス

Links:	Official Web Site
Trailers:

上映時間 Runtime：	1:54
製作国 Country：	カナダ／フランス Canada / France
製作会社 Production Company：	Alliance Atlantis Communications [ca] Europa Corp. [fr] Max Films Productions Inc. [ca]
加仏配給会社 Distributer：	EuropaCorp. Distribution [fr] Vivafilm [ca] (Canada)
加仏初公開 Release Date：	2002/08/22　 (Montreal Film Festival) 2002/12/11　(France)
日本初公開 R. D. in Japan：	2004/　予定
日本公開情報：	ギャガ
ジャンル Genre：	ドラマ／サスペンス／ロマンス／ＳＦ Drama / Mystery / Romance / Sci-Fi
MPAA Rating 指定：	Rated PG.
日本語公式サイト	調査中

●スチルはnostalgia.com、予告編はcinemaclock.comより許諾をえて使用しています。
Filmography links and data courtesy of The Internet Movie Database & Nostalgia.com.
Filmography links and data courtesy of CinemaClock Canada Inc.

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■映画『ラ・タービュランス　(2002) LA TURBULENCE DES FLUIDES / CHAOS AND DESIRE 』の解説

　映画『ラ・タービュランス　(2002) LA TURBULENCE DES FLUIDES (仏題) / CHAOS AND DESIRE (英題) 』はリュック・ベッソン製作の一風変った作品のようだ。『ラ・タービュランス』はただのＳＦパニック映画でもなく、「Ｘ－ファイル」的でもなく、もっと人間の精神を絡めた内容なのだそうだ。『ラ・タービュランス』はフランス・カナダ合作で、台詞はフランス語で、英語の字幕。でも、日本も関係あるので、日本語も出てくるらしい。ギャガＨＰでは仮題の「カオス・アンド・デザイア」で日本公開は 2004 年。一方、allcinema ONLINE では『ラ・タービュランス』と発表されており、劇場未公開となっている。『ラ・タービュランス』は一体公開されるか、されないのか、どっち？？？

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■映画『ラ・タービュランス　LA TURBULENCE DES FLUIDES / CHAOS AND DESIRE 』のプロデューサー

　『ラ・タービュランス』の製作は、フランスの娯楽映画‘ヒット仕掛け人’リュック・ベッソンらである。ベッソンは
『ＴＡＸｉ　(1997) TAXI 』
『ジャンヌ・ダルク　(1999) JOAN OF ARC / THE MESSENGER: THE STORY OF JOAN OF ARC 』
『ＴＡＸｉ２　(2000) TAXI 2 』
『ＹＡＭＡＫＡＳＩ　ヤマカシ　(2001) YAMAKASI 』
『キス・オブ・ザ・ドラゴン　(2001) KISS OF THE DRAGON 』
『ミッション・クレオパトラ　(2002) ASTERIX & OBELIX: MISSION CLEOPATRE (原題) / ASTERIX & OBELIX: MISSION CLEOPATRA (米題) 』
『天使の肌　(2002) PEAU D'ANGE (原題) / ONCE UPON AN ANGEL (米題) 』
『ブランシュ　(2002) BLANCHE 』
『トランスポーター　(2002) THE TRANSPORTER 』『ＴＡＸｉ３　(2003) TAXI 3 』
『これ以上の幸せはない　(2002) LA FELICITA NON COSTA NIENTE (原題) / HAPPINESS COSTS NOTHING (英題) 』
『花咲ける騎士道　(2003) FANFAN LA TULIPE 』
『クリムゾン・リバー２　黙示録の天使たち　(2004) CRIMSON RIVERS 2: ANGELS OF THE APOCALYPSE 』
『ＴＡＸＩＮＹ　(2004) TAXI 』等、依然として活躍中である。

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■映画『ラ・タービュランス　LA TURBULENCE DES FLUIDES / CHAOS AND DESIRE 』の配役

　カナダのケベックが舞台だから、配役には、地元のルーシー・ロビテ－ユが受け持っている。
『みなさん、さようなら　(2003) LES INVASIONS BARBARES (原題) / THE BARBARIAN INVASIONS (英題) 』
『大いなる誘惑 (仮題) (2003) LA GRANDE SEDUCTION (原題) / SEDUCING DOCTOR LEWIS (英題) 』
『ニュースの天才　(2003) SHATTERED GLASS 』
『白いカラス (2003) THE HUMAN STAIN 』

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■映画『ラ・タービュランス　LA TURBULENCE DES FLUIDES / CHAOS AND DESIRE 』のあらすじ
※本作『ラ・タービュランス』のあらすじは、日本公開前に幸田幸が書いたものです。作成現時点で出来るだけ正確な情報を心掛けていますが、データや内容に誤りや適切でない表現があるかもしれません。どうか宜しくご了解いただきお読みくださいますようお願いいたします。本コンテンツの複写や転用等はお控えください。また、リンクやメールをいただく場合はここを必ずお読みくださいますように。映画会社や配給会社や宣伝担当会社からの情報提供はこちらをお読みください。
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　映画『ラ・タービュランス』はヒロインの女性が三人いる。主要な男性登場人物は一人だけ。監督・脚本マノン・ブリアンも女性。だから『ラ・タービュランス』は女性の目で、詩的で陽気でユーモアがあり感情的、しかし安易でないという性質の作品に仕上がっている。先ず、一番のヒロイン、アリス・ブラッドリー（パスカル・ビュシエール：『天国の青い蝶　(2004) THE BLUE BUTTERFLY 』等）は、東京を基点に地震学の研究をしている独立した調査員である。故郷はカナダ、ケベック州、セント・ローレンス川 St. Lawrence River, Quebec 付近の小さな村ベ・コモ Baie Comeau （コモ湾）である。そこはマノン・ブリアン監督自身の故郷でもあり、監督こだわりの地だ。

　ある日、その故郷の村ベ・コモで、潮の満ちひきが止まるという異変が起きる。そこで、地震学者アリス・ブラッドリーは東京から故郷ベ・コモに戻って原因を突き止めることになった。雑踏と喧騒の街、東京から、静かな田舎の村への移動は、世界の端へ行くくらいの大きなコントラストを描く。日本人の名の配役も数人いるようだ。『Ｘ－メン　(2000) X-MEN 』出演のジェイ・ユーとか、日本人とは限らないようだが。東京は『ロスト・イン・トランスレーション　(2003) LOST IN TRANSLATION 』でも上手く舞台に使われて、非常にいい味を出している。さて、アリスはベ・コモの村に戻る。潮の満ちひきというのは、月と地球の引力の関係で発生するものだ。それが、潮の満ちひきが止まったのは、このベ・コモの村だけなのだ。

　ベ・コモの村では、潮の満ちひきが止まっただけでなく、住民達の行動まで異常になっていた。例えば、中国系の少女（ジ＝ヤン・スグアン）は毎夜、全く同じ時刻に夢遊病者となる。ある女性は、自宅の庭の木々を全て切り倒してしまう。消防飛行機パイロットのマルク・ヴァンダル（ジャン＝ニコラス・ヴェロー）は、電話帳から名前が突然消える。こういうおかしな現象や人々の奇怪な言動が発見されていく。アリスは、この男性マルク・ヴァンダルとは追いつ追われつの、ゆっくりとしたロマンスが進んでいく。マルクは妻を前年に溺死で亡くしている寡（やもめ）なのだ。正しくは、溺死と’推測‘されている。この点が、潮の満ちひき停止を起こし、ベ・コモの村で熱波を引き起こすというミステリーの根源となるのだ。

　マノン・ブリアン監督自身、友人を飛行機事故で亡くしたか、行方不明かで、非常に悲しく苦しい思いを経験したことが、このプロットを書く要素になっているそうだ。「水」は、「生命」と、「デザイア（欲望）」「母性」の具現の象徴であるという。主人公アリスは、海の洗礼と潮の満ちひきが元に戻ることを通して生まれ変わる。こういう寓話は、イタリア・フランス映画でエマニュエル・クリアレーズ Emanuele Crialese 監督の『 RESPIRO (2002) (邦題不明) 』及びアメリカ映画でスコット・マクギー Scott McGehee とデヴィッド・シーゲル David Siegel 監督・製作の『ディープ・エンド　(2001) THE DEEP END 』の二作で、女性（母親）が主人公となり、水に関連があるのと類似性があると論じられている。『 RESPIRO 』は地中海 the Mediterranean Sea 、『ディープ・エンド』はカリフォルニア州タホ湖 Lake Tahoe, California 、そして『ラ・タービュランス』は大西洋 the Atlantic Ocean という違いで。

　女性ばかりが主人公という点では、『ラ・タービュランス』は、地震学者のアリスの他に、もと修道院の尼僧・ウェイトレスのコレット・ラサール（ジュヌヴィエーヴ・ビジョルド）、そしてアリスとレズの関係になるらしいジャーナリストの友人カトリーヌ・ロランド（ジュリー・ガイエ）らが、この村の異常事態の大きな鍵を握るらしい。

　アリスは過去から逃げたくて、常に孤独を味わっている女性だ。また、宗教にも信仰心がない。地震学の装置が女子修道院で見つかり、このことから、潮の満ちひきの停止も住民の異常言動も、超自然で精神面の原因があるのだと分かってくる。一見、『ザ・コア　(2003) THE CORE 』とか『デイ・アフター・トゥモロー　(2004) THE DAY AFTER TOMORROW 』のようにＳＦ的であるし、「 X-Files 」の科学で解明できない不可解な人間行動のようにも見せておきながら、『ラ・タービュランス』は決してそうではなく、人間の現実問題だと観客に呑みこませる。だから、プロットは精妙。隠喩（いんゆ）を多用して、この映画『ラ・タービュランス』は「デザイア（欲望）」を象徴しているのだそうだ。実際、アリスが故郷の村ベ・コモに戻って来ると、村全体が不思議な臭い。それは「sex」の臭いだそうで。ラストでは、妻の死亡の件が一件落着で、マルク・ヴァンダルは罪の意識を持たずに済んで、晴れてアリスと海岸で結ばれるのだそうだ。

　だから『ラ・タービュランス』の英語タイトルが「カオス・アンド・デザイア（CHAOS AND DESIRE ＝混沌と欲望）」なのか！（「 CHAOS 」は『女はみんな生きている　(2001) CHAOS 』参照）因みに、『ラ・タービュランス』のフランス語タイトルの「 LA TURBULENCE DES FLUIDES 」を直訳すれば「流体の大荒れ・流動の喧騒癖」ということ。

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■映画『ラ・タービュランス　LA TURBULENCE DES FLUIDES / CHAOS AND DESIRE 』の受賞

　『ラ・タービュランス』は、 2002 年モントリオール国際映画祭 Montreal World Film Festival で最優秀カナダ映画大衆賞 Public Prize for the Best Canadian Film 、並びに、2003 年、ケベックのオスカーと称せられる Jutra Awards の Special Jutra を獲得した。

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【『ラ・タービュランス』のスタッフとキャスト】

監督：マノン・ブリアン　Manon Briand　(Directed by)
製作：リュック・ベッソン　Luc Besson　(producer)
　　　　ロジェ・フラピエ　Roger Frappier　(producer)
　　　　ピエール＝アンジェ・ル・ポーガム　Pierre-Ange Le Pogam　(producer)
　　　　リュック・ヴァンダル　Luc Vandal　(producer)
脚本：マノン・ブリアン　Manon Briand　(Writing credits)
撮影：デヴィッド・フランコ　David Franco　(Cinematography by)
編集：リシャール・コミュー　Richard Comeau　(Film Editing by)
配役：ルーシー・ロビテ－ユ　Lucie Robitaille　(Casting by)
音楽：シモン・クロケ　Simon Cloquet　(Original Music by)
　　　　ヴァルモン　Valmont　(Original Music by)
　
出演：パスカル・ビュシエール　Pascale Bussieres as Alice Bradley
　　　　ジュリー・ガイエ　Julie Gayet as Catherine Rolland
　　　　ジャン＝ニコラス・ヴェロー　Jean-Nicholas Verrault as Marc Vandal
　　　　ジュヌヴィエーヴ・ビジョルド　Genevieve Bujold as Colette Lasalle
　　　　ジ＝ヤン・スグアン Ji-yan Seguin as Camille
　　　　ジェイ・ユー　Jay Yoo as Hiromi

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＜もっと詳しく＞

ストーリー展開の前知識やネタばれがお好みでない方は、読まないで下さい。

　映画『ラ・タービュランス　(2002) LA TURBULENCE DES FLUIDES (仏題) / CHAOS AND DESIRE (英題) 』の「テキストによる未公開映画の再現」レヴューは、現在まだ書けておりません・・・。

参考資料：「映画の森てんこ森」映画タイトル集
　　　　　　　http://www.coda21.net/eiga_titles/index.htm
　　　　　　IMDb
　　　　　　allcinema ONLINE
　　　　　　Nostalgia.com
　　　　　　CinemaClock.com

■映画『ラ・タービュランス』の更新記録
2004/06/13新規：ファイル作成
2004/12/11更新： ◆一部テキスト追記と書式変更

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幸田　幸
coda_sati@hotmail.com

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