ハリウッド映画の興行収入
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 ハリウッド映画の興行収入@映画の森てんこ森
ハリウッド映画の興行収入
2005年1月22日土曜日 「シャイな幸の独り言」トップへ
 丁髷頭の二人が登場

武州のお代官様: そのほう大和屋、らくにせい!
面(おもて)を上げい!

大和屋: はっはー。m(__)m
(正座したまま、頭を下げている)

武州のお代官様: のう大和屋、近こうよれ。
(手招きをする)

大和屋: はっはー。m(..)m

(上目遣いにお代官様を恐る恐る見る。)
(にじって近寄る。)
(すぐさま袱紗に包んだ小判を差し出す)
 代官チラッと目配せする。
武州のお代官様: 耳を貸せい!大和屋。

大和屋: はっはー、お代官様。m(__)m
(耳を慌てて手で拭う仕草)

  代官はなにやら耳元でささやくと、大和屋に腹黒の笑みがこぼれる

武州のお代官様: 宜しゅう頼むぞっ!大和屋。
(大和屋の肩を叩く)
大和屋: はっはー、お代官様。m(..)m

 大和屋は上目遣いに代官を見る。二人の目が合う。

大和屋: お代官様もなかなかでござりまするな。

武州のお代官様: さようか。うわはは。
大和屋: はっはっは。
 二人して。「うわははっは。はっはっは!うわっはっはっは。はっはっは!」

 上の台詞は、子供のとき父とよく見ていたTV水戸黄門の悪代官と商人のくだりを思いだし、お気付きかも知れませんが、武州の殿様=ブッシュ大統領=アメリカ、大和屋=大和(やまと 日本の古名)=日本国に擬(なぞら)えてみた。

 マイケル・ムーアのパフォーマンスで大いにアメリカで盛り上がった『 華氏911 (2004) FAHRENHEIT 9/11 』だが、日本はアメリカを支持し未だにイラクに派兵し続けている。アメリカ・ブッシュ親子大統領の確執に日本は追随する。
 
 それだけ日米の関係が親密なら、お門違いかもしれないが、ハリウッド映画ももっと早く来てほしい。もっと早く情報がほしい。管轄違いだろうけど小泉さん、映像・映画大国日本を目指すなら先ずハリウッド映画はどんな映画でも映画館で観れるよう<早急に処理して>もらいたい(←へ。へ、これ政治家口調)。
 韓国やフィリッピンやシンガポールは日本より随分早いと聞く。日本は映画公開は後進国並みではないかといつも思っていて不満だ。はっきり言って、数値を見ると日本は経済的にはイタリアには遅れていると思わないのに、イタリアでは随分早く観れた。オーストラリアでもそうだった。

 先日の「第62回ゴールデン・グローブ賞」のファイル作成の時、前々から気になっていて詳しくは調査していなかった作品さ 『 サイドウェイ (2004) SIDEWAYS 』がやはり賞を取った。しかし、日本の殆どの人は、かなりの映画ファンでも『 サイドウェイズ (原題) (2004) SIDEWAYS 』の映画については、存在していたことも、いつアメリカで放映されたかも知らない。

 先ず、映画さ 『 サイドウェイ (2004) SIDEWAYS 』のゴールデングローブ賞おめでとう!
 受賞部門は\(*^o^)/コメディ・ミュージカル部門作品賞、\(*^o^)/脚本賞(アレクサンダー・ペイン&ジム・テイラー)だ。そしてノミネートは、監督賞(アレクサンダー・ペイン)、コメディ・ミュージカル部門男優賞(ポール・ジアマッティ)。助演男優賞(トーマス・へイデン・チャーチ)、助演女優賞(ヴァージニア・マドセン)、音楽賞(ロルフ・ケント)だとは!いい作品だろうと、何とかファイルを作っておいたが、先日朝方早く3時過ぎまでかかってほぼ完全に近いものに仕上げた。お陰で翌日は一日中寝不足だった。確か昨年も『 コールド マウンテン (2003) COLD MOUNTAIN 』と『 モンスター (2003) MONSTER 』等を慌てて調査したことを思い出す。

 兎に角日本は映画が遅い。遅いだけでなく情報も少ない。全世界のハリウッド映画興行収入の3割は日本で売り上げているらしいのに。
 この3割という数値はどこかで読んだが、本当にそうなのか幸が自分で大雑把に計算してみた。論拠として2004年映画タイトルを例に挙げて検証してみる。
ハリウッド映画の興行収入
 先ず、その前に下知識。
 「興行収入」とは、入場料から得られる売り上げである。「興行収入」のことを別の語で「あがり」ともいう。幸がよく参考にする IMDb の英語表示では「Box Office」だ。
 「興行収入」は映画ランキングの目安の数字となっている。ほぼ実質の観客動員数(有料入場者数)に近い数字であると言われている。
 大雑把だが式にあらわすと、興行収入=入場料×有料入場者数となる。

 また、「興行収入」は、映画館で得られる入場料収入(興行収入)の内の配給会社の取り分のことを指す「配給収入」とは異なる。式にあらわすと、配給収入=興行収入×歩率(平均で50%〜60%)となる。

 以下は、ハリウッド映画の日本での興行収入トップテンとアメリカ国内での興行収入の比率である。日本での興行収入(%)=日本での興行収入÷アメリカ国内での興行収入×100

【2004年ハリウッド映画の日本での興行収入トップテンデータ】
※データは IMDb とMSN エンターテイメント −映画− [ニュース&噂]を参考にして幸が独自に作成してある。1ドル=105円換算としている。

■興行収入第 1 位 『 ラスト サムライ (2003) THE LAST SAMURAI 』ワーナー
 日本での興行収入 137億円
 アメリカ国内での興行収入 122億円 $111,110,575 (USA) (4 April 2004)
 よって日本での興行収入は、アメリカの 112.3% だ。

■興行収入第 2 位 『 ハリー・ポッターとアズカバンの囚人 (2004) HARRY POTTER AND THE PRISONER OF AZKABAN 』ワーナー
 日本での興行収入 135億円
 アメリカ国内での興行収入 262億円 $249,358,727 (USA) (31 October 2004)
 よって日本での興行収入は、アメリカの 51.5% だ。

■興行収入第 3 位 『 ファインディング・ニモ (2003) FINDING NEMO 』ブエナビスタ
 日本での興行収入 110億円
 アメリカ国内での興行収入 357億円 $339,714,367 (USA) (14 December 2003)
 よって日本での興行収入は、アメリカの 30.8% だ。

■興行収入第 4 位 『 ロード・オブ・ザ・リング/王の帰還 (2003) THE LORD OF THE RINGS: THE RETURN OF THE KING 』ヘラルド/松竹
 日本での興行収入 104億円
 アメリカ国内での興行収入 396億円 $377,019,252 (USA) (30 May 2004)
 よって日本での興行収入は、アメリカの 26.3% だ。

■興行収入第 5 位 『 スパイダーマン2 (2002) SPIDER-MAN 2 』ソニー
 日本での興行収入 65億円
 アメリカ国内での興行収入 392億円 $373,377,893 (USA) (14 November 2004)
 よって日本での興行収入は、アメリカの 16.6% だ。

■興行収入第 6 位 『 デイ・アフター・トゥモロー (2004) THE DAY AFTER TOMORROW 』フォックス
 日本での興行収入 51.5億円
 アメリカ国内での興行収入 196億円 $186,739,919 (USA) (31 October 2004)
 よって日本での興行収入は、アメリカの 26.3% だ。

■第 7 位 『 トロイ (2004) TROY 』ワーナー
 日本での興行収入 42億円
 アメリカ国内での興行収入 140億円 $133,228,348 (USA) (15 August 2004)
 よって日本での興行収入は、アメリカの 30% だ。

■興行収入第 8 位 『 アイ,ロボット (2004) I, ROBOT 』フォックス
 日本での興行収入 38億円
 アメリカ国内での興行収入 152億円 $144,795,350 (USA) (26 December 2004)
 よって日本での興行収入は、アメリカの 25% だ。

■興行収入第 9 位 『 ホーンテッドマンション (2003) THE HAUNTED MANSION 』ブエナビスタ
 日本での興行収入 34億円
 アメリカ国内での興行収入 79.6億円 $75,817,994 (USA) (11 April 2004)
 よって日本での興行収入は、アメリカの 42.7*% だ。

■興行収入第 10位 『 ヴァン・ヘルシング (2004) VAN HELSING 』ギャガ・ヒューマックス
 日本での興行収入 28億円
 アメリカ国内での興行収入 126億円 $120,025,245 (USA) (1 August 2004)
 よって日本での興行収入は、アメリカの 22.2% だ。

 ゆえに、大雑把だが、以上のパーセントの日本での平均興行収入は、38.37%であるから、優に30%(3割)は超えている。

 因みに、『 ロード・オブ・ザ・リング/王の帰還 (2003) THE LORD OF THE RINGS: THE RETURN OF THE KING 』のアメリカ国内での興行収入は、392億円で、日本での興行収入は、104億円でアメリカの26.3%で3割は満たないが、イギリスの118億円[£60,666,284 (UK) (21 March 2004)※1ポンド=190円換算]には及ばないものの、イタリアは、30.8億円[22,834,522ユーロ (Italy) (25 July 2004)※1ユーロ=135円換算。]で、フィリッピン 1.67億円[PHP 90,330,863 (Philippines) (22 August 2004)1Pペソ=1.85円換算]で、日本は大きなハリウッド映画の最大市場の一つであることは間違いない。

 このように見ると、改めて、これだけ日本では売り上げが上がるのに、なんで映画は遅いの?当たるという映画は同時公開、または数日遅れで公開するのに。儲からない映画は佳作でも後回し?

 あれ?待てよ。ひょっとして、ハリウッドは、売り上げが悪いときは、最後に日本で調整しているのではないかと勘繰ってしまう。それっておいしいものを後回しにして食べるのと同じかしら?またはお金は羊のようにおとなしい日本で調達する?
 日本では宣伝をTVや雑誌などのマスコミで宣伝すればするほどヒットするというシナリオに乗せられて、映画を観てはいけないなと思うことがよくある。確かに映画は作る人たちの努力の結晶であることは認めるが。冒頭のシナリオじゃないが・・・私たち町人は大きな力と商人に利用されてはいないかと・・・疑ってみてもいいのでは。

 最近日本では、ノンハリウッド映画が、メジャーじゃない配給会社からどんどん配給されている。映画の森てんこ森は「マイナー映画」のレヴューが多いと辛口批評をいただいたこともあるが、私としてはメジャーじゃなくても、公開前に調査したり試写会やサンプルVで観たりしていい映画と感じた映画は、読む映画試写会コーナーで映画解説や映画レヴューを書いて、どんどん情報発信していきたいと思っている。会社は大きくなくても、映画に対する姿勢がとっても真摯で、配給する映画の本数は少ないが一作一作思いを込めて配給している配給会社は是非応援したい。

 映画の質は結果として儲かるかどうかの「興行収入」という価値判断で測られたくもないだろうし、そんなことに拘っていたら決して名作は作れないと思う。

(「武州のお代官様と大和屋ものがたり」の文中の団体・個人は実在のものとは一切関係がありません)

【ハリウッド映画の興行収入】の語彙
■興行収入
 興行収入とは劇場の入場料売上の総額である。
■配給収入
 配給収入とは興行収入のうち、映画 を配給(流通)した会社の取り分となる収入のことである。
 条件は映画によって異なるが、おおよそ興行収入の50〜60%を占める。配給収入の取り分の比率(歩率)は、原則的に事前の契約で決められることになっている。
 (大和総研http://www.dir.co.jp/research/report/equity-mkt/quants/04121401quants.pdf

参考資料:「映画の森てんこ森」映画タイトル集
       http://www.coda21.net/eiga_titles/index.htm
      IMDb
      allcinema ONLINE
      Nostalgia.com
      CinemaClock.com
      大辞林(国語辞典)by三省堂
      大和総研クオンツ情報
       
http://www.dir.co.jp/research/report/equity-mkt/quants/04121401quants.pdf
Text by Sati
coda21「映画の森てんこ森」幸田幸。
coda_sati@hotmail.com
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