光の旅人 K−PAX
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光の旅人 K−PAX (2001)
K-PAX
 映画『 光の旅人 K−PAX (2001) K-PAX 』をレヴュー紹介します。

 映画『 光の旅人 K−PAX (2001) K-PAX 』を以下に目次別に紹介する。
■映画『 光の旅人 K−PAX (2001) K-PAX 』の解説及びポスター、予告編
 ネタばれをお好みでない方はこの解説をご覧下さい。
■映画『 光の旅人 K−PAX (2001) K-PAX 』の映画データ
■映画『 光の旅人 K−PAX (2001) K-PAX 』の主なキャスト
■映画『 光の旅人 K−PAX (2001) K-PAX 』のスタッフとキャスト
■映画『 光の旅人 K−PAX (2001) K-PAX 』の<もっと詳しく>
 <もっと詳しく>は映画『 光の旅人 K−PAX 』の「テキストによる映画の再現」レヴュー(あらすじとネタバレ)です。※ご注意:映画vの内容やネタバレがお好みでない方は読まないで下さい。
■映画『 光の旅人 K−PAX (2001) K-PAX 』の結末
■映画『 光の旅人 K−PAX (2001) K-PAX 』の感想(ネタばれご注意)
■映画『 光の旅人 K−PAX (2001) K-PAX 』の更新記録

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幸の鑑賞評価: 8つ星 
■映画『 光の旅人 K−PAX (2001) K-PAX 』の解説及びポスター、予告編
光の旅人 K−PAX
光の旅人 K−PAX

■映画『 光の旅人 K−PAX (2001) K-PAX 』の解説

 映画『 光の旅人 K−PAX (2001) K-PAX 』の K-PAX とは宇宙の遥かかなたの星の名。邦題の「光の旅人」は、K-PAX 星に住むと言う主人公プロートが、光エネルギーに乗って地球にやって来たということから名づけられたのだろう。この作品『 光の旅人 K−PAX 』は科学者でもあるジーン・ブルーワーの 1995 年の同名の小説を映画化したもの。
 『 光の旅人 K−PAX 』は 2001 年9月 11 日の同時多発テロ直後の 10 月にアメリカで封切られ、No.1の大ヒットとなった。製作のローレンス・ゴードンは「トゥームレイダー」「ダイ・ハード1・2」「フィールド・オブ・ドリームス」「プレデター1・2」等を手掛けた、さすが見る目のある人。
 『 光の旅人 K−PAX 』主演ケヴィン・スペイシーは『 アメリカン・ビューティー (1999) AMERICAN BEAUTY 』『 ユージュアル・サスペクツ (1995) THE USUAL SUSPECTS 』でアカデミー賞を獲得したが、この『 光の旅人 K−PAX 』での正に光った演技は、またオスカーの前評判が高い。異星人か精神病患者かどちらともとれる演技を表情豊かに見せてくれる。共演のジェフ・ブリッジスも精神科医を好演している。
●スチルはnostalgia.com、予告編はcinemaclock.comより許諾をえて使用しています。
Filmography links and data courtesy of The Internet Movie Database & Nostalgia.com.
Filmography links and data courtesy of CinemaClock Canada Inc.
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■映画『 光の旅人 K−PAX (2001) K-PAX 』の映画データ
 上映時間 121分
 製作国 アメリカ
 公開情報 日本ヘラルド映画
 初公開年月 2002/04/13
 ジャンル ドラマ/ミステリー/ファンタジー
 《公開時コピー》K−パックスからやって来たという謎の男 彼には人の心を癒す不思議な魅力があった…
 《米国コピーTagline》Change the way you look at the world.
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■映画『 光の旅人 K−PAX (2001) K-PAX 』の主なキャスト
●ケヴィン・スペイシー as ‘光の旅人’プロート
ワーキング・ガール (1988) WORKING GIRL
ユージュアル・サスペクツ (1995) THE USUAL SUSPECTS
セブン (1995) SEVEN
アウトブレイク (1995) OUTBREAK
真夜中のサバナ (1997) MIDNIGHT IN THE GARDEN OF GOOD AND EVIL
『 L.A.コンフィデンシャル (1997) L.A. CONFIDENTIAL 』
交渉人 (1998) THE NEGOTIATOR
バグズ・ライフ (1998) A BUG'S LIFE
アメリカン・ビューティー (1999) AMERICAN BEAUTY
光の旅人 K−PAX (2001) K-PAX
オースティン・パワーズ ゴールドメンバー (2002) AUSTIN POWERS IN GOLDMEMBER
16歳の合衆国 (2003) THE UNITED STATES OF LELAND
ライフ・オブ・デビッド・ゲイル (2003) THE LIFE OF DAVID GALE
ビヨンド the シー 夢見るように歌えば〜 (2004) BEYOND THE SEA
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【『 光の旅人 K−PAX 』のスタッフとキャスト】
監督: イアン・ソフトリー Iain Softley
製作: ローレンス・ゴードン Lawrence Gordon
    ロイド・レヴィン Lloyd Levin
製作総指揮: ロバート・F・コールズベリー Robert F. Colesberry
    スーザン・G・ポロック Susan G. Pollock
原作: ジーン・ブリュワー Gene Brewer
脚本: チャールズ・リーヴィット Charles Leavitt
撮影: ジョン・マシソン John Mathieson
音楽: エド・シェアマー Ed Shearmur
歌:   シェリル・クロウ Sheryl Crow
    エルトン・ジョン Elton John

出演: ケヴィン・スペイシー Kevin Spacey プロート
    ジェフ・ブリッジス Jeff Bridges マーク・パウエル医師
    メアリー・マコーマック Mary McCormack レイチェル・パウエル
    アルフレ・ウッダード Alfre Woodard クラウディア・ヴィラー
    デヴィッド・パトリック・ケリー David Patrick Kelly ハウイー
    ソウル・ウィリアムズ Saul Williams アーニー
    ピーター・ゲレッティ Peter Gerety サル
    セリア・ウェストン Celia Weston アーチャー夫人
    アジャイ・ナイデゥ Ajay Naidu チャクラボーティ医師
    コンチャータ・フェレル Conchata Ferrell ベティ
    キンバリー・スコット Kimberly Scott ジョイス
    ブライアン・ハウイ Brian Howe スティーヴ
    メラニー・マレー Melanee Murray ベス

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<もっと詳しく>

ストーリー展開の前知識やネタバレがお好みでない方は、読まないで下さい。
■■映画『 光の旅人 K−PAX 』の「テキストによる映画の再現」レヴュー
 私は日本公開前に字幕スーパーなしの英語で観たので、わかる範囲でレヴューします。映画データについては調査した時点と公開される時点で異なる場合があります。本作の内容については、語学力と経験・常識不足のため、間違いや勘違いや適切でない表現があるかもしれません。どうかご理解賜りますようお願いいたします。また、リンクやメールをいただく場合はここを必ずお読みくださいますように。
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【光の旅人 K−PAX 第01段落】  ニューヨークのグランド・セントラル駅。駅の天井の大窓を通して光が異様に差し込んできた。その時、せわしい人込みの中を黒いサングラスの男(ケヴィン・スペイシー)が突然現れる。駅構内で靴磨きをしていた黒人男性がそれを不思議な顔で見ている。中年女性がバッグをひったくられ、転ぶ。そのサングラスの男は女性を助け起こそうとして近づく。通報で駆けつけた警官らに犯人と間違えられて取り押さえられる。氏名と住所を尋問されて、とんでもない事を答えたことからこの話は始まる。

【光の旅人 K−PAX 第02段落】  このサングラスの男は旅行者だと言う。でも鞄は持っていない。名前はプロート。遥か 1,000 光年彼方のK−PAXという星から、光の何倍もの速さの「光エネルギー」に乗ってやって来たのだと言う。真面目に答えているが、警官たちは笑って本気にしない。それでプロートは精神病院行きになった。

【光の旅人 K−PAX 第03段落】  送られた精神病院の担当の精神科医はマーク・パウエル(ジェフ・ブリッジス:
キングコング (1976) KING KONG
『 スターマン/愛・宇宙はるかに (1984) STARMAN 』
タッカー (1988) TUCKER
光の旅人 K−PAX (2001) K-PAX
シービスケット (2003) SEABISCUIT 』等)といい、マンハッタン医学協会の精神科部長をしている高名な医師だ。彼はプロートを問答で診察し、一応紳士的に接してはいるが、異星人だと主張するプロートを明らかな精神病患者だと心の中で思っている。

【光の旅人 K−PAX 第04段落】  問答の内容はこんな感じだ。K−PAXという惑星は地球から 1,000 光年離れていて、レイラ星雲の中のアガベとサトリという双子の星の軌道を回っている。(この双子の星とは、私たちの「太陽」が二つあるということ。)星座の中でもひときわ輝くヴェガ星の近くに位置している。そこから光速の何倍ものスピードの光エネルギーに乗って地球にやって来た。K−PAX星では、地球より進んでいて家族は存在しない。K−PAX星から見ると人類は少し狂っている。セレン 11 星では、伝統的な歓迎の贈り物として、その人そっくりのアンドロイドを贈る。テレメスション星系で暮らす人たちは、人口の少なさを補うために、皆、複数の人格を使い分けている。高度な精神を持つラドナープライム族は、自分の誕生時に未来の成功と失敗の量を計画配分して、その人なりの充実した人生を送ることができる。(ここの段落の具体的な事例はオフィシャル・サイト http://www.k-pax.jp/ より引用させてもらいました。)

【光の旅人 K−PAX 第05段落】  K−PAXでは、生殖活動は非常に嫌な思いでなされる。そして、生まれると、「親」は存在せず、その前に生まれた者が面倒を見、教育をつける。K−PAX星では結婚をしないし、家族も持たない。こういう話をプロートは、とつとつとパウエル医師に語る。こういったカウンセリングは何回か施された。時には、その最中にプロートはバナナを皮ごとむしゃむしゃ食いつく。時には、医師は、プロートが明かりを嫌っているのに気付いて窓のブラインドを閉めて、プロートに感謝される。

【光の旅人 K−PAX 第06段落】  精神病院でプロートは他の患者たちから信頼と人気を勝ち取っていく。患者たちはプロートが異星人だというのを信じる。そしてプロートは患者たちに良い影響を及ぼして、そのお陰で患者たちは症状が皆、改善する。患者たちを長い期間治療してきていて治せていないパウエル医師は、それを見て不思議な気分になる。

【光の旅人 K−PAX 第07段落】  例えば、強迫観念症の老人は、プロートに何か耳打ちされて、日に日に自信を取り戻して元気になる。青い鳥を探すのを任務だとプロートに言われると、一日中、病院の中庭を見つめて、とうとう本当に青色の鳥が木に止まって大喜びする。また、病室に篭って決して部屋から出られない病気の中年女性は、その青い鳥騒ぎで何年間ぶりに部屋からロビーに出てきて、医師らを唖然とさせる。

【光の旅人 K−PAX 第08段落】  パウエル医師は初めはプロートをただの妄想狂としか思っていなかったが、日が経つにつれて、プロートの話す宇宙論が真実味を帯びているような気になってくる。医者仲間はそんなパウエル医師を一笑に付す。パウエル医師は、プロートが異星人ではないということを証明すれば自分でも気が済むと考え、義理の弟で天文学者のスティーヴ(ブライアン・ハウイ)に 50 問ほどの質問状を作るように依頼する。

【光の旅人 K−PAX 第09段落】  果たして、その質問状へのプロートの答えは、予想に反して、本当にK−PAXが存在するという結論が出てしまった。妄想ではなかったのだ。パウエル医師も天文学者スティーヴも驚嘆してしまう。そのK−PAXという星の存在は、世界でもほんの6人の学者しか知らないはずだ。その上、K−PAXは公表されてはいないのだ。それを何故知っているのか?プロートがK−PAX星人だから、としか考えられないではないか。

【光の旅人 K−PAX 第10段落】  それを明らかにするために、ニューヨーク自然史博物館の中の「地球と宇宙に関するローズ・センター」で、K−PAXを知っている学者だけが集って、プロートを目の前にして、K−PAXの宇宙での位置や軌道について質問した。すると、プロートは複雑高度な数式を目の回るような速さで解いて、星座間の関係・軌道・正確な位置をアッという間に図表してしまった。それは、公表していないK−PAXの星座間の関係・軌道・正確な位置とそっくり同じ正確さだった。信じられない表情の学者たち。K−PAX星では子供も皆知っていることです、と淡々と言うプロート。

【光の旅人 K−PAX 第11段落】  では、光エネルギーで飛来するというが、どうやってするのか見せてくれ、と学者たちは問う。するとプロートは何か唱えたかと思うと、もう行って戻ってきました、と答える。光エネルギーというのは、地球人の考えられるようなレベルのものではないのだとさえ言う。キツネにつままれたような学者たち。パウエル医師もプロートが本当に異星人なのかと考え始める。

【光の旅人 K−PAX 第12段落】  また、病院で一時的にプロートは姿を消してしまうこともあった。気がついてみると、病院の中庭の木の大枝の上に寝転んでいたりする。アラスカやグリーンランドに飛んで行ってきたんです、と、これも淡々と言う。そんな折、プロートは「7月 27 日にK−PAXへ戻ります」とパウエル医師に言ってきた。

【光の旅人 K−PAX 第13段落】  一方、パウエル医師の家庭は、ちょっと複雑。彼は再婚で、先妻との息子は離れた地で大学生となっている。若くて美人の再婚相手のレイチェル(メアリー・マコーマック)との間に三人の幼い子供にも恵まれた。でも、先妻との息子は一言も話をしてくれないのだと夫に言って、悩みになっている。それをプロートは知ると、なぜ息子さんと話をしないのですかとパウエルに訊く。パウエルは、息子は大学の寮に入って、なかなかこっちには来ないんだよ…と言う。

【光の旅人 K−PAX 第14段落】  7月 27 日にK−PAXへ戻ると言うプロートに関心を抱くパウエル医師は、自宅のパーティにプロートを招待した。車から降りたプロートは、まずパウエル家のリトリーバー犬にしゃがんで「犬語」を話して犬に通じさせて、いかにも異星人らしい。普段はその犬は他人にはなつかないのだ。そんな彼に、怖がっていた妻や子供たちもホッとし、なごやかに時を過ごし始める。

【光の旅人 K−PAX 第15段落】  そこに、事件が起きた。庭でパウエル夫妻の娘がブランコをしている時、芝生の水撒きのスプリンクラーが異常な水量でほとばしった。すると、今まで穏やかだったプロートが、パウエル夫妻の娘に水がかからないように、人が変わったように暴れだした。何事なのだろうか?この暴れ方は普通ではない。プロートは鎮静剤を注射されてその場は収まった。しかし精神科医のパウエルは、プロートの裏に何かが隠されていると察知する。

【光の旅人 K−PAX 第16段落】  7月 27 日というのは、プロートが地球に飛来したという日から丁度5年目だ。その7月 27 日という日が何かの「鍵」のはずだ。パウエル医師は、インターネットのヤフーで(私、ちょっと嬉しかったりして!)情報を検索する。先日のガーデンパーティのスプリンクラー事件の関連の事柄や催眠術での情報を手掛かりに検索し、遂に5年前の7月 27 日のある事件に辿り着く。そこに急行して、地元の保安官に現場に案内してもらう。

【光の旅人 K−PAX 第17段落】  そこはアメリカのある山奥の地。プロートと同じ顔をした男性ロバートは妻子と平和に暮らしていた。ロバートが留守のとき、強盗が押し入り、妻は強姦されて殺され、子供も殺された。丁度そこに戻ってきたロバートは、その凄惨な現場と犯人を見て逆上して、犯人の首の骨を折って殺害した。ロバートはすぐ近くを流れる川に身を投げたらしいが、死体は上がっていないままだそうだ。こういう悲惨な事件がそこの警察の記録に残っていた。

【光の旅人 K−PAX 第18段落】  プロートはこのロバートという男性なのだ。こういう痛ましい事件があったから、家族というものの存在を無意識に捨てていたのだ。この苦しい思い出を無意識に忘れるように気がふれているのだ。では、7月 27 日にK−PAXへ戻るというが、一体どうする気だろう?K−PAX星人ならば、光エネルギーに乗って、行ってしまうのだ。パウエル医師はニューヨークに急いで舞い戻る。

【光の旅人 K−PAX 第19段落】  7月 27 日が近づいてきている。精神病院の患者たちは、前日、ロビーでプロートのお別れ会を催している。プロートは患者仲間の人気者だ。そして、常日頃からK−PAXがいい所だと聞かされていたので、是非とも自分を一緒に連れて行ってくれとめいめいがプロートに頼む。しかし、K−PAXに戻るとき一緒に連れて行けるのは一人だけだということも聞かされている。どうしたら点が稼げるか、と訊かれたプロートは、一刻も早く眠った人ほど点を稼げると優しく言う。すると、患者たちは一目散に各病室に戻っていった。皆、いじらしいお人好しだ。一緒にK−PAXに行きたい人は、紙に自分の名前を書いてロビーのデスクに置く。最後に紙をクシャクシャにして置いて行ったのはベス(メラニー・マレー)だった。

【光の旅人 K−PAX 第20段落】  遂にその日がやって来た。7月 27 日、プロートは自分の病室に篭ったままだ。パウエル医師は夜明けまであと数時間あるので、仮眠する。目覚めたときは夜明け1分前。病院の階段を必死で駆けてギリギリセーフ。プロートの病室にはモニターカメラが設置されている。プロートは東向きの窓のほうに体を向けて、ベッドに腰掛けている。マンハッタンのエンパイア・ステート・ビルディングの背を朝日が昇り始める。そして、朝日が正に顔を出そうとしたその瞬間、モニターカメラの映像が乱れた!・・・

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◆ここからは、結末まで書いていますので、ストーリー全体が分ります。御注意下さい。
 ATTN: This review reveals the movie content. Please don't say that I didn't say !


【光の旅人 K−PAX 第21段落】  パウエル医師はプロートの病室に飛び込んだ。窓からは大量の朝日が部屋に注ぎ込んでいる。プロートの姿はない。行ってしまった…と見ると、ベッドの下に気を失って倒れている。運搬用ベッドに載せられて、プロートは運ばれる。気のせいか、プロートの顔つきは変わっているようだ。患者たちは昨夜から気が気でしようがなかったので、その成り行きをじっと見守っている。そして言うのだ。「あれはプロートではないよね。プロートはK−PAXに戻って行ったんだ。」

【光の旅人 K−PAX 第22段落】  そしてベスの病室を皆で覗くと、もぬけの殻。「ベス、よかったね。K−PAXに連れて行ってもらえて。」と、患者たちは自分のことのように喜ぶ。昨夜ベスが書いた言葉は、「私には家がない」だった。だからプロートは彼女をK−PAXに連れて行ってくれたのだ。(と患者たちは信じている。)

【光の旅人 K−PAX 第23段落】  明るい日差しの下、病院の庭で車椅子を押すパウエル医師の姿がある。車椅子には、黒のサングラスをかけないで、遠くを見据えて微笑んでいるかのような表情のプロートが座っている。でも言葉も発せられない。いわゆる廃人になってしまったようでもある。そのプロートにパウエル医師は優しく言葉をかけている。「いつでも(正気に)戻っておいで。」「君はロバートで、苦しい悲しい出来事があって妻子を失くしたのだね。」パウエル医師はプロート(ロバート?)の過去の悲痛な思いを分かるが故に、以前より人間的に一回り大きくなっているのに自分でも気がついている。だから優しさ、慈悲というものを、偽りでなく示すことができるようになっているのだ。

【光の旅人 K−PAX 第24段落】  ラストシーン。冒頭と同じニューヨークのグランド・セントラル駅。駅の天井の大窓を通して光がさんさんと差し込んでいる。その時、行き交う群衆の中に、リュックを提げた若者がこちらに顔を向けて立ち止まった。(また異星人かと一瞬思ってしまった私…)パウエル医師の先妻との例の大学生の息子だった。青年は微笑んで父パウエルに近づき、二人は声を掛け合い、固く抱擁し合う。

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【映画『 光の旅人 K−PAX 』の感想】

 この息子とのエピソードや患者たちの回復の例のように、プロートは「優しさ」「癒し」を人々に与えてくれた。この映画が伝えたかったメッセージはそれなのだと思う。だから彼が本当にK−PAXから来た異星人か、それとも記憶喪失で精神異常な人なのか、観る人によって好きに考えたらよいのだろう。個人的に言えば、K−PAXの宇宙の図を正確に記せたのだから、私はK−PAX星人の方を選ぶ。

 ただ、もしK−PAX星人ならば、なぜ人間と全く同じ形をしているのでしょうか?この際こんなことは考えない方がいいのかな…。

以上。
<もっと詳しく>からスペースを含まず5950文字/文責:幸田幸

参考資料:「映画の森てんこ森」映画タイトル集
       http://www.coda21.net/eiga_titles/index.htm
      IMDb
      allcinema ONLINE
      Nostalgia.com
      CinemaClock.com
      『 光の旅人 K−PAX 』オフィシャル・サイト
       http://www.k-pax.jp/
■映画『 光の旅人 K−PAX (2001) K-PAX 』の更新記録
2002/08/24新規: ファイル作成
2004/07/09更新: ◆テキストとリンク一部およびファイル書式
2005/03/19更新: ◆一部テキスト追記と書式変更
2005/10/06更新: ◆追記
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幸田 幸
coda_sati@hotmail.com
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