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★シャイな幸の独り言@映画の森てんこ森
2003年04月28日月曜日

SARS
重症急性呼吸器症候群

 現地時間4月21日、ミラノで私達の観光バスが出るのを待っていた時のこと。

 観光バスのイタリア人運転手がイタリア人の女性ローカルガイドさんと話をしていたのを小耳に挟んだのだが、どうも「イタリアではプヌーモニア(肺炎という意味、多分SARS患者のこと。英語ではニュモウニアと発音します。)が4人になった。トリノとナポリのお医者さんが発症した云々。」のようなことを言っていた。そして「この日本人たちは大丈夫かな」と聞こえた。ひょっとしてこの運転手さんは私達日本人も中国人も同じと思っているのでは?まさか?でも世界地図で日本が中国本土の中にあると思っている欧米人は結構いると聞いたことがある。

 それで「言っておきますけど、日本ではまだSARS患者はいませんよ。私たち日本人からは感染しません。イタリアでは日本のニュースは入りますか?」と言いたかったのですが、何しろ本格的にイタリア語を勉強していませんので大した事は言えません。でも咄嗟(とっさ)に「エ・ヴェーロ?マー、ジャポーネ・ノナ・サルス・プヌーモニア。ネッスーノ。ノーイクイ・インクエスト・プルマン・ノンシアーモ・チネーゼ・マー・ジャポネーゼ。E vero? Ma, Giappone non a SARS pnumonia. Nessuono. Noi qui in questo pullman non siamo cinese, ma giapponese. =そうですか。でも、日本にはSARS肺炎患者は出てませんよ、誰も。このバスに乗っている私たちは、中国人ではなくて日本人です。」と言う内容の幸の怪しいイタリア語(ここに書いたイタリア語も正確ではありませんのでご容赦を。)で言うと、この運転手さんは「Lo so. Ah! Lei parla Italiano? 知っているよ。あれ、あなたはイタリア語を話すのか?」と言うやその後一杯なんか早口で喋ったので、付いていけず「ボンジョールノ・ミ・アコモド。=じゃ、座ります。」と言って微笑んでバスに乗り込んだ。運転手もスマイルしてくれた。

 実際、この運転手さんに、TVでしっかりニュースを見てくれ!と思ったのだが、ホテルで見たイタリアのTVニュース番組では、滞在中は殆どがイラク戦争関連と中国のSARS関連だった。後はイタリアのローカルニュース、そしてサッカーだ。サッカーのニュースはヨーロッパ各国のリーグは勿論のこと、ロシアのリーグまで網羅していた。しかし日本のJリーグはなかった。幸の好きな野球のニュースはメジャーリーグも日本のプロ野球も全くニュースがない。イタリアでは野球は人気がなく、日本はイタリアにとって極東なのだから当然かも。逆に日本のTVニュースでイタリアのことは余程の大きな事件でなければ入って来ない。サッカーのセリエAのニュースがあるだけまだ日本のニュースの方が進んでいるのかも。

 処で、SARSだが、日本を発つ前に少し調べて行ったのだが、カナダのトロントまで拡がったのには驚いた。幸はカナダに友人や知り合いがいて、よく行くので心配だ。
 皆さんもご存じの通り、SARSは、重症急性呼吸器症候群の省略語だ。Severe(重症)Acute(急性)Respiratory(呼吸器)Syndrome(症候群)の頭文字をとって「SARS」(サーズまたはサルス)と呼んでいる。WHOは4月16日、病原体を、風邪を発症させるコロナウイルスの新種と断定した。通常、病原体の研究には年単位の時間を必要とするようだが、今回の研究ペースはものすごく速く、新型は症状が重いけれどワクチンの開発は急速に進むだろうという少し嬉しい予測がなされてる。

 SARSは、インフルエンザに似た症状の感染症で、先ず38度を超す熱が出て、カラ咳・息切れなどの呼吸器症状、呼吸困難、肺炎などを引き起こす。潜伏期間は2−7日で、死亡率は3%。今年2月下旬、ベトナム・ハノイで感染者が確認され香港や台湾、カナダ、アメリカなどに拡大して「謎の肺炎」と騒がれ、恐れられた。昨年11月、中国広東省で爆発的に流行していたことが後日判明。この広東省の医師が滞在した香港のホテルで複数の泊まり客に感染したのが、世界規模の流行のきっかけだった。感染した各々の旅行者がアイルランドやカナダやアメリカへ行ったり、感染者が病院で診察を受け、医者が感染したり、カナダでは感染者の家族が感染している。また、ベトナムで感染した医者がタイに行ったり、ヨーロッパでは、シンガポールからドイツへと伝播している。このSARSの原因ははっきりしないが、コロナウイルス科の新種のウイルスとする説が有力だ。コロナウイルス科のウイルスはヒトや動物に広く感染する。

 SARSは飛沫感染によってうつる感染症であるため、感染者の1m以内の場所で直接飛沫を浴びる可能性は限りなくゼロに近い。これは宝クジに当たる確率より低いらしい。しかし、飛び散ったウイルスが3時間ほど生き延びることが分かっており、何物かに付着した飛沫に触れて感染する間接的な接触感染(=飛沫感染)のリスクを減らすため、予防策としては石鹸と流水での頻繁な「手洗い」と「嗽(うがい)」が最も効果的だ。香港や北京や台湾のニュースで見られるようなマスクの着用は、最重要ではないらしい。過去において、アラスカで行なわれたインフルエンザ(同じ飛沫感染とされる)への感染予防実験でも、マスクの着用では完全に防げなかったものが、手荒いを徹底することでほぼゼロに抑えられた例もあるらしい。

 「怖い怖い」といって過剰反応して、デマに踊らされて買物に走ったりするのもどうかと思うが、しっかりと確かな情報を収集して行動すべきだと思う。実際いつの間にか感染しても健常者なら90%の人が治っているらしい。現状ではSARSに感染して死に至るケースは高齢者や既に基礎疾患(糖尿病、心臓疾患、肝炎、腎不全などの持病)のある方がほとんどらしい。要は、日頃の健康管理に十分注意するのはもちろんのこと、持病のある方、病後・術後で免疫力が低下している方、体調がすぐれない方は決して無理をしないことが重要だ。

 幸は今回のイタリア旅行は随分悩んだ。結局、(1)フィレンツェへの憧れ。(2)ヨーロッパは危険地域に入っていなかった。(3)幸は極めて健康、旅行中は仕事のストレスがないので余計に元気になる。という三つの理由で決行した。
 以下に、幸が旅行前に情報収集したサイトの紹介をしておきます。中には毎日情報が更新されているのもあってありがたかった。

★公的機関のホームページ
WHO(世界保健機関)
英語 http://www.who.int/csr/sars/en/
CDC(米国疾病管理予防センター)
英語 http://www.cdc.gov/ncidod/sars/
IDSC(感染症情報センター)
日本語 http://idsc.nih.go.jp/others/urgent/update.html
東京都感染症情報センター
日本語 http://idsc.tokyo-eiken.go.jp/SARS/sars.html
JATA(日本旅行業協会)
日本語 http://www.jata-net.or.jp/
JSTM(日本旅行医学会)
日本語 http://www.jstm.gr.jp/index.htm
厚生労働省ホームページ
日本語 http://www.mhlw.go.jp/index.html
外務省海外安全ホームページ 
日本語 http://www.pubanzen.mofa.go.jp/

 とにかく、SARSは怖いことは怖いが、万が一感染しても自分の身体に重大な疾患がなければ90%以上の確率で治ると聞くと少し安心する。対策予防として、海外旅行で流行地域に行く場合は、その国の情報をよく収集して、マスクの着用、個人の日頃の予防策としては、うがいと手洗いの励行だそうだ。

 最後に、ほんの先ほど読んだMSNニュースから今日(4/28)のSARS関連の記事を紹介します。
<【香港28日】新型肺炎「重症急性呼吸器症候群」(SARS)の死者は27日にアジアとカナダで新たに25人が報告され、世界全体では318人に達した。米週刊誌タイム最新号(28日発売)は、SARSによる観光業、小売業、生産性の損失は中国、韓国、日本、香港で何十億ドルにも上る恐れがあると報じた。同誌によれば、カナダのトロントは1日に3000万ドルの損失を被っている。
 米疾病管理予防センター(CDC=本部ジョージア州アトランタ)のガーバーディング所長は27日、何らかの種類のワクチンができるとしても少なくとも1年先になるとの見通しを明らかにした。〔AFP=時事〕>
 ※参照 http://news.msn.co.jp/articles/snews.asp?w=459759
coda21「映画の森てんこ森」幸田幸。
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