四月の雪 | |
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四月の雪@映画の森てんこ森 | |
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四月の雪 | |
2005年9月15日木曜日 ![]() |
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【 四月の雪 】 ◆「四月の雪」と「スカーレット・レター」における不倫と姦通について |
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映画の良さは、居ながらにして時間と空間を超えてバーチャル・リアリティできることにある。時には社会背景や思想まで模擬体験できることにある。 ホ・ジノ監督、ペ・ヨンジュンとソン・イェジンの韓国映画『 四月の雪 (2005) APRIL SNOW 』は、私が女性だからか、韓国の女性像が興味深い。いまだ儒教の考えが根強く、韓国の女性は、地方ではお見合い結婚をし結婚したら家庭に入るのがよしとされている韓国の社会的背景を考慮して、この『 四月の雪 (2005) APRIL SNOW 』を観るとビミョーに納得できる。 『 四月の雪 (2005) APRIL SNOW 』は儒教の国である韓国で“不倫”や、今では日本では古い言葉となった?“姦通”が主題なので、話題になっているのかも知れない。今年2005年の9月8日韓国で公開された『 四月の雪 (2005) APRIL SNOW 』は、韓国ではR-18指定らしいのにも頷(うなづ)ける。 |
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![]() 四月の雪 (2005) APRIL SNOW ポスターはkr.movies.yahoo.com/より引用 |
『 四月の雪 (2005) APRIL SNOW 』のあらすじを少し紹介すると・・・コンサート会場の照明チーフディレクターのインス(ペ・ヨンジュン)と人妻ソヨン(ソン・イェジン)の不倫の発端は、インスの妻とソヨンの夫は同じ車に乗って交通事故を起こしたことにある。妻の交通事故の知らせを受けたインスは、海岸沿いの小さな町サムチョク(三陟)の病院に直行。そこで見知らぬ女性ソヨンと初めて会う。そしてやがて、知りたくなかった耐え難い事実を知ることになる。デジカメ、携帯電話の記録で2人への疑惑が確信になり、生死をさまよう者たちへの気持ちが憎悪に変わっていくのだ。妻を愛していたインスと、夫を頼って生きてきた無力な妻ソヨンが、互いの伴侶の不倫に苦悩しながら看病していくうちに、インスとソヨンは、互いに支えあい慰め合い、その共有する気持ちが激しい恋愛に発展していく。そしてインスの妻が意識を取り戻し回復していくが、ソヨンの夫はさらに状態を悪化させてゆく。 インスとソヨンの愛の行方は? |
▲TOPへ “不倫”や “姦通”が主題の映画は、最近深夜のTV映画で放送されたアメリカ映画『 スカーレット・レター (1995) THE SCARLET LETTER 』もそうである。 |
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![]() スカーレット・レター |
映画『 スカーレット・レター (1995) THE
SCARLET LETTER 』はナサニエル・ホーソンが1850年に書いた小説『緋文字』の映画化である。 アメリカ独立戦争前の17世紀のマサチューセッツの封建的な清教徒の村で、医者の夫ロジャー・チリングワース(ロバート・デュヴァル)の若妻ヘスター(デミ・ムーア)と牧師アーサー・ディメスデール(ゲイリー・オールドマン)が恋に落ちて子まで生むという恋愛(姦通)ドラマ。見方を変えれば、戒律が厳しく姦通が重罪だった時代を舞台に、牧師と人妻があらゆる迫害から互いの愛を貫き通すラブロマンス・大恋愛ドラマでもある。 序だが、この映画『 スカーレット・レター 』は、1995年のラジー賞(ゴールデン・ラズベリー賞)でワースト作品賞、ワースト主演女優賞デミ・ムーア、ワースト監督賞ローランド・ジョフィ 、ワースト助演男優賞ロバート・デュヴァル 、ワースト脚本賞ダグラス・デイ・スチュワートにノミネートされ、ワースト・リメイク・続編賞を受賞している。 それほど悪い映画でもないと思うのは幸だけ?...。 |
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韓国映画『 四月の雪 (2005) APRIL SNOW
』とアメリカ映画『 スカーレット・レター (1995)
THE SCARLET LETTER 』には、それぞれ儒教と清教徒の戒律という縛りがあり、“不倫”や
“姦通”という罪悪と不道徳な後ろめたさの中で愛し合う男女の愛の葛藤がある。だからして社会の規範の中でお互いの愛を貫き通す劇的な映画や女性に勇気を与えるようなラブロマンス映画も支持される。『
スカーレット・レター (1995) THE SCARLET
LETTER 』はアメリカ映画らしくハッピーエンドで、新天地で新しい人生をやり直すために旅立って終わるが、さて、『
四月の雪 (2005) APRIL SNOW 』の結末は如何に?是非、映画館でお確かめください。 因みにアメリカ映画タイトルの『 スカーレット・レター 』は、やはり韓国映画『 スカーレットレター (2004) 朱紅文字 / THE SCARLET LETTER 』と中黒(・)のあるなしだけで同じである。韓国映画『 スカーレットレター (2004) THE SCARLET LETTER 』のストーリーは、アメリカ映画『 スカーレット・レター 』と異なり、不倫に悩む担当刑事が、ある殺人事件で、容疑者である未亡人をめぐる秘密が交錯して事件解明が難航する中で、複雑に絡み合った愛憎の極限を官能的に描くサスペンス・ラブ・ロマンスだ。主演は「シュリ」のハン・ソッキュ。そして女優として大きな飛躍が期待された「ブラザーフッド」のイ・ウンジュは2005年2月22日、自らその命を絶ち、映画『 スカーレットレター (2004) THE SCARLET LETTER 』が話題になったことは記憶に新しい。 少し話がそれたが、アメリカ映画『 スカーレット・レター (1995) THE SCARLET LETTER 』では、ヘスターは、神の道に背いた者の見せしめの罰として、赤い“A”という文字のアップリケを胸に付けることが強制される。“A”は「adultery(姦通)」の頭文字だ。“不倫”や “姦通”が、韓国では大きな罪として罪状規定もされているという現実の問題を考えると、映画『 四月の雪 (2005) APRIL SNOW 』での、許されない愛の苦悩や女性の葛藤の描かれ方が分かるような気がする。 ▲TOPへ “不倫”や “姦通”という言葉を大辞林 国語辞典-infoseek マルチ辞書(powered by三省堂)で調べてみた。 ■ふりん 0 【不倫】 (名・形動)[文]ナリ 道徳に反すること。特に、男女の関係が人の道にはずれること。また、そのさま。 「―の恋」「―な関係」 ■かんつう 0 【▼姦通/▼奸(←女が二つの編)通】 (名)スル (1)男女が道徳や法にそむいて情を通ずること。不義。密通。 (2)夫または妻が、他の異性と肉体関係を結ぶこと。旧憲法下の刑法では、妻が夫以外の男と肉体交渉をもつことをいった。 “不倫”は “姦通”という言葉の現代版同意語だと思うが、“不倫”や “姦通”という言葉は、その言葉の過ごしてきた時代と法や道徳観を抜きにして考えられない。南北戦争前のアメリカや現在の韓国、そして今の日本では“不倫”や “姦通”の捉え方に大きな違いがある。しかし人が異性を好きになること自体は当たり前のことで素晴しいことだ。その対象の異性が一夫一婦制の下で結婚していて、時には子供までいるときは、どのくらい相手が好きか試されるような気がする。恋や愛の形は人によって様々だと思うが、自分の恋や愛が他人を不幸にする可能性がある場合、自分の情熱はどうしたらいいのか、幸は経験がないので分からない。 ・・・でもよくよく考えてみると、人を恋慕することは自分勝手な感情だが、それが自立して他人に認められるには、相手を思いやり、性別に関係なく立場を尊重し、大人としてお互い責任が取れるかどうかだ。それが恋愛・愛の物差しなのかも...。 映画好きの私にとって、ラブコメは疲労回復剤でもある。私は物心付いてから、恋愛は憧れでもある。もう?年かすれば三十。そのうち素敵な男性とめぐり合い、恋愛期間を持ち、互いの愛が実って結婚したいと実は心のどこかでロマンチックな夢をみている。その素敵で真剣な恋愛や愛が“不倫”であったり、結婚してからもし万が一別の男性を愛してしまって “姦通”という言葉の範疇に入るものだったら、その情熱を貫き通せるかどうか?・・・。これはその時にならなければ分からない、ビミューだわ。 んじゃ、その時に必要なものはなあに?・・・愛は勿論のこと、情熱プラス勇気プラス運プラス??? ・・・ヤッパリ赤い糸で結ばれた縁(えん)『 セレンディピティ SERENDIPITY 』なのかしら? ▲TOPへ |
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【幸の映画データ箱】 ■デミ・ムーア Demi Moore 『 G.I.ジェーン (1997) G.I. JANE 』 『 オースティン・パワーズ ゴールドメンバー (2002) AUSTIN POWERS IN GOLDMEMBER 』(製作) 『 チャーリーズ・エンジェル/フルスロットル (2003) CHARLIE'S ANGELS: FULL THROTTLE 』 ■ゲイリー・オールドマン Gary Oldman 『 ドラキュラ (1992) BRAM STOKER'S DRACULA 』 『 エアフォース・ワン (1997) AIR FORCE ONE 』 『 ハンニバル (2001) HANNIBAL 』 『 ハリー・ポッターとアズカバンの囚人 (2004) HARRY POTTER AND THE PRISONER OF AZKABAN 』 『 ハリー・ポッターと炎のゴブレット (2005) HARRY POTTER AND THE GOBLET OF FIRE 』等 ■ロバート・デュヴァル Robert Duvall 『 ゴッドファーザー (1972) THE GODFATHER 』 『 ゴッドファーザーPART II (1974) THE GODFATHER: PART II 』 『 ジョンQ−最後の決断− (2002) JOHN Q 』 『 ワイルド・レンジ 最後の銃撃 (2003) OPEN RANGE 』 ▲TOPへ |
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参考資料:「映画の森てんこ森」映画タイトル集 http://www.coda21.net/eiga_titles/index.htm IMDb allcinema ONLINE Nostalgia.com CinemaClock.com 『 四月の雪 (2005) APRIL SNOW 』 韓国語公式ページ http://www.april-snow.co.kr/ ▲TOPへ |
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Text by Sati |
coda21「映画の森てんこ森」幸田幸。 coda_sati@hotmail.com |
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