| シルミド／ＳＩＬＭＩＤＯ | |||||||||||||||||||||||||||
| ｜表紙｜目次｜読む映画試写会｜レヴュー｜観たい度映画｜予告編｜エッセイ｜日誌｜試写会情報｜リンク集｜ ｜ 映画人 ｜解説・レヴュー一覧表 ｜映画ゲーム ｜思い出映画｜ブロードバンド(B)版｜旅行の森てんこ森｜ |
|||||||||||||||||||||||||||
| 映画の森てんこ森■読む映画試写会■映画解説 | |||||||||||||||||||||||||||
 シルミド／ＳＩＬＭＩＤＯ (2003) |
|||||||||||||||||||||||||||
| SILMIDO / 実尾島 | |||||||||||||||||||||||||||
| 映画『 シルミド／ＳＩＬＭＩＤＯ (2003) SILMIDO / 実尾島 』を紹介します。 映画『 シルミド／ＳＩＬＭＩＤＯ SILMIDO / 実尾島 』を以下に目次的に紹介する。 ■映画『 シルミド／ＳＩＬＭＩＤＯ SILMIDO / 実尾島 』のポスター、予告編および映画データ ■映画『 シルミド／ＳＩＬＭＩＤＯ SILMIDO / 実尾島 』のスタッフとキャスト ■映画『 シルミド／ＳＩＬＭＩＤＯ SILMIDO / 実尾島 』の解説 ネタばれをお好みでない方はこの解説をご覧下さい。 ■映画『 シルミド／ＳＩＬＭＩＤＯ SILMIDO / 実尾島 』の主なスタッフ ■映画『 シルミド／ＳＩＬＭＩＤＯ SILMIDO / 実尾島 』の主なキャスト ■映画『 シルミド／ＳＩＬＭＩＤＯ SILMIDO / 実尾島 』のあらすじ ■映画『 シルミド／ＳＩＬＭＩＤＯ SILMIDO / 実尾島 』の受賞 ■映画『 シルミド／ＳＩＬＭＩＤＯ SILMIDO / 実尾島 』のトリビア ■映画『 シルミド／ＳＩＬＭＩＤＯ SILMIDO / 実尾島 』の＜もっと詳しく＞ ＜もっと詳しく＞は映画『 シルミド／ＳＩＬＭＩＤＯ 』の「テキストによる映画の再現」レヴュー（あらすじとネタバレ）です。※ご注意：映画『 シルミド／ＳＩＬＭＩＤＯ (2003) SILMIDO / 実尾島 』の内容やネタバレがお好みでない方は読まないで下さい。 ■映画『 シルミド／ＳＩＬＭＩＤＯ SILMIDO / 実尾島 』の結末 ■映画『 シルミド／ＳＩＬＭＩＤＯ SILMIDO / 実尾島 』の更新記録 >>「映画解説・レヴュータイトル一覧表」へ（画面の切り替え） |
|||||||||||||||||||||||||||
幸の観たい度： ８つ星   |
|||||||||||||||||||||||||||
| ■映画『 シルミド／ＳＩＬＭＩＤＯ (2003) SILMIDO / 実尾島 』のポスター、予告編および映画データ | |||||||||||||||||||||||||||
シルミド／ＳＩＬＭＩＤＯ ポスターはwww.isop.ucla.edu より引用させて頂きました。
|
|
||||||||||||||||||||||||||
| ●スチルはnostalgia.com、予告編はcinemaclock.comより許諾をえて使用しています。 Filmography links and data courtesy of The Internet Movie Database & Nostalgia.com. Filmography links and data courtesy of CinemaClock Canada Inc. |
|||||||||||||||||||||||||||
| ▲TOPへ | |||||||||||||||||||||||||||
| 【『 シルミド／ＳＩＬＭＩＤＯ 』のスタッフとキャスト】 | |||||||||||||||||||||||||||
| 監督： カン・ウソク Kang Woo-Suk (Directed
by) 武術監督： チョン・ドゥホン Jung Doo-hong (martial arts director) 製作： イ・ミンホ Lee Min-Ho (producer) ジョナサン・キム Jonathan Kim (co-producer) トーマス・レオン Thomas Leong (consulting producer) 製作総指揮： カン・ウソク Kang Woo-Suk (executive producer) 原作： ペク・ドンホ Baek Dong-Ho (novel) 脚本： キム・ヒジェ Kim Hie-jae (Writing credits) 撮影： キム・ソンボク Kim Sung-Bok (Cinematography by) 音楽： チョ・ヨンウク Jo Yeong-wook (Original Music by) ハン・ジェグオン (Original Music by) 出演： アン・ソンギ Ahn Sung-kee as 韓国空軍准尉チェ・ジェヒョン ソル・ギョング Sol Kyung-gu as 684部隊第3班長カン・インチャン ホ・ジュノ Heo Jun-Ho as 韓国空軍兵チョ2曹 チョン・ジェヨン Jeong Jae-yeong as 684部隊第1班長ハン・サンピル イム・ウォニ Lim Won-hui as 684部隊訓練兵ウォニ カン・ソンジン Kang Seong-jin as 684部隊炊事兵 チャンソク カン・シニル Kang Shin-il as 684部隊第2班長クンジェ イ・ジョンホン Lee Jeong-heon as パク2曹 ▲TOPへ |
|||||||||||||||||||||||||||
| ■映画『 シルミド／ＳＩＬＭＩＤＯ (2003) SILMIDO / 実尾島 』の解説 映画『 シルミド／ＳＩＬＭＩＤＯ 』は、韓流ブームの一環としてアップしておきます。『 シルミド／ＳＩＬＭＩＤＯ 』はロマコメ等の軽いタッチの韓流映画ではなく、北・南問題から来るシリアスな内容。「青瓦台襲撃事件」の報復の為の極秘作戦「684部隊」と「シルミド事件」という、緊迫感溢れるアクション・サスペンス映画。 ▲TOPへ ■映画『 シルミド／ＳＩＬＭＩＤＯ (2003) SILMIDO / 実尾島 』の主なスタッフ ○『 シルミド／ＳＩＬＭＩＤＯ 』の監督・製作総指揮： カン・ウソク 『 酔画仙 (2002) CHIHWASEON (原題) / STROKES OF FIRE (英題) 』 ○『 シルミド／ＳＩＬＭＩＤＯ 』の武術監督： チョン・ドゥホン 『 風のファイター (2004) FIGHTER IN THE WIND 』 『 ＴＵＢＥ (2003) TYUBEU (原題) / TUBE (英題) 』 『 ＭＵＳＡ−武士− (2001) MUSA 』 ○『 シルミド／ＳＩＬＭＩＤＯ 』の撮影： キム・ソンボク 『 猟奇的な彼女 (2001) MY SASSY GIRL / BIZARRE GIRL 』 『 シュリ (1999) SHURI／SWIRI／SHIRI（英題） 』 ○『 シルミド／ＳＩＬＭＩＤＯ 』の音楽： チョ・ヨンウク 『 彼女を信じないでください (2004) TOO BEAUTIFUL TO LIE 』 『 オールド・ボーイ (2003) OLDBOY 』 ▲TOPへ ■映画『 シルミド／ＳＩＬＭＩＤＯ (2003) SILMIDO / 実尾島 』の主なキャスト ●アン・ソンギ as 韓国空軍准尉チェ・ジェヒョン＠シルミド／ＳＩＬＭＩＤＯ 『 マリといた夏 (2002) MY BEAUTIFUL GIRL, MARI 』 『 酔画仙 (2002) CHIHWASEON (原題) / STROKES OF FIRE (英題) 』 『 ＭＵＳＡ−武士− (2001) MUSA 』 ●ソル・ギョング as 684部隊第3班長カン・インチャン＠シルミド／ＳＩＬＭＩＤＯ 『 力道山 (2004) RIKIDOZAN 』 ●チョン・ジェヨン as 684部隊第1班長ハン・サンピル＠シルミド／ＳＩＬＭＩＤＯ 『 復讐者に憐れみを (2002) SYMPATHY FOR MR. VENGEANCE 』 ●イム・ウォニ ＠シルミド／ＳＩＬＭＩＤＯ 『 美しい夜、残酷な朝 (2004) THREE... EXTREMES 』 ▲TOPへ ■映画『 シルミド／ＳＩＬＭＩＤＯ (2003) SILMIDO / 実尾島 』のあらすじ 映画『 シルミド／ＳＩＬＭＩＤＯ 』の「シルミド／ＳＩＬＭＩＤＯ」とは現在、韓国の国際空港があるインジョン（仁川 Incheon）沖にあるシルミド（実尾島 ＳＩＬＭＩＤＯ）という島の名だ。そこに送られた三十一人の男達はある極秘任務を言い渡されていた。それは北朝鮮のキム・イルソン（金日成 Kim Il Sung）主席の暗殺計画である。それというのも、北朝鮮の特殊工作部隊が韓国大統領府である青瓦台（英語で Blue House）を襲撃未遂という危機一髪を経験したので、その報復であった。その事件は「青瓦台襲撃事件」といって、1968 年 1 月 21 日に起こっている。 その年の 4 月に金日成暗殺という韓国側の報復の極秘指令が出たので、'68 年の 4 月ということで、三十一人の男達で成る特殊工作員は 684 部隊と名づけられた。彼らは死刑囚も含まれ、過酷な訓練を受けて実行へとまい進する。けれども、金日成暗殺実行は直前になって韓国の北朝鮮に対する政策の転換があり、取り止めとなる。それだけなら救われるが、 684 部隊が存在したという事実を極秘にしておくため、この部隊の抹殺が命じられるのだ。それを知った 684 部隊の男達は毅然と反乱する。自らの国に葬られようとしているのだから…。『 シルミド／ＳＩＬＭＩＤＯ 』はこういう実話の映画化。 ▲TOPへ ■映画『 シルミド／ＳＩＬＭＩＤＯ (2003) SILMIDO / 実尾島 』の受賞 『 シルミド／ＳＩＬＭＩＤＯ 』は、韓国の 2004 Grand Bell Awards で ◎カン・ウソク監督が最優秀作品賞 Grand Bell Award Best Production 、 ◎キム・ヒジェが最優秀脚本賞 Best Screenplay 、 ◎ホ・ジュノが助演男優賞 Best Supporting Actor 、 ◎監督・製作総指揮のカン・ウソクが審査員賞 Jury Award という各賞に輝いた。 ▲TOPへ ■映画『 シルミド／ＳＩＬＭＩＤＯ (2003) SILMIDO / 実尾島 』のトリビア 『 シルミド／ＳＩＬＭＩＤＯ 』は韓国史上最高の $10 million（＄１＝￥ 110 換算で１１億円）という制作費をかけ、千万枚以上のチケットが売れたという大ヒット映画である。 |
|||||||||||||||||||||||||||
| ▲TOPへ | |||||||||||||||||||||||||||
| ＜もっと詳しく＞ | |||||||||||||||||||||||||||
 ストーリー展開の前知識やネタバレがお好みでない方は、読まないで下さい。 |
|||||||||||||||||||||||||||
| ■映画『 シルミド／ＳＩＬＭＩＤＯ (2003) 』の「テキストによる映画の再現」レヴュー 【シルミド／ＳＩＬＭＩＤＯ 第01段落】 1968 年 1 月 21 日、北朝鮮の特殊工作部隊３１人が韓国大統領府である青瓦台（英語で Blue House）を襲撃しようと潜入し、韓国軍との激しい銃撃戦が行われて未遂に終わった。その事件は「青瓦台襲撃事件」と呼ばれ、韓国史上一大事であった。そこで、その報復として韓国からも同じ人数の３１人を集めて特訓し、北朝鮮のキム・イルソン（金日成 Kim Il Sung）を暗殺しようという作戦が極秘のうちに練られる。 【シルミド／ＳＩＬＭＩＤＯ 第02段落】 裁判所で、殺人未遂のかどで死刑の宣告を受けている囚人カン・インチャン（ソル・ギョング）がいる。法廷の席では母親がそれを聞いて号泣する。そして後日、死刑執行かと思うと、独房からある部屋に連れて行かれた。中年の紳士然とした軍人、韓国空軍准尉チェ・ジェヒョン（アン・ソンギ）が意味深なことを話し始める。カン・インチャンの父親は北朝鮮へ亡命したので、息子カン・インチャンは人から後ろ指を指され人生の裏街道を生きてきた。父親のせいで駄目になった人生を国の為にやり直さないか、とチェ・ジェヒョンは語りかける。 【シルミド／ＳＩＬＭＩＤＯ 第03段落】 一方、短気っぽい男ハン・サンピル（チョン・ジェヨン）は死刑執行室で絞首刑に処される。立会人たちの目の前で首を吊られて、カーテンが引かれた…。 【シルミド／ＳＩＬＭＩＤＯ 第04段落】 こうして一度は‘死んだ’死刑囚や民間人ら３１人の男達が集められて船に乗っている。ウォニ（イム・ウォニ）ら血気盛んな男達ばかりだ。それを銃を構えて兵士らが監視している。韓国空軍兵チョ２曹（ホ・ジュノ）たちだ。すると向こうに島が見えてきた。そこがシルミド／ＳＩＬＭＩＤＯ（実尾島）である。シルミド／ＳＩＬＭＩＤＯ（実尾島）は韓国の国際空港があるインジョン（仁川）沖にあり、隣接しているムエド（舞衣島）とは引き潮の時以外は離れている無人島だ。 【シルミド／ＳＩＬＭＩＤＯ 第05段落】 シルミド／ＳＩＬＭＩＤＯ（実尾島）に近づくと、否応なしに海に飛び込まされた。仕方なく島まで泳ぐ男達。船は爆破された。つまり片道切符というわけ。島に泳ぎ着くと、軍人達が既にいて、３１人の男達を厳しい態度で迎える。ここの教育隊長こそが、上述の韓国空軍准尉チェ・ジェヒョンである。３１人の男達はなるほど死刑囚や社会の底辺にいる者たちだが、軍服を着れば同士、命がけで祖国を守るよう訓練しようとしているのだとチェ教育隊長は演説する。そしてこの極秘部隊を、'68 年の 4 月ということで、684部隊と名付ける。北朝鮮の特殊工作部隊が二ヶ月前に３８度線を越えて韓国大統領府の青瓦台を襲撃に失敗し、その報復に北朝鮮へ潜入してキム・イルソン（金日成）の首をとる、それが彼らの使命だ。 【シルミド／ＳＩＬＭＩＤＯ 第06段落】 早速、訓練兵達のトレーニングが始まった。ランニング、岩登り、砂浜や森の中のランニング、泥水と有刺鉄線を仰向けに前進、腕立て伏せ、ベンチプレス、ライフル射撃、等々。ハードトレーニングは 『 Ｇ.Ｉ.ジェーン (1997) G.I. JANE 』や 『 コンフェッション (2002) CONFESSIONS OF A DANGEROUS MIND 』や 『 リクルート (2003) THE RECRUIT 』等を思い出してくれればいい。また、万一、北朝鮮に捕らえられたら自決しろ、自決に失敗したら死ぬまで‘北’の拷問が待っているぞ、と脅される。そして684部隊の全員に、熱した鉄を背中に押し当てて力量を見る。すると、大部分が悲鳴を上げて海中に飛び込むのに、三人だけじっと我慢の男がいた。チェ教育隊長はその三人を班長にして訓練兵達の班編成を組む。 【シルミド／ＳＩＬＭＩＤＯ 第07段落】 ６８４部隊第１班長にはハン・サンピル、６８４部隊第２班長にはクンジェ（カン・シニル）、そして６８４部隊第３班長にはカン・インチャンが就任した。でも、この映画『 シルミド／ＳＩＬＭＩＤＯ 』では、終盤になるまで６８４部隊の男達の殆どの名は言及されない。三人の班長たちはお互い攻撃的だ。殊に、第１班長ハン・サンピルは喧嘩好きで何かと言いがかりをつけ、第３班長カン・インチャンに勝負を挑んでくる。それを、第２班長クンジェがとりなしてくれる。 【シルミド／ＳＩＬＭＩＤＯ 第08段落】 パク２曹（イ・ジョンホン）らの作戦会議。ピョンヤン（平城）まで陸路なら１週間かかる。それを、海から進めば２２時間でイムジン川（臨津江）に到達し、テドン川（大同江）には出発から二日で行くことができる。キム・イルソン 金日成 の居場所はもう近くだ。そういうことで、海からの進路に決定した。だから６８４部隊の訓練に潜水も追加される。長時間、海中深く潜る訓練は死にそう。浮上すれば上で機関銃が待っているのだから。 【シルミド／ＳＩＬＭＩＤＯ 第09段落】 岩場の上空の綱渡りの訓練では、定められた６５秒間で渡り切らねば銃撃されるという怖い訓練だ。ここで第３班の一人が転落死したので、班長カン・インチャンは落ち込むが、第１班長ハン・サンピルがあれは正しかったと慰めてくれて、二人は心を通わすようになる。また、同じく落下して骨折した訓練兵チャンソク（カン・ソンジン）はお払い箱になるところだったが、雑用や炊事係を任されて、残ることができた。なにしろ、ここシルミド／ＳＩＬＭＩＤＯ（実尾島）に集められた男たちは、キム・イルソン 金日成 の首をとれば無罪放免、報奨金もたっぷり、という話に乗ってきたのだから。 【シルミド／ＳＩＬＭＩＤＯ 第10段落】 チャンソクは炊事兵として専念し、残る２９名は団結力を一層強くして士気を高め、訓練に没頭する。ロープ一本の綱渡りもスイスイと巧くなった。潜水時間も余裕に延びた。ナイフでの格闘も上手で、射撃の腕も上がった。弾は的の心臓部分に命中する。６８４部隊ができてから、早や三年が経ったのだ。そして遂に、明日の夜に作戦決行と告げられる。今夜ばかりは羽目を外していいと言われ、酒を飲んでドンちゃん騒ぎ。すると、負傷のため任務にはつけない炊事兵チャンソクは泣きながら、生きて帰って来い、死ぬなよ、と言ってくる。祖国統一という悲願の為に地獄の訓練をしてきた６８４部隊。勇気と犠牲で任務を遂行し、生きて帰ってくれば一生英雄でいられる。 【シルミド／ＳＩＬＭＩＤＯ 第11段落】 翌日の夜、大雨の中を、６８４部隊の三つの班はゴムボートに乗ってシルミド／ＳＩＬＭＩＤＯ（実尾島）から漕ぎ出した。そこへチェ教育隊長に上部から緊急電話が。作戦を中止せよ、と。韓国の北朝鮮に対する政策の転換があり、もはや過激な暗殺作戦は御用済みとなったのだ。だからチェ教育隊長や指導員たちはゴムボートの６８４部隊を止めにかかるが、彼らはキム・イルソン 金日成 の首をとることを断念なんかしたくない。しかし、国の決定なので従わねばならないのだ。逆らう６８４部隊を機関銃で脅威を与えて島へ戻す。 【シルミド／ＳＩＬＭＩＤＯ 第12段落】 張り詰めていた緊張も解けて、作戦実行がまだいつかあるとも信じている６８４部隊は何か落ち着かない。とうとう二人の不埒者も出た。引き潮の夜、二人の隊員はシルミド／ＳＩＬＭＩＤＯ（実尾島）と地続きになった隣の島へ脱走して、民家の女性をレイプする。一人は射殺され（これで６８４部隊は２８名）、一人は縄で括られて、目の前で残りの隊員たちが見せしめに殴られる。 【シルミド／ＳＩＬＭＩＤＯ 第13段落】 死ぬほど過酷な特殊訓練を三年間も受けてきた強靭な男達を、こういう生殺し（なまごろし）にしておくのはよくないとチェ教育隊長は感じる。そして上部に、６８４部隊をベトナムに派遣してくれと意見するが突っぱねられた。そうすれば機密が暴露されるからだ。そして下された命令は、「２８名全員を殺害せよ」。チェ教育隊長は反論するけれど聞き入られない。一週間以内で殺さなかったら、２８名以外の、軍側の指導兵も全員殺害する、と宣告されてしまう。 【シルミド／ＳＩＬＭＩＤＯ 第14段落】 第３班長カン・インチャンは母親のチマ・チョゴリ姿の写真をこっそりと所持していたのを見つかって２４時間の独房入りになった。ちょうど独房から出てきた頃、チェ教育隊長はカン・インチャンを自室に呼んで、水を取りにいかせる。その間に、チョ２曹とパク２曹に「２８名全員を殺害」の上からの命令を伝える。中年のチョ２曹はチェ教育隊長と同じ意見で、手塩にかけてきたし心も通じ合っている６８４部隊を殺したくなんかない。でも、新婚のパク２曹はもっと現実的で、殺さなければ自分達も殺されるのだから、実行するのは平気だという意見だ。自らは反対意見のチェ教育隊長は、パク２曹の思う通りに殺せと言う。それを、水を持って帰ってきたカン・インチャンが陰で聞いていた。いや、チェ教育隊長が聞かせるように態（わざ）と取り計らったのだった。 【シルミド／ＳＩＬＭＩＤＯ 第15段落】 第３班長カン・インチャンはその機密を仲間に話すと、流石の強がり男、第１班長ハン・サンピルも怯える。そんな時、パク２曹は反対するチョ２曹がいない方がいいので、上部に再度取り消しを願い出るという口実をつけて出張させた。チョ２曹を乗せた小船がシルミド／ＳＩＬＭＩＤＯ（実尾島）を出て行こうとすると、カン・インチャンら班長たちは駆け寄る。帰島はいつなのか尋ねると、明日だという答え。これで、６８４部隊の抹殺は今夜行われるのだと明らかになった。チョ２曹に敬礼し、心の中で永遠の別れをする班長たち。甘いものを買って帰ってきてください、と。何とも意味深な彼らの敬礼に、チョ２曹は今夜がシルミド／ＳＩＬＭＩＤＯ（実尾島）は修羅場なのだとは知る由もない。・・・ ▲TOPへ ◆ここからは、結末まで書いていますので、ストーリー全体が分ります。御注意下さい。 ATTN: This review reveals the movie content. Please don't say that I didn't say ! 【シルミド／ＳＩＬＭＩＤＯ 第16段落】 夜、６８４部隊は自分達が殺される先手を打って、指導官達を殺しにかかる。６８４部隊は武器庫からライフル等を奪い、どんどん殺していく。でも、情が通っているから、自分の指導兵を殺したくないし、指導兵の方でも‘教え子’は殺したくない。そういうホロッとするシーンも、他のエピソードでのコミカルなシーンと同じくらい出てくる。第３班長カン・インチャンは独り、チェ教育隊長の部屋に赴く。態と盗み聞きをさせて反乱を起こさせたのですねと、と。すると、チェ教育隊長は国家命令でもお前達を犠牲にしたくなかったからだと言い残し、ピストル自殺してしまった。あぁ、悲劇がいっぱい。 【シルミド／ＳＩＬＭＩＤＯ 第17段落】 シルミド／ＳＩＬＭＩＤＯ（実尾島）での反乱は一部の死傷者を除いて成功したものの、６８４部隊は今は２２〜２４人くらいに減ってしまった。そして事実を知ることになる。たとえキム・イルソンの首をとっても、戸籍は既に抹殺されていて闇に葬られるだけ。自分達は国家の為にこれだけの過酷な訓練を耐え抜いて犠牲者まで出してやってきたのに、それが何と、国家に裏切られるとは。では、大統領に直訴しにいこう、となる。因みに、当時の韓国大統領はパク・チョンヒ（朴正煕 Park Chung Hee）であった。６８４部隊は完全装備して、兵士達の軍服に着替えてソウル Seoul へと向かった。 【シルミド／ＳＩＬＭＩＤＯ 第18段落】 ６８４部隊は、ソウルまであと５０kmという街道でバスジャックした。この辺りではまだそんな悲壮感はない。でも、バスのラジオでは、「北朝鮮から侵略してきた武装共産ゲリラ」だと報じているではないか。そして道路は警察の厳重なバリケードが施され、銃撃戦の上、バスは突破する。窓ガラスは割れ、銃撃を受けた者たちの死傷者が出てくるし、形式上‘人質’となった民間人達は怯えている。 【シルミド／ＳＩＬＭＩＤＯ 第19段落】 ヨンドゥンポ（永登浦）で、本格的に軍隊が出動してきて物凄い銃撃戦となる。そこにジープで駆けつけたチョ２曹はお土産のお菓子の袋を持って、彼らは決して共産ゲリラではないと訴えるが、相手にされない。このまま共産ゲリラとして殺されたらたまらないので、６８４部隊の皆は、バスの内部の壁に血文字でハングルの自分の名前を書き残す。もう皆、銃撃されて血まみれだ。第１班長ハン・サンピルは第３班長カン・インチャンに、先日見つかって破られたカン・インチャンの母親の写真をテープで貼り直したものを差し出し、何があっても動じなかったカン・インチャンは初めて涙をこぼす。６８４部隊は人質の乗客は降ろして、手榴弾で自爆をはかる。生き残った４人は後日、死刑となった・・・。 【シルミド／ＳＩＬＭＩＤＯ 第20段落】 これが、韓国史上有名な「シルミド事件」である。闇に葬られて三十年くらい日の目を見なかった。『 シルミド／ＳＩＬＭＩＤＯ 』はこういう実話の映画化なのである。 以上。 ＜もっと詳しく＞からスペースを含まず5366文字／文責：幸田幸 ▲TOPへ 参考資料：「映画の森てんこ森」映画タイトル集 http://www.coda21.net/eiga_titles/index.htm IMDb allcinema ONLINE Nostalgia.com CinemaClock.com |
|||||||||||||||||||||||||||
| ■映画『 シルミド／ＳＩＬＭＩＤＯ 』の更新記録 2005/06/05新規： ファイル作成 2005/06/08更新： ◆＜もっと詳しく＞追記 |
|||||||||||||||||||||||||||
| ▲TOPへ | |||||||||||||||||||||||||||
| 幸田 幸 coda_sati@hotmail.com |
|||||||||||||||||||||||||||
| 「映画の森てんこ森」へ | 「旅行の森てんこ森」へ | |||||||
映画解説・レヴュータイトル一覧表
 |
幸のイタリア各都市情報へ 136ｘ70 |
|||||||
| 本サイトの作文、データ及び画像などのコンテンツの無断転用はお控え下さい。 貴サイトへの御掲載についてはメールにてお知らせ頂ければ幸いです。 |
||||||||
| © 2003-2005 Sachi CODA at Eigano-Mori Tenko-Mori, CODA21. All Rights Reserved. | ||||||||
