17歳のカルテ
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17歳のカルテ (1999)
GIRL, INTERRUPTED
 映画『 17歳のカルテ (1999) GIRL, INTERRUPTED 』をレヴュー紹介します。

 映画『 17歳のカルテ GIRL, INTERRUPTED 』を以下に目次別に紹介する。
■映画『 17歳のカルテ GIRL, INTERRUPTED 』の解説及びポスター、予告編
 ネタばれをお好みでない方はこの解説をご覧下さい。
■映画『 17歳のカルテ GIRL, INTERRUPTED 』の映画データ
■映画『 17歳のカルテ GIRL, INTERRUPTED 』の主なキャスト
■映画『 17歳のカルテ GIRL, INTERRUPTED 』のスタッフとキャスト
■映画『 17歳のカルテ GIRL, INTERRUPTED 』の<もっと詳しく>
 <もっと詳しく>は映画『 17歳のカルテ(17歳のカルテ) 』の「テキストによる映画の再現」レヴュー(あらすじとネタバレ)です。※ご注意:映画『 17歳のカルテ(17歳のカルテ) 』の内容やネタバレがお好みでない方は読まないで下さい。
■映画『 17歳のカルテ GIRL, INTERRUPTED 』の結末
■映画『 17歳のカルテ GIRL, INTERRUPTED 』の更新記録

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幸の鑑賞評価: 8つ星 
■映画『 17歳のカルテ (1999) GIRL, INTERRUPTED 』の解説及びポスター、予告編
17歳のカルテ
17歳のカルテ
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■映画『 17歳のカルテ(17歳のカルテ) 』の解説

 映画『 17歳のカルテ (1999) GIRL, INTERRUPTED 』。「寂しくて一人ぼっちを感じるようなときにはいつも行けるの、ダウンタウンへ…」。『 17歳のカルテ(17歳のカルテ) 』はペトゥラ・クラークの 60 年代のヒット曲"恋のダウンタウン"が流れる、ジェームズ・マンゴールド監督作品。とても魅力的なウィノナ・ライダー、本作『 17歳のカルテ(17歳のカルテ) 』で 1999 年第 72 回アカデミー助演女優賞を受賞したアンジェリーナ・ジョリー(『 スカイキャプテン ワールド・オブ・トゥモロー (2004) SKY CAPTAIN AND THE WORLD OF TOMORROW 』等、2004/11/27更新)が共演。この映画『 17歳のカルテ(17歳のカルテ) 』の中では "恋のダウンタウン"の歌詞は、街のアーケードへと気軽に出かけていくというよりは、狂気の世界へと引き込まれていくといった感じだ。映画『 17歳のカルテ(17歳のカルテ) 』は 60 年代後半の混乱のアメリカで、"境界性人格障害"のため2年間療養病院に入院していた経歴を持つスザンナ・ケイセンのベストセラーである回想録が基となった作品で、原作を気に入ったウィノナ・ライダーは製作総指揮も担当。映画『 17歳のカルテ(17歳のカルテ) 』では、精神療養施設・クレイムアに入院したスザンナは、そこで自分よりも深い心の闇を持つ少女達に出会う。彼女達とのふれあいを通し、自分探しの心の旅でスザンナが得たものは…。狂気と正気の境は何かと考えさせられる。
 同じ「17歳の」のタイトルで『 17歳の処方箋 (2002) IGBY GOES DOWN 』を日本公開前に観たが、本作『17歳のカルテ』同様、私のお気に入りの映画だ。
●スチルはnostalgia.com、予告編はcinemaclock.comより許諾をえて使用しています。
Filmography links and data courtesy of The Internet Movie Database & Nostalgia.com.
Filmography links and data courtesy of CinemaClock Canada Inc.
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■映画『 17歳のカルテ (1999) GIRL, INTERRUPTED 』の映画データ
 上映時間 127分
 製作国 アメリカ
 公開情報 SPE
 初公開年月 2000/09/02
 ジャンル ドラマ/青春
 《米国コピーTagline》Based on a true story.
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■映画『 17歳のカルテ (1999) GIRL, INTERRUPTED 』の主なキャスト
●ウィノナ・ライダー as スザンナ
ビートルジュース (1988) BEETLEJUICE
ヘザース/ベロニカの熱い日 (1989) HEATHERS
シザーハンズ (1990) EDWARD SCISSORHANDS
恋する人魚たち (1990) MERMAIDS
ドラキュラ (1992) BRAM STOKER'S DRACULA
若草物語 (1994) LITTLE WOMEN
17歳のカルテ (1999) GIRL, INTERRUPTED
Mr.ディーズ (2002) MR. DEEDS 』
シモーヌ (2002) SIMONE/S1M0NE
サラ、いつわりの祈り (2004) THE HEART IS DECEITFUL ABOVE ALL THING

●アンジェリーナ・ジョリー as リサ
ボーン・コレクター (1999) THE BONE COLLECTOR
17歳のカルテ (1999) GIRL, INTERRUPTED
ブロンド・ライフ (2002) LIFE OR SOMETHING LIKE IT
トゥームレイダー2 (2003) LARA CROFT TOMB RAIDER: THE CRADLE OF LIFE
すべては愛のために (2003) BEYOND BORDERS
テイキング・ライブス (2004) TAKING LIVES
シャーク・テイル (2004) SHARK TALE
スカイキャプテン ワールド・オブ・トゥモロー (2004) SKY CAPTAIN AND THE WORLD OF TOMORROW
アレキサンダー (2004) ALEXANDER
Mr.&Mrs. スミス (2005) MR. AND MRS. SMITH
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【『 17歳のカルテ 』のスタッフとキャスト】
監督: ジェームズ・マンゴールド James Mangold
製作: ダグラス・ウィック Douglas Wick
    キャシー・コンラッド Cathy Konrad
原作: スザンナ・ケイセン
脚本: ジェームズ・マンゴールド James Mangold
    リサ・ルーマー
    アンナ・ハミルトン=フェラン Anna Hamilton Phelan
撮影: ジャック・グリーン
音楽: マイケル・ダナ Michael Danna

出演: ウィノナ・ライダー Winona Ryder スザンナ
    アンジェリーナ・ジョリー Angelina Jolie リサ
    クレア・デュヴァル Clea DuVall ジョージーナ
    ウーピー・ゴールドバーグ Whoopi Goldberg ヴァレリー
    ジャレッド・レトー Jared Leto トビー
    ブリタニー・マーフィ Brittany Murphy
    エリザベス・モス Elisabeth Moss
    アンジェラ・ベティス
    ジェフリー・タンバー Jeffrey Tambor
    ヴァネッサ・レッドグレーヴ Vanessa Redgrave ウィック
    トラヴィス・ファイン Travis Fine

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ストーリー展開の前知識やネタバレがお好みでない方は、読まないで下さい。
■映画『 17歳のカルテ(17歳のカルテ) 』の「テキストによる映画の再現」レヴュー

【17歳のカルテ(17歳のカルテ) 第01段落】  アスピリン1瓶とウォッカ1本を飲んで病院にかつぎ込まれたスザンナ(ウィノナ・ライダー)。自分の気持ちが理解できず、時間の経過がはっきりしない。進学高校を卒業するが、大学にも行かない。父親の友人の大学教授とは求められるままに肉体関係を持つ。自殺のことばかり考える。彼女はアメリカの 60 年代と同様に混乱していた。

【17歳のカルテ(17歳のカルテ) 第02段落】  父の友人である医師は、スザンナが周囲の人間を傷つけているという。そして、両親の了解のもと、ボストン郊外にあるクレイムア病院に送られる。出迎えたのは看護師のヴァレリー(ウーピー・ゴールドバーグ:
カラー・パープル  (1985) THE COLOR PURPLE
ゴースト ニューヨークの幻  (1990) GHOST
ムーンライト&ヴァレンチノ  (1995) MOONLIGHT AND VALENTINO
アリス・イン・ワンダーランド/不思議の国のアリス (1999) ALICE IN WONDERLAND
17歳のカルテ (1999) GIRL, INTERRUPTED 』等)。入院同意書に自分でサインをするように言われたスザンナは驚く。こういうサインは両親がするものじゃ…。自分はもう 18 歳で"自らの意志"で決断をしなければならないという現実を初めて感じるスザンナ。彼女には自分が精神病であるという意識は無い。なぜ自分がここにいるのかわからないが、家に帰ったところで何も変わらないこともわかっている。

【17歳のカルテ(17歳のカルテ) 第03段落】  病院では強制的に睡眠薬を飲まされ、部屋は数分おきに安全確認のためにチェックされ、入浴のときも監視がつく。そして奇妙な入院患者達。スザンナは暗雲とした気持ちになる。

【17歳のカルテ(17歳のカルテ) 第04段落】  しかし、実際は、病院は精神病院というよりは大学寮のようだ。患者達は、タバコを吸い、テレビでベトナム反戦運動や徴兵のくじ、「オズの魔法使い」の映画なんかを見ている。そして爪にマニキュアを塗り、監視の目をくぐって看護師から渡されるいろんな色や形の錠剤をこっそり交換し合っている。

【17歳のカルテ(17歳のカルテ) 第05段落】  ある夜、リーダー格のリサ(アンジェリーナ・ジョリー)が中心となって患者仲間を呼び出す。看護師達に見つからないように地下トンネルに忍び込む。それはかつて病棟間の患者の移送のために作られたそうだ。病院内のボーリング場でボーリング。その上、精神科医ポッツ博士(ジェフリー・タンバー)の部屋に入って、自分達のカルテを盗み見る。スザンナのは、"気分不安定、目標不明確、衝動的、カジュアル・セックス、自傷行為、反社会性と悲観的態度…。病名は境界性人格障害。"

【17歳のカルテ(17歳のカルテ) 第06段落】  看護師長のヴァレリーに引率され、雪の積もる寒い日に町にアイスクリームを食べに出かけるスザンナ達。アイスクリーム店には、スザンナが関係を持った大学教授の奥さんとその娘がいる。気付かれたくないと思うスザンナだったが、精神病患者の軍団は目立つ。奥さんがスザンナに突っかかってくると、リサが先頭に立って病院の仲間たちは奥さんをやり込める。スザンナの心のうやむやをストレートに表現するリサに、スザンナは他の患者達よりも特別な魅力を感じる。

【17歳のカルテ(17歳のカルテ) 第07段落】  翌日、まだまだ"おかしい"はずなのに、デイジーが退院していった。空港の近くに"パパ"が素敵な家を用意してくれたそうだ。みんなはチキン狂の彼女がなぜ退院できたのか感づいている。スザンナがクレイムアに来てから1年が過ぎようとしている。彼女に面会者がやって来る。入院する前、関係を持ったトビー(ジャレッド・レト)だ。若い男の恋人がやってくることは珍しいので、患者達はドキドキしている。スザンナは彼を部屋に招きいれ、二人は激しく抱擁しあう。気を利かすリサは、看護師の部屋のチェックを遅らせようと邪魔をするが、結局はヴァレリーにバレて、二人は中庭で話をすることに。1週間後にベトナム出征を控えたトビーは、スザンナに一緒にカナダへ逃げようと言う。父親から 5000 ドルもらったらしい。彼もきっと過保護に育てられた男の子なのだろう。スザンナはここを出て行きたいが彼とは行かないという。彼女は明らかに狂っている現実の世界より、ここの精神病仲間と一緒にいる方がずっと心温まるように感じている。

【17歳のカルテ(17歳のカルテ) 第08段落】  その夜、スザンナとトビーを見て、自分の火傷のある顔には誰もキスなどしてくれないことに気付いたポーリーは発狂する。部屋に閉じ込められて泣いているポーリーに、スザンナはギターで"恋のダウンタウン"を弾き語る。泣き止むポーリー。リサは看護師が気付かないようにと睡眠薬を飲ませる。そして、スザンナは自分に気のある介護人のジョンと抱き合う。

【17歳のカルテ(17歳のカルテ) 第09段落】  この事件のために、リサは別の病棟に連れて行かれるが、ある夜そこから抜け出してきて、スザンナを脱走に誘う。二人はまず、退院したデイジーのところへ行くことにする。幸せそうに振舞おうとするデイジーの腕に、沢山のためらい傷を見つけたリサは、彼女にひどいことを言う。呆然と階段を上がり、自分の部屋に戻るデイジー。スザンナはリサの病的に冷たい心を受け入れることが出来ず、朝目覚めると一人街を彷徨う。デイジーの家に戻ってきたスザンナは繰り返されるレコードの曲を不思議に思い、二階の彼女の部屋に上がっていく。バスルームに首をつったデイジーの死体が…。救急車に運ばれていく彼女を見送るのは、スザンナとデイジーを託っていた"パパ"の精神科医ポッツ博士。

【17歳のカルテ(17歳のカルテ) 第10段落】  本当の死に直面したスザンナは、自分の中にある甘えに気付く。そんな彼女を診察するウィック医師は、スザンナはもはや自己に脅威を抱かずに治療に専念すると確信する。簡潔な観察日記をつけるスザンナに、退院の日は近い。

【17歳のカルテ(17歳のカルテ) 第11段落】  いよいよ明日が退院だ。父の紹介で書店での仕事も決まっている。将来は作家になりたいと今は自信を持って言える。いつもの通り睡眠薬を飲んで眠るスザンナだが、夜中に目がさめる。地下で話声がする。リサがスザンナの日記を、ポーリーとジョージーナに聞かせている。病院を退院していく友達からの、いつまでたってもここから出られない自分達への忌憚の無い意見に、彼女達はヒステリックになる。スザンナはデイジーを死に追いやったリサを責めるが、リサは死にたがっている人の背中を押してやっただけだと言う。そして、誰も自分の背中を押してはくれないと泣き崩れるリサに、スザンナは「あなたはもう死んでいるからよ。」と冷たく言い放つ。その言葉でリサは手にもっていた注射器で自殺を図ろうとするが、ジョージーナの制止の言葉でやめる。本気で死ぬ気があったかどうかは分からないが、こんな騒ぎを起こしたのも、スザンナが行ってしまうのが寂しかったからに違いない。・・・

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◆ここからは、結末まで書いていますので、ストーリー全体が分ります。御注意下さい。
 ATTN: This review reveals the movie content. Please don't say that I didn't say !


【17歳のカルテ(17歳のカルテ) 第12段落】  次の朝、皆に別れを告げるスザンナ。ポーリーもジョージーナももう日記の事で怒ってはいない。ベッドに縛られているリサのところへやって来たスザンナに、彼女は「私は生きている。」と言う。リサの心は死んでいない。スザンナとの別れに悲しみで一杯なのだ。

【17歳のカルテ(17歳のカルテ) 第13段落】  クレイムアにいる少女達は、普通の女の子達とどこが違っているのだろうか。辛い現実にいつまでも子供でいたいと願う。嘘をついて、その反応を楽しむ。友達と別れることがあれば悲しむ。これらはどこにでもある少女の姿だ。彼女達は、ただ、感情の揺れる幅が大きいだけなのだ。

【17歳のカルテ(17歳のカルテ) 第14段落】  「オズの魔法使い」が映画の途中出てくるが、スザンナは精神病院で自分探しを行うドロシーといった設定になっている。万引きで問題になったウィノナ・ライダーだが、実生活でも夢と現実が混乱しちゃっているのかな? 20 歳の時に不安と発作に襲われて入院したらしいが、若い頃から芸能界で活躍するというのは、やはり物凄く大変なことなのだろう。

以上。
<もっと詳しく>からスペースを含まず3563文字/文責:幸田幸

参考資料:「映画の森てんこ森」映画タイトル集
       http://www.coda21.net/eiga_titles/index.htm
      IMDb
      allcinema ONLINE
      Nostalgia.com
      CinemaClock.com
      公式サイト(英語版)
       http://www.spe.sony.com/movies/jump/girlinterrupted.html
■映画『 17歳のカルテ(17歳のカルテ) 』の更新記録
2003/08/24新規: ファイル作成
2004/07/07更新: ◆テキスト一部とリンクおよびファイル書式
2004/11/27更新: ◆テキスト一部とリンクおよび書式の更新と再登録
2005/03/17更新: ◆一部テキスト追記と書式変更
2005/04/30更新: ◆データ追加
2005/07/02更新: ◆データ追加
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幸田 幸
coda_sati@hotmail.com
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