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ホワット・ライズ・ビニース WHAT LIES BENEATH 【解説】 監督は「バック・トゥ・ザ・フューチャー」「フォレスト・ガンプ/一期一会」のロバート・ゼメキス、そして、ハリソン・フォードとミシェル・ファイファーが初競演のサスペンス・スリラー。いつもと違うハリソン君が楽しめる。 湖のそばの美しい家に暮らすクレアは、遺伝学者の夫ノーマンと一人娘のケイトリンと幸せな生活を送ってきた。しかし、ケイトリンが大学進学で家を出ることになり、彼女を溺愛していたクレアの心にはぽっかりと穴があいたようだ。そんなクレアに次々と怪奇現象が起こる。その原因を探っていくクレアが見つけた真実とは…。 監督が「ヒッチコックが生きていたら作るようなものを」と語っていることもあって、浴室が殺害現場であったり、隣の家を覗き見したり、ハリソン・フォードの役名がノーマンだったりと、現在の映像テクノロジーを駆使したヒッチコックライクな映画だ。 |
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【スタッフとキャスト】 監督: ロバート・ゼメキス Robert Zemeckis 製作: スティーヴ・スターキー Steve Starkey ロバート・ゼメキス Robert Zemeckis ジャック・ラプケ Jack Rapke 製作総指揮: ジョーン・ブラッドショー Joan Bradshaw マーク・ジョンソン Mark Johnson 原案: サラ・ケルノチャン Sarah Kernochan クラーク・グレッグ Clark Gregg 脚本: クラーク・グレッグ Clark Gregg 撮影: ドン・バージェス Don Burgess 衣装デザイナー: スージー・デサント Susie DeSanto 編集: アーサー・シュミット Arthur Schmidt 音楽: アラン・シルヴェストリ Alan Silvestri プロダクションデザイナー: リック・カーター Rick Carter ジム・ティーガーデン Jim Teegarden 出演: ハリソン・フォード Harrison Ford ノーマン・スペンサー ミシェル・ファイファー Michelle Pfeiffer クレア・スペンサー ダイアナ・スカーウィッド Diana Scarwid ジョディ ジョー・モートン Joe Morton ドクター・ドレイトン ミランダ・オットー Miranda Otto メアリー・フューアー アンバー・ヴァレッタ Amber Valletta マディソン・エリザベス・フランク キャサリン・トーネ Katharine Towne ケイトリン・スペンサー ジェームズ・レマー James Remar ウォレン・フューアー <もっと詳しく> 以前優秀なチェロ奏者だった美しい女性クレアは、愛する夫のために専業主婦となり、ヴァーモントの美しい湖のほとりで暮らしている。デュポン研究所で要職に就く遺伝学者の夫ノーマンは理想の夫だ。ノーマンは高名な数学者の息子であるが、今は亡き父とよく間違えられ、それを快く思っていない。一人娘のケイトリンは、大学寮に入るので、家を巣立っていく。亡くなった前夫との娘であるケイトリンを手塩にかけて育ててきたクレアは、娘の自立を喜びつつも、悲しみを隠せない。一年前時速 130 キロの車で木に激突するという大事故を起こしたクレアは、ときどき不安に襲われることがある。そんな彼女が娘を失うのはショックが大きいだろうと、ノーマンも友人のジョディも気遣ってくれる。しかし、心の空洞は埋められない。 最近、隣に引っ越してきたフューアー夫妻は夫婦喧嘩が絶えない。夫のウォレンはノーマンの研究所の心理学部で働いている。ある日、庭の壁の向こう側から、泣く女の声が聞こえてくる。心配になったクレアは木の壁の隙間から隣をうかがうと、フューアーの妻メアリーだ。クレアが声をかけると、メアリーは夫のウォレンが怖いと訴える。 翌日、クレアは引っ越し祝いを持って隣を伺うが、誰かがいる気配はない。ポーチには血の付いたサンダルが一足ころがっている。その夜、寝付かれないクレアは、嵐の中で車のトランクに大きな荷物を積んでいるウォレンの姿を見る。ウォレンがメアリーを殺害したのではないかと疑いを持つようになるクレア。ノーマンにも訴えるが、ノーマンはクレアの話を信じようとはしない。 家の中でも奇妙な現象が起こり始める。ひとりでに空くドア、勝手に電源が入るコンピュータやラジオ、ささやくような声、そしてバスルームでは湯船に浮かぶ若い女の顔。クレアは、殺されたメアリーが自分に何か助けを求めているのではないかと思う。 ノーマンのオフィスで自分の考えを言うクレアに、ノーマンは自分の半生をかけてきた論文が仕上がろうとしているときに、そんなことを言い始めるなんて、自分の邪魔をするつもりかと怒る。怒ったクレアは出て行くが、ノーマンは彼女の後を追う。外に出ると、クレアは建物の中にウォレンの姿を見つける。クレアはすぐさまウォレンの許へ走り、あなたがメアリーを殺したと怒りをぶつける。すると、後ろの部屋からメアリーが出てくる。呆然とするクレアに、周りを気遣うノーマン。 家の中の心霊現象はおさまらない。コンピュータの画面上に勝手に「 MEF 」の文字が打ち込まれる。クレアはインターネットで「 MEF 」を調べてみると、マディソン・エリザベス・フランクという若い美しい女性が失踪していること知る。何度も勝手に落ちる写真立。その写真立には、ノーマンが名誉ある現在の職についたときのパーティの新聞写真が入っている。勿論ノーマンの隣にはクレア。落ちた写真立を拾おうとすると、その新聞写真の後ろに、女学生マディソン・エリザベス・フランクの記事を発見。クレアは家の中にあらわれる霊はマディソン・エリザベス・フランクだと思い、彼女の家に行ってみる。 マディソンの母親は、温かくクレアを迎え入れる。マディソンは派手な生活を送っていたらしいが、成績はとても優秀な学生だったらしい。彼女の部屋に入れてもらったクレアは、壁に飾った彼女の髪の毛を見つけ、家に持ち帰る。霊と交信するには、その人の物が必要なのだ。 家に帰ってきたノーマンを、いつもとは違う激しい雰囲気で誘うクレア。その指にはマディソンの髪が絡みついている。机の上に押し倒したノーマンの上にのるクレアは、ふと何かを感じる。後ろを振り返ると、鏡の中にびしょぬれになった自分がいるのが見える。クレアはノーマンに「奥さんが気付いたみたいよ。」と言う。ノーマンは血相を変えてクレアを突き飛ばす。激しい衝撃にクレアは思い出す。事故を起こしたあの日、クレアが見たのは家の中で抱き合うノーマンとマディソンの姿だ。クレアの事故は、ノーマンの不倫を知った激情のうえの自殺未遂だったのだ。チェロ演奏のキャリアを犠牲にしてノーマンと結婚したのにと怒るクレアに、ノーマンは、チェロを失った穴埋めに娘を溺愛していくクレアとの間に感じた隙間にマディソンが入ってきたと弁明。クレアは家を出て、ジョディのところに行く。ジョディは芸術家達が集う小さな村にあるレストランで、ノーマンとマディソンが口論するのを見かけたことがあり、そのことをクレアに黙っていたのを謝る。 翌日クレアが家に戻ると、浴槽の中にコンセントと繋がったドライヤーと倒れているノーマンを発見、急いで救急車を呼ぶ。救急隊員の手当てを受け、ノーマンは無事だ。 ノーマンがマディソンに別れを切り出すと、彼女は自殺するか、クレアを殺すと言ったらしい。そして今彼女が姿を消しているのは自殺したからではないかとクレアに語るノーマン。そして、クレアの言うことを信じるといい、超常現象の専門家に電話をかける。電話中にふと外を見ると、湖のほうへ向かうクレアがいる。急いでクレアの元へ駆けつけると、クレアはなんと湖に飛び込む。底の方へ潜っていくクレア。湖の底の砂を掻き分けると、頑丈そうな木の箱を見つける。そこへ助けに飛び込んだノーマンがやってきて、クレアを引き上げる。家に戻ると、クレアが持っていたマディソンの髪の毛を暖炉の火で燃やす二人。 それから二人のもとに、今までどおりの平穏な生活が戻ってきたかのように思えたが、クレアはジョディがノーマンとマディソンを見つけた場所に行ってみる。そこでクレアは以前勝手に落ちた写真立のガラスの破片で足を切ったときに見つけた鍵と同じ形のマークを見つける。店の中をのぞくと、木の箱に同じ鍵がついている。そして、マディソンの写真に写っていたペンダントも見つける。 その夜家を忍び出したクレアは、びしょぬれになって戻ってくる。湖にもぐって、あの箱を取ってきたのだ。家で見つけたあの鍵で箱を開けると、中にはマディソンの遺品が。ペンダントもある。唖然とするクレアの前にノーマンが現れる。彼がある日家に戻ってくると、マディソンの死体があった。それを車に乗せて湖に沈めたというのだ。過去は忘れて、これまで通り自分と暮らしてほしいと頼むノーマンだが、クレアは車を引き上げようという。ノーマンは失踪中の女性のことで話があると警察に電話をかける。 クレアはマディソンのペンダントを首にかけ、警察が来るので服を着替えにいこうとする。ふとクレアは本当にノーマンが警察に電話をかけたのか疑わしく思い、受話器のリダイヤルを押してみる。警察じゃない。するとノーマンが薬を嗅がせようと、後ろから襲ってきた。逃げようとするが、薬が効いてきているようで、足が思うように動かず、階段から転げ落ちる。もう動けない。動けなくなったクレアをノーマンは浴槽に入れ、彼女が窒息するように水を入れ始めた。そして、マディソンを湯船につけて殺したと打ち明ける。ノーマンはクレアの首にあるものが何かと不思議に思い、クレアの上半身を起こす。マディソンのペンダントだ。ギョッとしてクレアを見ると、その姿は腐ったマディソンとなっている。驚いて立ち上がったときに足を滑らせ、洗面台で頭を打って倒れるノーマン。ノーマンは気絶している。薬が徐々に切れてきたようで、ほんの少し体が動かせるようになったクレアは、必死でお風呂の栓を抜く。倒れているはずのノーマンがいない。クレアは動きにくい体で何とかバスルームから出て行くと、階段の下でノーマンが倒れている。 電話をかけて助けを呼ぼうとするが、コードレス電話がノーマンの下敷きになり、受話器が上がった状態になって電話がかけられない。コードレス電話を取ろうとするが、衝撃を与えてはノーマンが気付いてしまうかもしれない。クレアはノーマンの携帯電話と車の鍵を持って急いで出て行く。自分の車に乗るが、持っている車の鍵が違う。鍵はボートを牽引しているトラックのだ。ノーマンが気付いたようだ。早く乗り換えなければならない。トラックに乗ったクレアは急いでエンジンをかける。携帯電話は橋の真ん中からではないと繋がらない。 やっと携帯電話が繋がるようになったが、後ろのボートに乗っていたノーマンが後ろのガラスを割って襲ってくる。すると道路にマディソンの姿が。急いでハンドルを切ると、車は道を外れて湖のほうへ行き、湖にはまってしまう。何とか逃げ出そうとするクレアだったが、ノーマンに抑えられて身動きできない。どんどん沈んでいく。沈められたマディソンの車が見える。すると中からマディソンの死体が浮いてきて、意思のある顔でクレアを見つめる。マディソンはノーマンを掴み、クレアを逃げさせ、ノーマンのことは放さない。やがて息絶えるノーマン。マディソンは満足したかのように再び水底へと戻って行く。 後日、助かったクレアはマディソンの墓前にバラの花を一輪供える。 面白かったけど、やっぱりハリソン・フォードにはヒーローを演じて欲しい。オフィシャルサイトのイントロは、本当に怖い。うっかり SKIP するのを忘れて、夜中にとても恐ろしい目にあったことがある。 以上。 <もっと詳しく>からスペースを含まず3742文字/文責:幸田幸 参考資料:「ホワット・ライズ・ビニース」日本語版オフィシャルサイト allcinema ONLINE |
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